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積分の成り立ちとdxの意味
- 積分の成り立ちから考えると、dxという記号が必要なのか疑問に思います。
- dx単体でも意味を持つのか、成り立ちから考えてdxに意味を持たせていいのか理解できません。
- f(x)dxが微小面積で∫を作用させることによって足し合わせるイメージはあるが、数式上での理由がわかりません。
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そもそも積分とは何か,といえば,「細切れを足したもの」が積分です. 積分を計算したければ,細切れを足す計算を実行すれば(そして,その計算が実行可能なら),それでできます. 積分とは何かを説明するにも,積分を計算するにも,「微分の逆」は本来は出てきません. 積分は微分とは無関係に定義されるものです. ライプニッツの記法は,この積分の定義を忠実に書き取ったものになっています. 「細切れを足す」以上,足されるべき個々の「細切れ」が何かを明らかにする必要があり,「f(x) に dx を掛ける」という操作を式の中に書くのは当然です. ところが,微積分学の基本定理の発見によって,(1変数の場合は)わざわざ細切れを足さなくても「微分の逆」を使えばうまく積分を計算できるという「裏技」(←説明のために批判を恐れずあえてこう書きます)が編み出されたのです. 「積分は微分の逆」という標語は,「結果的に成り立つ事実」「計算のための便利な公式」という程度に認識すべきで,「積分とはそういうものである」と解釈すべきではありません. 高校数学カリキュラムで原始関数を使って積分を導入しているのは,「細切れを足すのを高校生にきちんと説明するのは困難だから」という消極的な理由による「方便」です.こういう高校数学の方便としての積分の見方は,大学で微積分学を学び始める段階でリセットすべきものです. ======== ところで,こうして積分の本来の意味とライプニッツの記法を見直してみると,∫ という記号はあくまで「足す」という意味で,「微分の逆をせよ」という意味は込められていないことに気づきます.その意味で,「∫ を微分の逆の作用素とみなして, dx を書かない」というのは,新たな記法の提案としても無理があるでしょう(∫ と dx のセットで「微分の逆」と説明するのなら,本来の意味とは異なるとはいえ,結果的につじつまが合うので,高校数学の方便として通用します). 1変数に限定して,たとえば I[f(x)] で f(x) の原始関数を表すとか,dx に相当する記号を使わない積分の記法を考案するのは自由ですし,そういう試みは過去にあったかもしれません.でも,そのような記法に,すでに定着したライプニッツの記法と比べて「dx を書く手間が省ける」以上のアドバンテージがあるとは思えず,提案してもたぶん流行らないでしょう.
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- alice_44
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「微小距離」が出てくるのは、グラフを使って考えるからでしょう。 積分変数は、物理学的に距離として測られるものに限りません。 積分を図示して説明するときに、被積分関数のグラフを描くと、 積分は面積に、dx は x 軸上の微小距離に対応するだけです。 積分そのものが面積な訳ではないし、dx 自体が微小距離でもない。 単なる例え話であって、積分の定義は数式だけで行えます。
お礼
確かに面積だけではないですね。では、微小範囲の変数とその関数の掛け合わせたもののある領域内での足し合わせであると考えたらいいんですね。
別に「微小距離」に限定しているわけではありません. ANo.3様がおっしゃっているように∫は「和」であり「微小なものを足し集める」という意味で,たとえば物体の質量mを考えるとき,質量は物体を細切れにしたときの各微小素片の質量dmを足し集めたものであるから m = ∫dm. で,各微小素片の質量dmは密度ρと各微小素片の体積dVとの積なので dm = ρ dV したがって m = ∫dm = ∫ρ dV. この式の最右辺で,もしdVがなければ,物理的意味は通りません. > ∫を使って微分の逆作用をするという考え方のみでいい気がします。 そもそも,「積分が微分の逆演算」という考え方が素直に通用するのは1次元の積分だけです. (リーマン)積分の定義自体は上述した「細切れを足し集める」というものです.で,1次元の積分の場合,積分区間の上限を変数にしてみたら微分と逆演算になったというだけです: d/dx ∫[c,x] f(t) dt = f(x). (微積分学の基本定理)
お礼
詳しいご回答ありがとうございます。なるほど、そもそも微分と積分の関係がおかしかったのですね。一次元の場合のみに成り立つ偶然できたものなのですね。では、この足し合わせという概念が基本にあって微分の逆作用が積分であるという関係が必ずしも成り立つわけではないということでいいんですか?
