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権力とは?国家とは?

ghostbusterの回答

回答No.1

どのレベルの回答を求めていらっしゃるのかよくわからないので、ごく一般的な回答を書きます。さらに詳しいことが知りたい場合は、また補足してください。 >1、フーコーのいう「権力」とはなんですか? フーコーの『監獄の誕生――監視と処罰』という本は、冒頭、1757年の国王を殺害した人物が、大衆の集まる場所で拷問にかけられ処刑されたことから始まっていきます。 そうして、つぎのパラグラフでフーコーがそれと比較するのが、19世紀半ばのパリ少年感化院での規則表です。少年犯罪者たちは、六時起床、黙って五分で着替え……というふうに、起床から就寝に至るまで、分単位で一日が決められている。 このふたつのちがいがわかります? 公開処刑というのは、国家がみずからの主権に刃向かった者に対して、どのような処罰をおこなうか、権力を誇示したものです。 それに対して、パリ少年感化院での規則表は、収容者たちを心身ともに服従させる「権力」です。規律を課し、訓練を施すことによって、自分から進んで社会の諸価値に従属する主体となるよう、調教していくものです。 フーコーが注目するのは、後者の、より見えにくい、19世紀に誕生し、監獄や学校、工場、兵舎、病院などの施設として制度化された権力です。 フーコーは、ふたりの人間が向かい合うとき、そこにはつねに「権力」が働いている、といいます。 親が子供をしつけ、教師が生徒に知識を教え、専門的職業領域では試験があって、その一員となるために必要な知識・技術が規定される。 これらはすべて権力関係である。 それだけではありません。「あの話、知ってる?」というレベルの会話さえ、知っている伝達者と、知らない受信者のあいだには、権力が働いている。 教えたり、示したりする者はすべて、権力をともなっています。 教わり、学習する者はすべて、服従しなければなりません。 ここで重要なのは、「権力は、無数の点を出発点として、不平等かつ可動的な勝負(ゲーム)の中で行使される。」(『性の歴史 ――知への意志』渡辺守章訳 新潮社)ということです。マルクス主義の「国家権力」のように、奪取したり、掌握したり、譲渡したり、分割したりするようなものではない、ということです。 人は、親や教師、あるいは上司や先輩から、こういうのが「よい生活」だよ、こういう生活を送るのが「あなたのため」だよ、と勧誘されて、社会のなかに入っていきます。そうして、その一員として「正しく」ふるまえるよう、規律を内面化し、言われている「よいこと」を自分の「よいこと」としていき、その「よいこと」を身につけているかどうか、試験され、さらにはやがて「自分の意見」をそこに付け加えることさえする。知らないうちに規律に服従している。 そこで問題になってくるのは、「誰が権力を握っているのか」ではなく、それが実際にどのように働いているのか。自分自身にどのように作用しているのか、ということです。 そこがフーコーの権力論のポイントだと思います。 > フーコーは「国家権力」とはなにか、ということは書いていませんか。 ええと、これはちょっと説明するのに時間がかかるので、また後日書きます。 ゴメンナサイ。たらたら書いてたら時間がなくなった。 > 「権力の発動は関係の総和」 総和、というのが微妙にひっかかります。 総和って、なんとなくあるものを実体的にとらえてるから出てくるような言葉かな、と。 人びとが社会のなかで、他の人びとと関係を持ちながら自己の欲望を追求するなかで発生する〈場〉として権力をとらえていったんだ、というふうにわたしは理解しているので、この言葉にはちょっと違和感を覚えます。ただ、コンテクストによってはこの表現がふさわしいかもしれないので、これだけだとなんともいえません。

4219hidepon
質問者

お礼

1、「フーコーが注目するのは、後者の、より見えにくい、19世紀に誕生し、監獄や学校、工場、兵舎、病院などの施設として制度化された権力です。」 2、「人びとが社会のなかで、他の人びとと関係を持ちながら自己の欲望を追求するなかで発生する〈場〉として権力をとらえていったんだ、というふうにわたしは理解しているので、」 ああそうか、現象学で云う「関係性」は「空間性」だから、フーコーは全ての関係を権力関係と見ているので、「場」という概念になるのでは??? いい、事例を出して頂き、有難う御座いました。

4219hidepon
質問者

補足

1、「二つの違いは」良く判りました。 2、関係の総和というのは、貴方が説明された点においても、「権力関係」の全体性というか総和として、社会的権力(企業、組合や社会団体等などの)であれ、党派権力であれ、政治権力であれ、司法権力であれ、行政権力であれ、父権力であれ母権力であれ、「権力が発動(行使)」されてくるものというようになりませんか? 歴史的、文化的、伝統的な関係、それに現在の社会、政治状況的な関係から、勿論、その前提としてなんらかの契機、機縁があって「権力が発動」されているように思えるのですが。権力及びその行使に関して本質的にフーコーが云った言葉のように思うのですが。 最近の特捜検察の小沢秘書逮捕、起訴などみていると、昨年から検察権力の動きなどをみていると、勿論、逮捕後は、マスメディアや検察のリーク情報によって、「関係の総和」という社会状況を作り出し、起訴、裁判手続というように、検察特捜という司法権力が発動されているように、フーコーの言葉を応用して見ているのですが。フーコーの言う眼差しでもって、日本の政治、社会状況を見ているつもりなのですが。 「網の目状」というフーコーの言葉も、多様な次元での関係、己に身体化された関係を含めての「権力関係」ということではないでしょうか? なんか判らん事を書いてしまいましたが・・・・・・・ 「総和って、なんとなくあるものを実体的にとらえてるから出てくるような言葉」ではありません。「関係」という見えないもの、見えない「権力関係」の総和というか全体性という意味のように理解しているのですが。 判りにくい無能書きを書いてしまいました。 フーコーの方法論を勉強して、日本の現実の社会政治問題に適用、応用できるのではないかと思い勉強を始めたものです。よろしくお頼みします。

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