液体窒素による膨張又は永久歪み

このQ&Aのポイント
  • 液体窒素を使用したブッシュの圧入作業で、ブッシュ自体が0.2~0.3mm大きくなり、穴に入らなかったことが起きました。
  • 液体窒素での冷却により、ブッシュが膨張してしまった可能性が考えられます。
  • 冷却後のブッシュの寸法が元に戻らず、常温に戻っても入らない状態が続いています。
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液体窒素による膨張又は永久歪み

今回、他所の部署で持ち上がった問題があったのでそれについて質問させて頂きます。 φ100×150の穴にブッシングをする為ブッシュを液体窒素で冷やして圧入しようとした結果、ブッシュ自体が0.2~0.3mm大きくなり入らなかったという事がありました。 その後、常温になるまでブッシュを放置しても寸法は元に戻らなかったとのことです。 何故液体窒素でブッシュを冷やしたのか、穴の方を温めればよかったのではないか、等々突っ込みどころはあるかと思いますが・・・・。 実際問題そういう事が起き得るのかどうか、又起き得るのであれば何故そうなったのか皆さんのお知恵を拝借できればと思い質問させて頂きました。 サブゼロ処理の様に応力除去した結果、膨張したのかと思いきやサブゼロ処理は焼入れ後・焼き戻し前にする処理とありましたので少し違う様な・・・。 また冷やしているにもかかわらず、熱膨張係数による縮小の影響も感じられない膨らみ様に戸惑っております。 ブッシュについて サイズ:φ100×φ60×L150 材質:SKS3 処理:焼入焼戻(HRC58~62)→両端面・外径内径研磨済み 備考:焼入方法については不明(真空或いはソルトバス等)   :外径及び内径の寸法が0.2~0.3mm大きくなった   :全長についても伸びたという報告あり   :液体窒素に投入したのは完成品になってから2~3日経過している 何か思い当たる節等ありましたらご教授願います。

noname#230358
noname#230358

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noname#230359
noname#230359
回答No.4

膨張の原因は回答(1)(2)(3)の通りです。焼入焼戻で存在していた残留オーステナイトが、サブゼロ処理によりマルテンサイトに変態して膨張したためです。冷やし嵌めがサブゼロ処理になっています。変態による変形(寸法変化)であり、熱処理をしない限り元には戻りません。 SKS3の焼入焼戻後の残留オーステナイト量は、一般的には15~25%です(文献(A)10頁の残留オーステナイト量図。鋼種名SGT=SKS3)。回答(1)引用の文献(B)表1では32.9%と高くなっていますが、焼入温度が標準よりも高いからです。 サブゼロ処理による残留オーステナイトのマルテンサイト変態比率は、処理温度に支配されています。保持時間は関係ありません。文献(B)ではマイナス150℃ですが、質問では液体窒素を利用しているので、さらに変態する比率は高くなります。 焼入焼戻後3日経過して冷やし嵌めをしていますが、この焼入焼戻条件ならば、残留オーステナイトはほとんど変化していないと考えられます。 文献(B)図2で、測定位置(方向)により膨張率が異なっています。この原因は文献(C)4項に説明されています。変態による体積変化率は文献(C)表2の式により計算できますが、実体の縦方向横方向や軸方向径方向それぞれの寸法変化率は、材料組織により異なるため推定が難しく、試験するしかありません。 対策としては、回答(1)にあるように、あらかじめサブゼロ処理をしておくことです。冷やし嵌めの設備を用いて処理可能でしょう。なおサブゼロ処理で生成したマルテンサイトは、焼入れマルテンサイトと同じく脆いので、そのまま使用することは望ましくなく、再度焼戻が必要です。 回答(3)にあるように焼入焼戻をしない材料、ザブゼロしても組織変化のない材料ならば問題ないのですが、60HRCが得られる材料に限定すると、低廉金属材料の中にはありません。

参考URL:
http://www.hitachi-metals.co.jp/pdf/cat/hy-b9-w.pdf https://unit.aist.go.jp/tohoku/techpaper/pdf/6032.pdf#search='https%

