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今後のアフリカの飢餓問題について

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  • omeger
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回答No.6

定量的に見てみると、カロリーの輸出入と 栄養不足人口の関連性は想像されるほど高くはないようです。 ・FAO-農業貿易マップ (輸出-輸入)÷消費カロリー http://faostat.fao.org/Portals/_Faostat/documents/pdf/map05.pdf ・FAO-栄養不足人口マップ http://www.fao.org/statistics/yearbook/vol_1_1/pdf/map14.pdf 広大な砂漠が広がり食料の自給に適さないように見える北アフリカは、 実はアフリカの中で栄養不足人口の割合が一番低いです。 一方、中南部には比較的自給的なはずですが、 栄養不足人口の割合の大きい国がたくさんあります。 そもそも自給率という言葉は日本以外であまり使われず、 国際開発上重要なキーワードではないです。 分母となる供給量に問題があり、自給していても供給量が少ない国では、 穀物が輸入できないために食糧事情が悪い可能性があります。 輸入できる能力があれば食料のキャパシティはあるわけで、 石油輸出能力がある国で栄養不足の問題は比較的小さくなります。 原理上は、中国のように工業製品を輸出することや、 インドのようにソフトウェアを輸出することでも食料と交換できます。 従って輸入に依存できる能力があれば食糧不足にならない仕組みですが、 自給率というよりも農業生産量は増加した方が望ましいと考えられます。 第一に自国産物の価格低下、穀物価格上昇、資本逃避などの変動で 輸入能力が低下した時に食料消費水準が悪化する可能性がある点、 第二には生産能力拡大による所得水準向上のために、 第三には世界レベルの供給拡張の必要性のために、 農業生産の増加は貧困脱出にとって重要となると思われます。 飢餓の最も多い地域と、紛争地域または最近まで 紛争を抱えていた地域は顕著に一致します。 これらの地域は、安定を保てればインフラが大きく改善できるかもしれません。 所得の低い地域では紛争が起こりやすいという関係も指摘され、 そのためなかなか貧困から脱出できない面もあります。 一方、人口問題に関しては、懸念はあるとはいえ、 一見想像されるほど所得水準や飢餓に与える影響は絶望的ではないかもしれません。 人口増加前にも飢餓がなかったわけではなく、 現状の供給能力が飽和しているという証拠は特にありません。 1980年のアフリカの人口は今の半分強で、人口的に余裕があるように見えますが、 ほとんどの国で1人当たりの消費カロリーも今より少なく食糧事情はよくなかったりします。 ・消費カロリー水準 (アフリカの人口 (1980)4.8億人 (1990)6.4億人 (2000)8.2億人)(UNより) ナイジェリア (1980)2050kcal(1990)2430kcal(2000)2700kcal エジプト (1980)2900kcal(1990)3180kcal(2000)3350kcal スーダン (1980)2180kcal(1990)2160kcal(2000)2260kcal タンザニア (1980)2190kcal(1990)2120kcal(2000)1960kcal モロッコ (1980)2750kcal(1990)3060kcal(2000)3070kcal アルジェリア (1980)2640kcal(1990)2880kcal(2000)3040kcal ケニア (1980)2250kcal(1990)2020kcal(2000)2150kcal ウガンダ (1980)2110kcal(1990)2310kcal(2000)2380kcal ガーナ (1980)1700kcal(1990)2010kcal(2000)2650kcal 中国 (1980)2330kcal(1990)2680kcal(2000)2940kcal インド (1980)2080kcal(1990)2370kcal(2000)2440kcal (FAOより、1980:1979-81年 1990:1989-91年 2000:2001-2003年) 平均の所得水準が悪化していないとしても、人口の増加に伴って、 栄養不足人口の絶対数が増加する問題はあります。 ただ、うまくいっていると人口が増加しながら 栄養不足人口が減少している国もあります。 ・ナイジェリア 全人口 (1980)6430万人(1990)8600万人(2000)12400万人 栄養不足人口 (1980)2390万人(1990)1180万人(2000)1150万人 ・エジプト 全人口 (1980)4390万人(1990)5580万人(2000)7190万人 栄養不足人口 (1980)360万人(1990)250万人(2000)240万人 ・中国 全人口 (1980)10億4200万人(1990)11億6090万人(2000)13億1170万人 栄養不足人口 (1980)3億0400万人(1990)1億9360万人(2000)1億5000万人 ・インド 全人口 (1980)6億8900万人(1990)8億4640万人(2000)10億6550万人 栄養不足人口 (1980)2億6130万人(1990)2億1480万人(2000)2億1200万人 (FAOより、1980:1979-81年 1990:1989-91年 2000:2001-2003年、全人口は2003年)

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