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特別永住者と外国人参政権

Ganymedeの回答

  • Ganymede
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回答No.9

〔前回より続く〕 (3) ということで、この判決当時想定されていた「外国人」は、特別永住者のそのまた一部だったという。範囲が広い順に一応挙げておくと、 永住者等 > 永住者 > 特別永住者 > 特別永住者にさらに縛りをかけたもの であろう。それにもかかわらず、判決文の該当箇所は「永住者等」と逆に範囲を広げるかのような書き方である。これはなぜか? 判決は、能(あた)う限り精密な言葉遣いで書くものでは? これは、裁判官がここで「外国人」の範囲を指定するのが越権行為になるからだろう。「そういうのは国会がお決めになること」というのが、裁判所のスタンスである。すなわち「立法政策」だ。憲法解釈と立法政策とは別々の範疇であり、後者は司法の仕事ではない。仮に、裁判官に範囲を指定する気があったら、判決に「外国人のうちでも特別永住者であってその居住する区域の……」などと書き込んだはずだ。 これは、「園部のじいさんがうっかり書き漏らしただけ」ではないだろう。そもそも、最高裁判決は(小法廷なら5名の)最高裁判事だけで書くのではない。最高裁調査官(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%AE%98)が広範に関わる。むしろ、最高裁判事はアウトラインを示して、実際は調査官が書いたりするらしい。調査官は、地裁の裁判長や高裁の陪席クラスの人などがなる。最高裁判事には、最高裁調査官の経験者も多い。つまり、調査官は裁判官の中でもエリートコース驀進中の(まだ老人でない)人たちであろう。調査官というぐらいだから、(裁判当時の)法学者たちの考え方なども相当調査して取り込み、判決を書く。というわけで、この判決の「永住者等」は、わざとそう書かれたと解すべきである。 園部は(判事を退官して既に久しいが)、もちろん憲法解釈と立法政策の違いをわきまえている。インタビューに答えて立法論を述べる時は、「立法論はあまり言いたくはないのだけど」と断った上で述べている(「週刊金曜日」2010年3月12日号)。おそらく、そこらへんを歪曲しているのが産経の記事だろう。産経ではなく週刊金曜日から彼の立法政策論を(インタビュアーの問いも含めて)引用すると、次の通り。 〔引用開始〕 立法論はあまり言いたくはないのだけど、かりに永住者が大阪から東京に引っ越して地方選挙権が認められるかというと、そういうことまでは考えてはいなかった。 ――つまり、入管特例法上の特別永住外国人にさらに縛りをかけて地方選挙権を認めたという読み方になるのでしょうか。 そうみてもらって結構ですよ。 〔引用終り〕 憲法解釈(要請説・禁止説・許容説)と立法政策(肯定説・否定説)の組み合わせは、論者によってさまざまである。肯定説とは、「国会で立法して外国人に参政権を付与すべし」という論であり、それを否定するのが否定説である。たとえば、(かつての)長尾一紘は地方について、「許容説」かつ「否定説」の立場だったと言われている(http://okwave.jp/qa/q6045484.html、回答番号No.13の拙文)。 (4) むしろ憲法解釈として重要なのは、この判決が、15条1項の「国民固有の権利」から直接「禁止説」を導いてはいないことである。禁止説にせよ、許容説にせよ、導き出す際には「性質説」を用いる。そのことを私は下記の既出質問でも回答した。 外国人の参政権 - 政治 - 教えて!goo http://okwave.jp/qa/q5010510.html?order=desc 〔引用開始。(ありうる)を補った〕 なお、この「許容説」は前出の「性質説」と矛盾しない。「国政参政権については、その性質上日本国民のみ。地方参政権については、その性質上外国人も(ありうる)」ということである。国政と地方とでは、権利の性質が異なると考えるわけだ。 〔引用終り〕 〔字数制限により次回へ続く〕

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