その他の回答 (17)

noname#230359
noname#230359
回答No.18

質問者さんへ、 遠回しになりましたが、貴社の管理者の管理の方法によっては、今回の問題は発生しなかった 可能性があります。 理由は、小生が投稿した内容を確認して頂ければ解ります。 デメリットとして、貴殿が今回の不具合内容に遭遇する機会がなくなるとなります。 ですが、貴殿が今後貴社の管理者になる頃には、 “全てが解って(判って)、全てが管理できると、管理者は思わない方がよい ” 考えで、リスクヘッジできる設計基準作成や管理手法を取って、社会貢献と貴社の信頼性 維持に努めるきっかけに、今回の投稿が役立てば幸いです。 こんな小難しい内容を、設計基準に記載し、部下達に勉強して、運用を適切には、 実用的な設計基準でない。 単なる設計資料となるので、管理者を目指したり、パカよけ思考なら、 “専門家は専門の分野ばかり、目が行く傾向にありますが、…  ” を思い出し、一呼吸おいて、全体を見廻すことこそ大切と考えます。

noname#230359
noname#230359
回答No.17

それと、この質問には、全くって云ってよいほど、関係はありませんが、 この森の No.43011  主軸ベルトのテンションについて教えてください。 を確認すると判りますが、人とは、異なったアプローチをよくします。 人から云われ、上司からは貴重な存在と、世界中を飛び回って、問題解決をした事も ありました。(長所でもあり、短所でもありますが、少数派なので重宝されました) 足し算も、+18は、20足すマイナス2、+891は、1000足すマイナス109と計算する方です。 その物事のアプローチ方法も、我田引水、水掛け論 となっているようなので、 ある程度は、仕方がないのでは。 以上を含めまして、 “まあ、専門家は専門の分野ばかり、目が行く傾向にありますが、…” の記載になったと考えますが、重要なアプローチ方法の一つと考えております。 それと、管理者は、 > 専門家の小生から見ると、「性質変化の機構がよく判らないので、とにかく避けていた」 > と思えます(ベテランの回答者なのに)。 全てが解って(判って)、全てが管理できると、管理者は思わない方が良いと信じております。 「60HRCの低靱性(脆性)材料部品」限定で、設計基準書に明記してあったが、 液体窒素で冷やすと、問題になる材料部品でも、同様の対応をし出荷納品して、 問題を発生させ、災害発生や信用失墜させる確率を低くする手法は、管理上大切なこと。 上述、追記の内容で、 No.42995  油圧シリンダの取り付けボルトのサイズについて のアドバイスをしたが、意図が伝わらなかったのが、残念。 鋼の「オーステナイト」はやわらかく展延性に富み、 「マルテンサイト」は非常に 硬くてもろいもの。 でも、両者が60HRCなら、摩耗は両者同じですが、結論ですね。 硬くて脆いだけが多いのは、砥石によく似ている。 しかし、砥石の接着を工夫し、粘りと脆いが硬いを組み合わせると、 砥石の摩耗速度が、摩耗粉によって急速に減ることを防ぎ、長持ちしませんか? 何か納得がいかないし、前述の内容を砥石以外でも、摩耗関連で聞いた記憶がある。 勘違いかな??

noname#230359
noname#230359
回答No.16

回答(5)の記載、 > 文献(D)によれば、両鋼種とも「焼入+サブゼロ」のままで常温放置すると、 > かなり大きな変寸を起こしています(図1と図5)。 > これが回答(1)で指摘されている問題だと推定します。 > しかし「焼入+サブゼロ+150℃焼戻」をすれば、変寸は実用上問題が無い程度に > 小さくなっています。つまりサブゼロで終わらせてしまうのは、前述の靱性とともに、 > 経年変寸の面でも不適切であると言えます。 の“前述の靱性とともに、経年変寸の面でも不適切であると言えます。”と、 「60HRCの低靱性(脆性)材料部品」の適正設計方法 靱性とともに、経年変寸の面でも不適切 と、低靱性(脆性)材料部品」の適正設計方法 判り難い表現。 抜け止めの取付方法は、 ? 回答(14)の最下部追記で示した、“セットねじ+銅の丸シート材” ? ブッシュに取付穴を明けなくても、インロー+片当てねじ止め 手法もあり、ブッシュに新たな加工をしなくても良いので、心配には及びませんよ。

