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民事訴訟法について教えてください。
初歩的な質問ですいません。 事実上の推定、法律上の推定、法定証拠法則の違いについて教えてください。 事実上の推定が法規化されたものが法律上の推定、法定証拠法則ですよね。 じゃあ法律上の推定と法定証拠法則の違いは、反証で足りるか、本証まで必要か、の違いだけですか。 三つの明確な違いも含めて教えてください。
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「事実上の推定」とは、裁判官が自分の経験則に基づいて行い、原告・被告間の証明責任を移動させない場合の推定を言います。 「法律上の推定」とは、法律の規定に基づいて行い、証明責任を移動させる場合の推定をいいます。 したがって、事実上の推定に対しては、相手方は「反証」をあげて、推定をリセットさせればOKです。 法律上の推定では、証明責任が移動しますので、相手方は推定をリセットさせるだけでは足りません。相手方は「本証」あげて、自分の主張が正しいことを証明しなければなりません。 つまり、単純に『事実上の推定が法規化されたものが法律上の推定』というわけではありません。効果がまるで違います。 さらに、お書きの『法定証拠"法則"』とはいうのは聞いたことがありません。 「法定証拠主義」という言葉ならありまして、そこにも「法定証拠」という単語が使われるわけですが、その場合の「法定証拠」とは、例えば、「土地所有権の有無は登記簿の記載によって判断する」と法律が決めた場合の、「登記簿」が土地所有権の「法定証拠」です。 これこれの場合の証拠は「これ」と法定してあるのですから、相手方が、それ以外の証拠(例えば売買契約書や証人)などによって「俺が所有者である」とか証明しようとしても、負けるというこになります。 裁判官は、相手方から「私の所有権を証明するために売買契約書を証拠として出したい」とか言われても、「売買契約書は土地所有権とは関係ない」と言って証拠申立を却下しなければならないわけです。 反証で足りるか、本証まで必要か、検討するまでもありません。法定された証拠以外の証拠によって、証明すること自体が許されないのですから。それが「法定証拠」(法定証拠主義の場合の用語)です。 ---- ちなみに、法定証拠「主義」というのは、「推定」とは関係ありません。「法定証拠主義」と対になる言葉は、「自由心証主義」です。 で、推定は、自由心証主義の裁判での話になります。