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耐震強度
先日設計事務所さん同士の話で(構造屋さん)新聞等で 「震度5強で倒壊のおそれ有り」ってあるがあれってどういう基準なのだろうか?という話が出てました。 実際、設計用標準震度(Ks)なる物がありますがあれは震度いくつの時の物なのでしょう。ご教授よろしくお願い致します。
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正確に言うと建築で用いる地震外力と震度の間に関係はないのですが、世間一般にそのような比較のほうがわかりやすいせいか流通していますので、震度5以上を大地震、震度6強以上を巨大地震に相当するとして話を進めます。 まず、建築基準法の耐震の考え方は、数10年に1回程度は発生する大地震に対しては無被害か軽微な被害、建物が存在する期間に1度発生するかどうかわからないような巨大地震に対しては、建物が壊れてもよいものとし、倒壊など建物の被害により直接人命が損なわれることだけは避けるとなっています。 次に設計用震度は関東大震災等を参考に仮に定めたものがそのまま法制化されて一部修正されたものの残ったものです。 阪神淡路大震災までは震度の表示システムの最大は震度6でしたので、震度7を想定していないことは明らかです。 また昔(旧耐震基準)は許容応力度設計一本で、保有耐力のような考え方がなく、壊れるかどうかを判断していましたので、大地震(震度5程度)と考えてよいものと思います。 新耐震ではまず1次設計用の設計震度で被害を受ける受けないを判断し、それで被害を受けると判断されるような場合は、保有耐力により倒壊するしないを判断することになっていますので、1次設計では震度5程度、2次設計では震度6強程度を想定している値を用いているといえると思います。 なお、地震研究はもともと地震のないドイツからきた技術者が日本ではじめて地震を体験して、興味を持って研究を始めたのがきっかけです。 当時の地震計はこんな大きな地震が発生するとは思っていなかったのでもっとも大きな揺れの部分は針が振り切れていたので、元となった地震の大きさも推定値です。 その後に起こった地震に対してもおおむねあっていることが認められています。 倒壊するしないという話は、本来巨大地震に対して倒壊しないことを目標に設計しているのに対して、基準を下回る耐震強度しかもっていないと言うことは、巨大地震では倒壊するということを意味していますが、大地震で倒壊するかどうかの判断はしていません。よって、その度合いによってはもっと小さい地震でも倒壊する可能性があるということをわかりやすく説明するための表現方法ではないかと思います。 同様に震度4でも大被害を受ける可能性があるといっても同じような意味合いになると思います。
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- houng
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お礼
わかりやすく説明していただきありがとうございます。