noname#230359
noname#230359
回答No.15

回答(5)の続きです。長くなったので別回答にします。 回答(13)に対しての投稿です。 回答(13)は技術文書的でないために判りにくいのですが、要点は、 (ア)冷やし嵌めをすることにより性能が低下してしまうなら、冷やし嵌めに固執せずに、回答(6)(7)のような代替案を採用するべきである。 (ロ)性能を低下させない、あるいは性能を向上ためには「サブゼロ処理は焼入後・焼戻前」が必要で、冷やし嵌め時の寸法変化を防止するために小生が提案した「焼入焼戻前後にサブゼロ処理」してしまうと性能が低下するならば、冷やし嵌めに執着するのはおかしい ということでしょうか。 それを前提に回答します。 小生はこれまでに「性能」という言葉を使用したことはありませんが、もし当初の質問内容に元にして、ブッシュの「性能」を挙げるなら、「60HRCの硬さを保持していること」と「使用中の寸法変化がない(圧入による応力が変化しない)こと」の2つであり、「製造性」として「冷やし嵌め時の寸法変化が無い」があると思います。 その観点で言えば、「サブゼロ処理を焼入れ後、焼戻前に実施し、その後冷やし嵌めを行う」でも「サブゼロ処理を焼入焼戻後に実施し、サブゼロ処理後に再焼戻を実施し、その後冷やし嵌めを行う」でも「性能」と「製造性」には差はほとんどありません。 回答(5)の追記で「焼入-低温焼戻後にサブゼロ処理をしてもかまいません。但しオーステナイトのマルテンサイト化の効果が少し劣ります」の「効果」を「性能」と取られたとしたら、小生の言葉足らずです。 ここで言った「効果」とは、「サブゼロ処理によりマルテンサイト変態する残留オーステナイトの比率の高さ」であって、ブッシュの性能ではありません。焼戻後にサブゼロ処理すると、焼入後にサブゼロ処理した場合に比べて効果が低下します。しかしオーステナイトの大半がマルテンサイト変態することには変わりはないので、「冷やし嵌め時の寸法変化」も、「使用中の寸法変化」は大幅に低減できます。 以上のように、冷やし嵌めの前にサブゼロ処理しておけば、質問にある寸法変化の問題を起こすことなく、安心して冷やし嵌めが可能です。また60HRCも確保でき、使用中の寸法変化もありません。小生はこのことを判っていたので、回答(6)(7)のような代替保持方法に疑問を呈しました。 回答(13)にある「鉄鋼部品に加熱や冷却を加えると性質が変化してしまうことがあるので、そのような工程は避けていた」とすると、専門家の小生から見ると、「性質変化の機構がよく判らないので、とにかく避けていた」と思えます(ベテランの回答者なのに)。例えば焼入焼戻材ならば「焼戻温度以下の温度での再加熱ならば、性質はほとんど変化しない」程度の知識はなかったのでしょうか。普通鋼のように圧延ままで使用する鋼材の場合には、加熱冷却を行うとどんな変化をするのかが推定しにくいのは確かです。冷却や再加熱による性質変化で判らないことがあれば、お答えします。 回答(15)を投稿後に回答(14)に気づきました。 回答(14)については回答(15)で答えたつもりです。 回答(14)の追記について。 ?当然のことながら応力集中には切欠きの曲率が影響するので、インサートを入れる軸心の大きい穴は問題にならないと考えています(今回の質問の例)。ですから回答(5)の追記に「割れの危険性をなくすことができる穴の形状(大きさと位置の意味ですが)を教えて下さい」と書きました。 ?「端面をスライドさせる場合、油溝や摩耗粉逃がし溝が加工されている」のは端面ではないでしょうか。