原発関係の問題が多く出てくる理由は何ですか

質問

福島原発の事故後の問題や最近の文殊解体の話を聞くと、さぞ頭の良い人たちが計画したものだろうと思っていましたが、結構杜撰だったのではないかという印象を素人ながら持ちます。対応期間の長期にわたることなどを含めて大丈夫なのだろうかと心配になりますが、全体的に見れば問題はないのでしょうか。

回答No.13

eroero4649

福島第一原発事故が起きるまで、私も不勉強で地震発生時には制御棒を入れて原子炉を停止させればそれで済むと思っていました。燃料棒の崩壊熱が膨大で、使用済み燃料でさえ何十年も冷やし続けないといけないだなんて知らなかったのです。
そしてもんじゅで使われている高速増殖炉で冷却液として使われている液化ナトリウムは、空気に触れると燃えだし、水と触れると爆発すると聞いて、燃えるとか爆発するってものが「冷却」ってなんのブラックジョークかと思いました。結局もんじゅは1ワットも発電しないままに廃炉になることになりました。元々高速増殖炉は、アメリカやフランスでさえ開発を断念したものです。

しかし深刻な問題はまだまだ続きます。今現在も国内にある膨大な使用済み核燃料。これをどう「最終処理」するのか全く決まっていません。実は日本は使用済み核燃料を再処理するための一時預かりとしてイギリスに使用済み核燃料を仮置きしています。それは高速増殖炉の実用化によって再処理されるはずでした。
しかしもんじゅの廃炉が決まったので、当然イギリス政府は「預かっている使用済み核燃料を謹んでお返ししたい。あくまで一時預かりなんで」と考えてみれば当然のことを言いだし、日本政府は慌てて「ちょっと今それ言っちゃマズいから！ちょっと！ちょっと待ってて！！」といいました。
これを「原発はトイレがないマンション問題」というのですが、いってみればトイレがないマンションに仮置きしている膨大なウンコをこれからどうするのか、非常に対応に苦慮している状態です。

なお、青森県の六ヶ所村の施設はあくまで「再処理施設」という扱いなので、あそこを最終処分地とすることはできません。六ヶ所村の村長も「再処理施設だから受け入れたんであって、最終処分地として承諾したわけではない」といっています。とはいえ青森県とて大地震が起きないということはなく、現状でも六ヶ所村にあるウンコの1％が漏れただけで「東京が避難が必要で、青森県に人が住めなくなる」というレベルの汚染が起きるといわれています。思わず眩暈がしますね。

福島第一原発事故の処理の汚染水はあと2年で保管できる量をオーバーすることが最近明らかになりましたが、その先どうするか名案はありません。また、私や質問者さんが生きている間に廃炉作業が終わることもありません。100年後にもまだ終わらないでしょう。孫、ひ孫の代まで後処理は押し付けられるのです。

現代の我々はときに太平洋戦争に向かって行った当時の人々を「愚か」ということがあります。きっと我々は未来の人々から原子力発電などというものを採用したことを「愚か」といわれることでしょうね。

お礼

生物は繁栄のもとになった素質で滅びるという原則があると聞いています。人間も例外ではないでしょうね。しかしこれは物質の分布の問題でもありますね。富の格差と同じように核物質を異常なまでに精製濃縮した結果、こういうことになっているので元へ戻せば少しは問題が軽くなりませんか。人間が自分で考えているほどには賢くないことは確かです。