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管理費等の滞納金額を理事会で減額できるか

マンションの管理費や駐車場使用料等の額は規約や細則で決められいます。 総会決議を経て滞納金回収訴訟を行った結果、被告滞納者から半分に減額してくれれば支払うとの和解条件が提示されました。 1.この和解案を理事会として受け入れても問題ないでしょうか。 2.理事や監事が減額分を負担する責任が生じませんか。 3.駐車場使用料のみ免除というのは許されますか。 因みに、私は規約や細則で定めた額を減額することは債権放棄に相当する。従って減額するなら全組合員の賛成、少なくとも3/4の賛成を得る必要があるのではないか考えています。

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  • bisco2013
  • ベストアンサー率100% (2/2)
回答No.3

諸説ありますが、私は、管理組合の債権は「総有」で、本件は「特別決議で総会承認を得て減額(=債権一部放棄)する」のがよいと思います。 「債権放棄には組合員全員の同意が必要」とする背景には、“管理費等の滞納は特定承継人にも請求できるという特別な仕組みがあり、競売などの手段も考えられるので容易に債権放棄すべきでない” ということもあると思います。でも実のところは “区分所有法での明確な規定がないから、民法の共有(準共有)の考えを適用(準用)しておけばよい” というだけの感じがして、全員の同意が必要である明確な根拠があるとは言えない気がします。「共有」は「持分」の意識が強いと思いますが、管理組合では、自己の持分だからと言って組合の共有物を自由に処分されては困りますし、変更(=処分)のために全員の合意を得るというのも大規模マンションでは非現実的です。「合有」は、持分を意識しつつ処分を制限する点で、区分所有建物の管理には合う感じはします。滞納による未収金も、組合員が持分に応じて立替えている分割債権であると考えられるかもしれません。でも本件は、組合に対する規約(細則)上の納付義務の履行を求めて、組合としての訴訟提起を決議した結果の訴訟上の和解だと思うので、「権利能力なき社団」である管理組合としての行為であると捉えた方がわかりやすいと思います。裁判所は権利能力なき社団の債権を「総有」と解釈するのではないかなと思ったので、判例等を援用して説明する場合も想定し、総有とするのが良いと思いました。したがって私は、管理費等の債権は、組合員全員に総有的に帰属するものだと捉えて、総会決議によって放棄も可能であるべきだと思います。 次に普通決議か特別決議かですが、規約に予め定めがなければ、特別決議にした方がよいと思います。そもそも管理規約で管理費等を納めることが義務づけられているでしょうから、規約上の義務を減免するのであれば、規約の変更と同等の基準で承認するのが合理的です。(細則で定めた義務なら普通決議で減免してもよいかも?)また、法人化された管理組合では債権放棄がしやすい点を考えると、法人化の要件である特別決議と同レベルのハードルをクリアしておくとよいとも思いました。なので、特別決議で組合の承認を得るのがよいと思うのです。なお、「○○決議で債権放棄できる」ように規約を改正(条文化)するという手もありますが、それだと放棄ありきの組合になってしまい、納入義務との背反を感じてしまうので、私は、特別決議を要する個別の事案として都度議案を上程して処理する方がよいと思います。 以上の私見を踏まえると、ご質問に対しては、 1.この和解案を理事会として受け入れても問題ないでしょうか。  → 総会の特別決議で承認または追認を得て受け入れるのがよいと思います。 2.理事や監事が減額分を負担する責任が生じませんか。  → 理事会等で和解を成立させたものの総会の追認を得られなければ、責任を追及される可能性はありますが、負担の要否は最終的には司法判断によると思います。 3.駐車場使用料のみ免除というのは許されますか。  → 経緯や事情により、総会の判断次第だと思います。 実際には、その組合の管理規約や細則、契約書、あるいは議案書や裁判資料、和解条項(和解調書)等を精査しないと判断できない部分が多々ありますが、総合的に考えると、「特別決議で進める」のが管理組合としての合理的で現実的な判断ではないでしょうか。もちろん、放棄に至る経緯や状況を理事会が組合員にきちんと説明し、組合の総意として納得できるものであることが前提です。その結果、その放棄がマンション管理上・組合運営上、何らかのプラスをもたらすものだと判断されれば、必ずしも全員の同意は必要ではないと思います。 諸説のひとつとしてご参考になれば幸いです。

daikoku99
質問者

お礼

大変わかりやすいご説明と論理構成に感謝します。 合有説等、私の考えととほとんど同じなので安堵しました。 「放棄ありきの組合」というご指摘は目からうろこです。 まさにその現象の第一歩なのです。 実務的処理と適切なハードル設定がポイントなのだと思います。 ありがとうございました。

その他の回答 (2)

  • hue2011
  • ベストアンサー率38% (2801/7249)
回答No.2

これは当然組合員全員の賛成が必要です。3/4だとか1/2だとかいう数字は意味を成しません。 理事会というのは単なる管理部署にすぎませんから、そのようなことの決定権はありません。それがその理由です。 しかし、現実には、総会を行うとき、欠席希望者は欠席する代わりに議事決定に関して参加者の決定に従うという一筆を普通いれますから、実際には総会参加者全員の賛成ということで成立はします。 減額をすることはどうかという事案が提示され、それを議論した上全員一致で認めない限り成立しません。 当然ですが、理事が代理で補填分を払うなんていうことも自動的には成立しません。議事のなかで、この人の分は誰と誰が払うという申し出があり、そうすれば財務的に正常になるけどそれではいかがだろうか、という新たな議案になるだけです。 駐車場のみ減額なんていう、そもそもルールに異例をつくるような話は最初からあり得ません。これも、だれそれが代りに払うということでよいのか、という議案になるだけです。 ひとりでも反対者がいたら、一切成立は致しません。

daikoku99
質問者

補足

ありがとうございます。 f272さんへの補足もご覧ください。 総会参加者全員の賛成を組合員全員の賛成と見なすのは無理と思います。 ルールがない状態で債権放棄をどうすれば良いのか、その責任は誰かがお伺いしたいポイントです。

  • f272
  • ベストアンサー率46% (8537/18277)
回答No.1

円滑な共用部分管理のために訴訟上の和解として債権の一部放棄をするということですね。 規約に,たとえば特別決議を要するというような定めがあればそれに従わねばなりませんし,普通決議を要するとあればそれに従います。理事会に一任するという規約でも同じです。 規約がない場合に,総会での普通決議で具体的なこの件に関して理事会に一任するとあれば,それでも構いません。 何もないのであれば,総会での普通決議が必要です。 理事会に一任されていた場合に,理事会が不当な内容の和解をすれば理事の善管注意義務違反という問題に発展する可能性がありますので,そういう不安をなくすという意味では総会決議を経ておいた方が安全です。 なお,いったん訴訟上の和解が成立すれば,例えば規約の定めが無効というような理由があっても,和解の効力がなくなることはありません。

daikoku99
質問者

補足

>>和解の効力がなくなることはありません。 だから事実上の債権放棄なるということです。 債権放棄方法が管理規約にない場合どうすれば良いのかのか、組合財産は共有か総有か合有かの問題です。 マンション管理センターは全員合意説、住宅管理業界は普通決議説(理由不明)。 意見が違うのでそんな視点でご意見いただけるとありがたいと思いました。 私は規約に定めれば良いとの考えたので特別決議と同等の賛成が必要と考えました。 少なくとも正当な、それに準ずる手順を踏まなければ債権を放棄した者の責任になるのではないかと考えました。

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