ブッシュの場合、問題になるのは円周方向の引張応力だと思っています。端面の溝はさほど悪さはしないものの、外周面や内周面に軸方向にある溝、あるいは小さい横穴は破壊起点になる危険性が高いと考えています。 回答(16)の疑問に回答します。 (1)「靱性とともに、経年変寸の面でも不適切 と、低靱性(脆性)材料部品の適正設計方法(の関係?)」について。 『「不適切」であるにもかかわらず適正設計方法として推奨している』と勘違いされているとしたら、説明不足であり、お詫びします。 言いたかったことは、焼嵌め時の寸法変化を無くすための解決策は「冷やし嵌めの前にサブゼロ処理をすること」ですが、サブゼロ処理のままで使用することは、靱性と寸法安定性(経年変形が無いこと)の点では不適切であり、「サブゼロ処理の後に再度焼戻をすることが必要です」という意味です。 つまり「焼入焼戻→サブゼロ処理→焼戻→冷やし嵌め」または「焼入焼戻→サブゼロ処理→冷やし嵌め→焼戻」工程が適正設計方法になります。 (2)「“セットねじ+銅の丸シート材”抜け止めの取付方法」について。 材料特性から考えて応力集中は避けるべきであるということは、小生の基本的な考えの一つです。確かに回答(6)(7)で提案された方法の中では応力集中に配慮した方法です。逆に言えば、他の提案方法は応力集中がより大きいということです。但しセットネジの先端に銅板を噛ませても応力集中が無くなるわけではないので(定量的にどの程度緩和されるのかについての知識がありません)、冷やし嵌めよりも、あるいはそれと同等に安全であるかどうかについては、まだ不安があります。同等以上に安全であるという根拠を示して頂ければ幸いです。 (3)「インロー+片当てねじ止め」について。 「片当てねじ止め」とは何かをよく知りませんが、ブッシュの一か所にネジ先を押し当てる方式ならば、そこに外力が集中するので適正な設計方法とは思えません。 インロー方式には「脆性破壊を抑制するための圧縮応力の付与が不可能である」という基本的な短所があることも忘れてはなりません。 上記(1)の回答部分。誤解を避けるために訂正します。 『言いたかったことは、焼嵌め時の寸法変化を無くすための解決策は「冷やし嵌めの前にサブゼロ処理をすること」ですが、サブゼロ処理のままで使用することは、靱性と寸法安定性(経年変形が無いこと)の点では不適切であり、「サブゼロ処理の後に再度焼戻をすることが必要です」という意味です』を 『言いたかったことは、焼嵌め時の寸法変化を無くすための解決策は「冷やし嵌めの前にサブゼロ処理をすること」ですが、「サブゼロ処理→冷やし嵌めのままで使用すること」は、靱性と寸法安定性(経年変形が無いこと)の点では不適切であり、「サブゼロ処理後、あるいはサブゼロ処理→冷やし嵌め後に再度焼戻をすることが必要です」という意味です』に訂正。 回答(17)の3回目の追記の部分、 『鋼の「オーステナイト」はやわらかく展延性に富み、 「マルテンサイト」は非常に硬くてもろいもの。でも、両者が60HRCなら、摩耗は両者同じですが、結論ですね』について。 これはいったい誰の結論なのでしょうか。独り言(つまり回答(16)~(18)の回答者の結論)なのか、回答(5)と(15)(つまり小生の投稿)を総括した結論なのでしょうか。全く判りません。 そのいずれであっても、どこをどうまとめるとこんな結論になるのか、全く理解できません。もし後者の小生の投稿を総括した結論だとしたら、大間違いの結論であり、小生としては大迷惑です。もし後者だとしたら、回答(17)の投稿者はSKS3の焼入焼戻特性を全く知らないとしか考えられません。 