- boiseweb
- ベストアンサー率52% (57/109)
#3さんの解答と重複しますが,なんで,質問者さんはそこまでわかっているのに 『「 f(x) かける dx」 が長方形の面積で,∫ は「合計せよ」という宣言』 という説明を受け入れられないの? と,逆に不思議でなりません. ∫ と dx を使う積分の記法を考案したのはライプニッツです. ライプニッツは同時に,dx と dy を使う微分法の記法も提唱しています.この時点で微積分学の基本定理は確立されていました.ライプニッツの記法の優れたところは,dx, dy という記号を広く用いることで微積分の記法に一貫性を持たせたことです. 高校生でもわかる例を挙げれば,「置換積分の公式がものすごくわかりやすく書ける」というのは,ライプニッツの記法のご利益のひとつといえるでしょう. 重積分や線積分など,より高度な微積分の理論を学ぶと,dx の有用性がもっとよくわかると思います. ところで,微分の記法については,dx, dy を使うライプニッツの記法のほかに,f'(x) のように ' を使うラグランジュの記法,微分演算子 D を使うオイラーの記法もあり,さらに物理では y の上にドットをつけたり(ニュートンの記法) f の右下に x と書いたり,さまざまな記法が使われています. 積分についても,同じように,dx に相当する記号を使わない積分の記法が考案されて普及する可能性はあったかもしれません.実際はそうならずにライプニッツの記法が定着したのは,やはり,微積分の記法の一貫性という利点が広く認識されたからではないでしょうか.
お礼
ご解答ありがとうございます。面積の値は微分の逆作用するという行為で可能であると納得できています。ですが、今回のURLの説明のように積分という行為の成り立ちには微小距離という概念を使っていない気がします。わかりにくい質問でごめんなさい。
- springside
- ベストアンサー率41% (177/422)
「縦の長さがf(x)、横の長さがdx」となっている長方形の 面積は、f(x)×dxなので、dxには確固とした意味があり、 ∫f(x)dxは、それら多数の長方形の面積を足し合わせたもの という意味になります。 ∫という記号は、「和」を意味するsumという単語の最初の文字s を縦に伸ばしたものです。
お礼
確かにその通りなのですが、私はそれは言葉として理解しているだけで、あるいは図としても理解しているだけです。∫を使って微分の逆作用をするという考え方のみでいい気がします。なぜ、ひょっこりとdxは微小距離って概念を数式を構成する上でなぜ持ち出してきたのかよくわからないんです。説明がうまくできなくて申し訳ありません。私はこういうものだと理解するしかないのが大変気持ち悪いんです。
- muneui2008
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- mmk2000
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すみません、 的を得た答えではないかもしれませんが、 参照URLにある通り、dxは微小な長さとして存在しているわけですから成り立ちの過程でもdxは意味を持っています。 底辺がdx、高さがf(x)ですから。 また∫f(x)dxのdxがないと、何について積分するのかが分からないという問題もあります。 f(x)という関数の中にもx以外の文字が入ることも多いわけですから、今はxについて積分してますよ、と宣言するためには必須です。
お礼
お答えありがとうございます。 (また∫f(x)dxのdxがないと、何について積分するのかが分からないという問題もあります。 f(x)という関数の中にもx以外の文字が入ることも多いわけですから、今はxについて積分してますよ、と宣言するためには必須です)確かにそうでした。そういった意味ではdxは必要ですが、dxが微小距離であるという物理的意味を持たせていいのかなと思います。f(x)dxを積分範囲で合計せよという意味も理解できます。ただ、どうしても積分の成り立ちから考えてdxは単なる記号にすぎず、微小距離という物理的意味を持たせる意味がわかりません。
お礼
ありがとうございます。だいぶ頭の中がすっきりしました。ベストアンサーに選ばせて頂きます。