切削・研削加工におけるμ単位除去原理
- 切削加工において、超硬工具を使用してμ単位での微小切込を行うと思い通りの寸法に仕上がらない現象が起きます。
- CBN工具やダイヤ工具は、すくい角が負のため、μ単位での切削が可能です。
- 研削加工では、砥石の周速度が切削加工よりも速いため、μ単位での研削が可能です。
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切削・研削加工におけるμ単位除去原理
切削加工において金属系SKD11・SS・S45C・SCMをよく加工するのですが、 超硬工具(CBN工具・ダイヤ等では試した事なし)でμ単位での微小 単位で切込を行った場合、なめて思い通りに寸法に仕上がらない・切削 出来ない現象が起きます。(座面・側面) 上記のような、現象はなぜ起きるのでしょうか? 自分としては下記のようなことが要因なのではと思うのですが、 御教授頂ければ幸いです。 ●超硬工具はすくい角が正だから? ●CBN・ダイヤ切削工具はすくい角が負だからμ単位で切削出来る? ●研削加工も同様、すくい角が負であるからμ単位で研削出来る? ●研削加工は砥石周速度が切削加工より10倍程度速く加工する為、 刃物(砥石)が固く作用するから? ●切削加工の背分力<研削加工の背分力 何か関係している? ●切削・研削加工にも厳密には弾性領域と塑性領域があるのは知っています。
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>切削・研削加工にも厳密には弾性領域と塑性領域がある バリ生成過程における切削変形域 http://sokeizai.or.jp/japanese/publish/200706/200910okuda.pdf はあっても 弾性領域に止まれば加工にならないから、それを超えて塑性領域まで、さらに切削研削はその極限である切断を行わねばならないはず。 ダイヤ単結晶バイトで非鉄金属は削れるが、鉄に適用出来ないのは最近の別質問の通り No.41715 焼入れ鋼の旋削 この(1)で < キサゲほどに切削速度を遅くすると削れる > と書いたのはこれ(説明略) 単結晶ダイヤモンド工具による楕円振動切削 http://vcad-hpsv.riken.jp/jp//research/result/2009/44.pdf ダイヤモンドバイトによる金型用鋼の鏡面加工 http://www.iri-tokyo.jp/joho/seika/h25_youshi/documents/mono1_03.pdf cBNをダイヤ単結晶のような使い方をすれば鋼を削れそうなものの下の資料の記述に cBN については鉄との熱化学的な反応がなく加工に適しているとされているが、 単結晶体の工具がなく焼結体のみである なのでこういう研究も 酸化チタン強化サファイアバイトによる鉄鋼材料の超精密切削に関する研究 http://kaken.nii.ac.jp/d/p/09650144.en.html 切削、研削との違いについて、私の推論ですが、 切削は刃先1ポイントの勝負。それが切れなければ殆ど加工にならない。 研削は砥粒大勢が参加する全員野球。刃1箇所がナマクラとか角度が悪くとも次の刃先が待ちかまえている。 切削加工と研削加工のすくい角の違い http://www.natuo.com/zikougunotukaikatameinnno04.htm <研削加工>の図はまだ切味よく描かれるが、これを左側面からみると、引っ掻いてスジを付けるだけなのが実際。 それが次々起きれば加工になる。切味が悪くて掻き取らず側へ盛上げるだけ、つまり塑性変形に止まったとしても、他の砥粒が引っさらうのを助けている。 ざっとこのような理屈だと思います。 >研削加工は砥石周速度が切削加工より10倍程度速く加工する は、ワークを軟らかくする方向で、すくい角がわるい研削の切味を助ける作用をするでしょう。 >刃物(砥石)が固く作用する 参加する砥粒が増え、1個あたりの負荷は減り、見掛けはそうなります。
(2)さんの回答内容が、とても説得力があるように思います。 ホーニング(刃先の丸め)に関しては、参考資料をご覧下さい。
丁度海外出張でこの質問を見落としていました。 一般的な超硬切削工具は刃先に100分台のホーニングが施してあり、 ミクロン単位の切込みですとホーニング内での切削になります。 と、いうことは、ほとんど押しつぶすような形態になり、やわらかい 金属ですと弾性変形で、仰る通りなめてしまう可能性が高いです。 また、アルミ加工用超硬切削工具はホーニングなしのピン角ですが、 ミクロ的にみるとエッジが立っていると言い難い状況です。それでも ミクロン単位の加工は可能ですが、直ぐに刃先に微小の摩耗が生じる ので、上記同様になってしまうと考えられます。 一方で、単結晶ダイヤは電子顕微鏡レベルでも綺麗なシャープエッジが 得られるので、無電解ニッケルメッキ面の微小切込み加工などで実用化 されています。切込み1ミクロンでもキチンと切りくずを生成できます。 しかし、残念ながら鉄系材料の加工には適していません。 最後にcBNですが、昔々某工作機械メーカが、焼き入れ鋼のミクロンカット なる技術をPRしていたことがあります。 微小ホーニングのcBNを用いて、CNC旋盤でミクロン台の加工を展示会で実演 していました(研削加工の代替を目指す)。やはり摩耗が進行すると切れな くなるみたいでした。 回答(3)さんよりお褒め頂き嬉しいです。 小生は研削については詳しくないので回答に触れていませんが、 回答(4)さんの記述がとても判りやすく、的を射ていると思います。 質問者氏より各回答者へコメントがあれば、有り難いのですが...
当方旋盤が専門なので旋削で話を勧めますが ミクロン代の切込では背分力が負になる領域が 存在します。 分かりよく説明すると 切削加工はくさび効果を使って加工しているので ワークに食い込もうとする力が働いています 当方CBN工具にて加工していますがすくいが負でも 一緒です ですからミクロン代の切削になるシチュエーションを避けるように 加工します。(適切な取りしろを設定します) というのはミクロン代の負の切削抵抗が読めないためです。 ただし手直しなどであと数ミクロンで公差に入れなければ ならないというのになると もう慎重に加工するか 生材ならペーパーなどでごまかします あとミクロン代となると機械の位置決め精度が そこまで精度が無い場合がほとんどです。 工具もミクロン代の取りしろに対応するような 刃付けはされて無い筈です 理論も大事ですがベテランさんが仕上げ代をどう設定しているか 聞いてみたら良いと思います。 ミーリング、旋削ともに生材ならコンマ代の仕上げ代を 見ているはずです。
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