そこで他の読者が誤解しないように、追加説明しておきます。 SKS3の焼入焼戻組織は「焼戻マルテンサイト80%、残留オーステナイト20%」(%値は概略で、以下同様です)。 これをサブゼロ処理、あるいは当初の質問にある冷やし嵌め用の冷却をすると、「焼戻マルテンサイト80%、新生マルテンサイト15%、残留オーステナイト5%」になります。15%のオーステナイトがマルテンサイトになるため膨張します。新生マルテンサイトは通常フレッシュマルテンサイトと呼び、焼入ままのマルテンサイトと同じもので、脆いものです。 「焼入焼戻→サブゼロ処理→焼戻」の工程を取った時の組織は「焼戻マルテンサイト95%、残留オーステナイト5%」です。この後に冷やし嵌めをしても、サブゼロ処理と冷やし嵌めの冷却温度が同じならば、組織変化はほとんどありません。 焼入焼戻後の硬さは60HRC程度、サブゼロ処理後はそれよりも少し高くなります。残留オーステナイトの硬さは25HRC程度です。「60HRCのオーステナイト」はどこにも出てきません。 もし60HRCのオーステナイトを作ることができたら、非磁性高硬度材の大発明として、特許料だけで生活できます。現存する最も硬い非磁性鋼は析出硬化を利用したもので、せいぜい45HRCです。 回答(5)の追記で『技術者の重要な資質の一つに「どんな質問事項に対しも真摯に答える」ことがある』と書きました。実はもう一つあって、『優秀な技術者は、専門的な内容でも安易な言葉で説明できる。出来の悪い技術者は、難しい、あるいは判りにくい説明しかできない』というのがあります。小生はここに投稿する場合も、常にこの点に配慮しているつもりです(そのため、ついつい長くなります)。 例えば回答(18)に「小生が投稿した内容を確認して頂ければ解ります」とありますが、小生には少しも解りません。いったい「どうだったら今回の問題は発生しなかった」のか、向学のために説明をお願いします。 回答(17)の1回目の追記の 「設計基準書に明記してあったが、液体窒素で冷やすと、問題になる材料部品でも、同様の対応をし出荷納品して、問題を発生させ、災害発生や信用失墜させる確率を低くする手法」 とは、多分 「液体窒素で冷やすと問題になる材料部品にもかかわらず、設計基準書に明記してあったために同様の対応をして出荷納品してしまい、問題や災害を発生させて信用を失墜させるような事態が起こる確率を低くするための、設計基準書とは別の)(自分が推奨している)手法」 という意味なのでしょうね。 では質問です。 小生推奨の工程は、すでに説明したように「焼入焼戻→サブゼロ処理→焼戻→冷やし嵌め」です。 小生は、上記工程ならば、60HRCの保持(耐摩耗、耐変形、耐へたり)、寸法安定性、圧縮応力付与による大割れ防止のいずれの観点においても問題ないと説明してきました。 上記工程でブッシュ製造して納品した場合、どのような機構で、どのような問題が発生すると予想されるのでしょうか。 小生は質問には丁寧に回答してきました。上の追記の質問も含め、同様の対応をお願いします。 回答(17)の3回目の追記の部分、 『鋼の「オーステナイト」はやわらかく展延性に富み、 「マルテンサイト」は非常に硬くてもろいもの。でも、両者が60HRCなら、摩耗は両者同じですが、結論ですね』について。 について追記します。 回答(17)の3回目の追記の部分よく読むと、その後に砥石の例を挙げていることから、「(焼戻)マルテンサイトだけで構成された60HRCのSKS3」よりも「(焼戻)マルテンサイトと少量の残留オーステナイトで構成された60HRCのSKS3」の方が、耐摩耗性に優れているのではないか、と言っているようです。 18日20:25の追記では「100%オーステナイト組織の60HRCの鋼」と「100%(焼戻)マルテンサイト組織の60HRCの鋼」を比較してしまいました。そうではなく、上記のような内容だったならば、「回答(17)の投稿者はSKS3の焼入焼戻特性を全く知らないとしか考えられません」は撤回し、失礼をお詫びします。 高硬度鋼の特性に及ぼす少量の残留オーステナイトの効果に関しては、材料屋にとっても興味深い課題です。 例えば文献「鋼中残留オーステナイトの強靭性への役割」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/materia1962/14/9/14_9_681/_pdf などがあります。 文献(12)にはSKD11の疲労特性に及ぼす残留オーステナイトの影響を示してありますが、残留オーステナイトが疲労強度を向上かどうかは不明確という結論です。 一方、鋼の耐摩耗性に及ぼす残留オーステナイトの効果は、残念ながら明確ではありません。 砥石の場合は「硬質砥粒+軟質バインダ」という構造です。「硬質粒子(粗大炭化物など)+基地」構造の鋼の場合も、一般的には硬質粒子の存在は耐摩耗性を向上させます(但し基地による硬質粒子の保持力が影響しますが)。 60HRCの焼入焼戻SKS3の組織は、前述のように「焼戻マルテンサイト80%、残留オーステナイト20%」です。回答(17)の3回目の追記は、このオーステナイトにバインダのような効果を想定されているようです。 しかし実際には「硬質焼戻マルテンサイト粒子+軟質オーステナイトバインダ」という構造ではなく、焼戻マルテンサイトの葉っぱの間にオーステナイトが少しづつ紛れ込んでいるような構造になっています。このためバインダのようなダンパー効果や、亀裂進展を一旦停滞させるような効果はほとんど期待できません。 今回のような耐摩耗、耐へたり、耐変形を要する冷間工具鋼部品に、積極的にオーステナイトを残留させることを求めている事例は聞いたことがありません。逆に、寸法安定性の観点から、サブゼロ処理あるいは高温焼戻により残留オーステナイトを少なくすることを求める事例は沢山あります。 もし高硬度鋼の耐摩耗性に対して、少量の残留オーステナイトが特性向上の効果がある事例を御存知ならば、教えて下さい。 訂正。 「文献(12)にはSKD11の疲労特性に及ぼす・・」を「文献の図12にはSKD11の疲労特性に及ぼす」に訂正します。 最後の投稿とします。 小生の投稿内容は「技術資料」「設計資料」レベルです。「専門的で」「小難しく」、やたらと長いことは自覚しています。 しかし、その「技術資料」や「設計資料」を作成することができる知識、あるいは読んで理解する知識・技量が無ければ、「設計基準」を作成したり、正確に理解できることができないのではないでしょうか。 質問者は既存の「設計基準」(のようなもの)に疑問を持ち、「技術資料」「設計資料」レベルの知識を求めて質問を投稿しています。回答(18)の回答者は11回も回答していますが、そのうち質問者に役立ったものはどれくらいあったでしょうか。 また回答(18)の回答者は、小生には質問の回答を求め、小生は丁寧に回答したにもかかわらず、小生の質問には全く回答しませんでした。つまり回答するだけの、「技術資料」や「設計資料」レベルの知識が持っていないとしか考えられません。そのかわりに、「技術資料」「設計資料」レベルの知識の裏付けのない、持論の「設計基準」を振り回しました。 ここまで質問を閉じずに我慢してくれた質問者に感謝します。

noname#230359
noname#230359
回答No.14

>> 「60HRCの低靱性(脆性)材料部品」の適正設計方法で、 >> 「サブゼロ処理は焼入れ後・焼き戻し前にする」と、性能は低下するなら、 >> 我田引水、水掛け論にもならない、落ちが付くことになります。 に関しても、 > 小生は、技術者の重要な資質の一つに「どんな質問事項に対しも真摯に答える」 > ことがあると信じています。 なら、 答えてみてください。 性能は、低下するんですか?? しなくて向上するんですか?? それも含めて、 我田引水、水掛け論 と、云っているのです。 60HRCのSKS製ブッシュの場合、多くが ? 軸受で使用する場合、大きな穴が元々明いている ? 端面をスライドさせる場合、油溝や摩耗粉逃がし溝が加工されている ので、取付穴加工は、五十歩百歩ではないかと、前回答でも軽く記載しておるが 如何かな?? それに、取付けは限定されますが、 型の方に、雌ねじを切って、セットねじ+銅の丸シート材(ねじ内径より少し小さい) で、ブッシュを(インロー条件で)固定する方法も、前回答で記載しています。 それは、ブッシュに加工も、冷却の熱ストレスも与えません。

noname#230359
noname#230359
回答No.13

我田引水、水掛け論なのですが。 > 小生が議論したいことは、「60HRCの低靱性(脆性)材料部品」の適正設計方法です なら、、「サブゼロ処理は焼入れ後・焼き戻し前にする」と、性能はより向上のが大前提。 だから、「サブゼロ処理は焼入れ後・焼き戻し前にする」と、「60HRCの低靱性(脆性) 材料部品」の性能は向上して、圧入の問題も解決し、一番良い問題の処理方法と考えます と、  黒猫  さんは、回答していると考えて良いのですね。 だから、圧入以外の固定方法??は、メリットが半減する行為と同じことなので。 小生のような、金属材料の専門家でない設計(管理)者は、設計のリスク回避のため、 熱処理した物を、冷却であるが熱ストレスを、新たに与えて圧入(組付け)をする行為は、 色々な問題を派生させる危険があるので、ねじ等で代用する手段を取りなさいと、 前回答で記載した大まかな方針(方向性)から、設計基準としてセクションを管理して おりました。 冷却であるが熱ストレスを与えると、性能が低下するケースの物もあり、全てを管理する ことができないし、設計基準を使用する部下も、多くの資料から判断し作業することは、 小生がそうであったので望まないし、工数ロスにもなる。 因って、コスト的にもメリット差が無い理由から、インロー+ねじ止め を設計基準と した経験があり、我田引水、水掛け論なのですが、前述の如くアドバイスをしております。 失礼は承知ですが、今回の「60HRCの低靱性(脆性)材料部品」の適正設計方法で、 「サブゼロ処理は焼入れ後・焼き戻し前にする」と、性能は低下するなら、 我田引水、水掛け論にもならない、落ちが付くことになります。

noname#230359
noname#230359
回答No.12

冷やしバメ前のワーク寸法は測定していたのでしょうか? つまらない可能性として、焼入焼戻し後にまだ研磨仕上げしていないとか、はたまた熱処理前のワークとか。 0.2~3mmとか取りしろに見えてしまって...

noname#230359
noname#230359
回答No.11

黒猫 さんの記載も判り難いので、整理すると、 「HRC60の耐摩耗低靱性部品」は、「サブゼロ処理は焼入れ後・焼き戻し前にする」と、 性能はより向上するのですね。それが、文面を観ると???なので。 もし、仮に否であれば、サブゼロ処理をしないでセットできる方法を考えた方が合理的。 否でないとしても、圧入以外の方法でセットした方が合理的なケースがあるのでは ないでしょうかが、小生のアドバイスです。 そのケースを考えた方が良い場合もあるので。 専門家は、専門の分野での最良の解決策を模索しがちですが、 小生は、前述の視点での最良の解決策を模索した方が合理的と考えました。 また、「HRC60の耐摩耗低靱性部品」であるブッシングは、 a)軸芯に、穴がある物 b)穴が無い物は、油溝又は摩耗粉の逃がし溝 等があることが多く、ゲス上での詳細確認は、意味がないので、質問者の追記待ちに しましょうってことです。 (質問者さんは、そこまで求めてはいない場合、ゲス上での詳細内容討論は、意味がないので) また、水掛け論は、元々、我田引水する両者のことですから、そのようになっているのでは?? 60HRCのSKS製ブッシュの場合、多くが ? 軸受で使用する場合、大きな穴が元々明いている ? 端面をスライドさせる場合、油溝や摩耗粉逃がし溝が加工されている ので、取付穴加工は、五十歩百歩ではないかと、前回答でも軽く記載しておるが 如何かな??

noname#230359
noname#230359
回答No.10

回答(6)から回答(9)は同一人物の書き込みですが 何と、何が、「水掛け論」になっているのでしょうか?

noname#230359
noname#230359
回答No.9

水掛け論。 圧入の目的を、質問者さんに記載してもらい、圧入しなかったら、 ブッシュを液体窒素で冷やして圧入しようとならないので、 もっと、トータルで考えれば、良い対応ができるの一例を提示しています。 具体論の上げ足を取っても、圧入の目的を質問者さんに記載してもらわないと、 詳細なアドバイスをしても、空論となるので意味がない。 圧入が、ブッシングの固定なら、ねじをどのように使用しての固定するかの具体論は、 圧入の目的を質問者さんに記載してもらった後が、合理的です。

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    お世話になります。 ワークの材質がSUS304(膨張係数17.3×10⁻6)で、内径寸法200㎜です。 シリンダーゲージをマイクロメーター(膨張係数12.2×10⁻6)で0調整し測定しました。 ワークの温度は15℃、マイクロメーターの温度は21℃です。 測定値が200.02でした。 ワーク→200㎜×17.3×10⁻6×-5℃=-0.017 マイクロメーター→200㎜×12.2×10⁻6×1℃=0.002 測定値200.02-0.017+0.002=200.005 この考え方で正解でしょうか? 測定器の膨張分(0.002)を足すのか引くのか迷っています。 上記の条件で外径200㎜をマイクロメーターで測定した場合は 0.002の膨張分を引いてあげれば宜しいでしょうか? 考え方をご伝授下さい。 お忙しいところ恐縮ですが、宜しくお願い致します。

  • サブゼロクラックについて

    1)SKS材(100*100*20)を焼入れ後{830℃油冷(コールド)}に、100℃*1hで仮戻し後常温にしてから、-80℃*1hでサブゼロ処理をしたのですが、焼戻しをする前に確認すると、端面より10mm位(ちょううど真ん中位)にクラックが数ヶ所走っていました。 尚、焼入れ後にはこのクラックはなく、研磨などの加工の前です。 2)同上の不良を抑える為、球状化焼きなましを施し、同様に焼入れ後仮戻し温度を150℃にしてみましたが、サブゼロクラックは止まりませんでした。どのような対策が可能かご助言頂ければ幸いです。 回答有難うございます。肉厚急変部及びシャープコナーからはクラックは発生していません。 焼入れ後、仮戻し後、サブゼロ処理後(アップヒルクエンチ)、焼戻し後(200℃*1h*2回)全てクラックを確認済です。 研磨割れでもないのは確認済です。一様サブゼロ後に発生していたのですが、サブゼロクラックでなく、コールド油が原因とするとどのような対策がとれるでしょうか?(以前SKD11も当社では、サブゼロクラックが発生したことを確認しております。)以上お手数を掛けますが宜しくお願いします。 

  • 精度を必要とする薄肉の真鍮ブッシュの加工法

    真鍮で外径φ70mm、厚み2mm、L寸法30mmの薄肉のブッシングを製作。 L寸法50mmの丸棒から、15mmをチャック代として?外径、 ?内径の順で荒&仕上げを行う。切り込み量は、荒で0.5mm。 外径、内径を仕上げた後L寸法30mmの位置で突っ切る。 突っ切る前の内径は、ほぼ真円ですし、バイトの入り口と奥では 径はほぼ同じ数値でした。 しかし、突っ切った後、バイトの入り口付近より、突っ切った側の 内径が大きくなっており(テーパーになっている)、更に 楕円になっていました。 内径、外径精度を±7μmレベルで内径が入り口と出口でテーパーにならない ストレートに保つ為には、どのような加工方法をしたらよいでしょうか。

  • アルミパイプの膨張について。

    技術の森をご覧の皆様いつもお世話になっております。 皆様の意見をお聞かせ下さい。 アルミ丸パイプの膨張について質問です。 外径φ50.0mm 内径φ40.0mmのアルミ丸パイプがあります。 このアルミパイプの内径をφ40.1mmに膨張させたい場合、何度くらいの熱を加えればいいのか教えて下さい。 皆様のご意見お待ちしております。

  • 材質SUJ2の焼き入れ焼き戻し後の寸法の経年変化

    時々利用しており大変参考になっています。 早速ですが、SUJ2材に焼き入れ焼き戻し(硬度HRC60±3、社外処理)を施し、研削加工しているのですが、以前から寸法の経年変化が気になっています。形状は筒上で外径φ40内径φ20長さ100程度で内外径に研削加工をしますが、内外径の公差は5μmです。 現状は熱処理後に3年ほど枯らした後に研磨加工しているのですが? やはり経年変化は生じるのでしょうか?又生じるのであれば、サブゼロ処理が必要と思われますが、現状の処理業者には設備がありません。 又、枯らし期間はどの程度実施すればよいでしょうか? よろしくお願い致します。

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