• ベストアンサー

薄鋼板の許容応力度

doyaの回答

  • ベストアンサー
  • doya
  • ベストアンサー率39% (70/177)
回答No.3

まず許容応力度(=許容応力)について説明します。 機械設計をする時は、計算結果に対して判定をする必要があります。 材料の強度については、降伏点(SS400:24kg/mm^2)、引張り強さ(SS400:41kg/mm^2)が元になりますが、これらの数値は材料が塑性変形を始めたり、破断する値であるため、設計計算値に対する評価にあたっては余裕、つまり安全率が必要になります。 建築の場合SS400で考えると、引張り許容応力(長期)は、24(降伏点)/1.5=16kg/mm^2(圧縮、曲げも同じ)、許容せん断応力は24/1.5/√3=9kg/mm^2としているようです。 降伏点の値を割っている1.5が安全率になります。 機械の場合は、引張り強さに3~4の安全率を持たせていることが多いようです。 以上は静的状態、つまり部材と荷重が静止して動かない状態の計算時に使用します。 衝撃が加わったり、荷重の向きが変化して逆になったりする場合は、安全率の数値は大きくなります。つまり許容応力は小さくなります。 許容応力とは、部材が破損しない限界値ではありません。計算する部材の条件に合わせて安全率を決定し、許容応力以下では機械や建築物が破損することなく問題無しとできる基準値です。業界や会社でのノウハウにより決定している場合が多いと思います。 曲げ応力とせん断応力について説明します。 応力とは部材に力が加わった時に、材料内部に発生する圧力(抵抗力)を意味します。 せん断については、おわかりだと思いますが、はさみで物を切断するような作業ですね。 例えば、割り箸を机の上におき端を机から飛び出させた時に、机の端ギリギリで上から割り箸を押した状態を想像します。割り箸は力を加えれば切断できると思います。 この時、せん断応力τ=W(上から押した力)/A(割り箸断面積)となります。 次に曲げですが、まず部材を曲げる状態を考えます。割り箸を横において、両端部の下側に何かを置いて浮かします。その状態で割り箸の中央を上から押すと、割り箸は簡単に折れると思います。折れるまでの流れを考えると、割り箸は中央が下側に垂れ下がる、つまり弓なりになってから折れると思います。 厳密に言えば、割り箸と金属では特性が違います。モデルは割り箸で、特性は金属と考えてください。実際の弾性域(使用範囲)では曲げ量は微小であり、梁(割り箸)の断面上側は縮み、下側は延びています。四角断面の場合は、断面中央の面は変形(曲げ)後も長さが変わっていません。ここを中立面と呼びます。つまり曲げ応力自体は、部材の上下面の引張と圧縮作用によるものだということがわかります。 この時、曲げ応力σ=M(上から押した位置の曲げモーメント)/Z(割り箸の断面係数)となります。 曲げとせん断の許容応力の大きさの違いを考ます。 材料の強度を考えると、長い部材の両端を持って引張った方が全材料が抵抗します。せん断の場合は、その断面付近しか力に抵抗できません。感覚的な理由ですが。 なお許容応力の算出のところで、√3で割る方法が出てきますが、この理由は知りません。 そちらで使用している許容応力算出方法も含めて、会社の先輩諸氏に質問されるなどしてみてください。 それと許容応力の大小を考えてみても、あまり意味はありません。 先の割り箸のモデルでもそうですが、一つのモデル、例えば単純梁を考えてみても、せん断応力よりも曲げ応力の方が許容応力の差以上に大きくなるケースがほとんどでしょう。曲げ応力は曲げモーメントに比例して大きくなるので、支点間距離が増加すると非常に大きくなりますが、せん断力は一定です。 以上、材料力学の参考書を購入して、勉強されることをお勧めします。

taka6001
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 (お礼が、遅くなって申し訳ありません。) doyaさんのご説明で、8割方は理解できました。あとは自分で勉強しようと思います。材料力学を参考にすればいいんですよね。(ちなみに、会社の先輩方も、専門外なので自分で調べるしかないんです。)

関連するQ&A

  • 許容応力

    小ネジの材質はSWCH16Aですが、 このネジの許容引張応力と許容せん断応力は 何N/mm2になるのでしょうか? SS400の場合、許容引張応力と許容せん断応力はそれぞれ98N/mm2、78N/mm2という数値を見つけましたが この値はどのように導き出されているのでしょうか? また、A5056、A5052や快削アルミの許容引張応力と許容せん断応力は 何N/mm2になるのでしょうか? 宜しくお願い致します。

  • 鋼構造の許容応力度について教えてください。

    鋼構造の許容応力度について教えてください。 曲げモーメントとせん断力は、必ず組合せ応力として検討しなければならないのでしょうか。 経験上、曲げとせん断をそれぞれ別々に応力検討しOKとしているものもあれば、組合せ応力として √(σb2+3τ2)の検討までしているものもあります。やはり組合せ応力として検討するのが基本なのでしょうか。

  • 鋼材の許容応力度

    鋼材の各許容応力度について、なかなか具体的な数値がつかめませんでした。 そんな中、建築基準のなかに 引張り F/1.5 圧縮 F/1.5 せん断 F/(1.5*√3) 曲げ F/1.5 上記は長期使用の場合で、短期は/1.5が無し? F(基準強度)は、SS400の場合235N/mm2 となっていますが、この数値を機械設計ように使うことは妥当でしょうか?

  • 許容曲げ応力度について

    許容曲げ応力度を超えると曲げ破壊。ただ、性状としては、曲げ方向に対して材端で圧縮破壊、もしくは引張破壊が起きて破壊となるのだから、曲げ破壊=(圧縮破壊or引張破壊の最初に起きる方)というような気がするのですが、どうなんでしょうか? 例えば、鉄の材料強度は、Fc=Ft=Fbでなんとなく、上記の論理と合致してそうですが、木材なんかだとH12年告示1452抜粋で ひのき甲種構造材で、Fc30.6=Ft22.8=Fb38.4N/mm2 となっており、曲げていった時、断面の材端の引張側で22.8N/mm2に達した時に破断してしまいそうな気がするのですが、何か勘違いをしているのでしょうか???

  • 許容応力度の設定について教えて下さい。

    曲げ圧縮、引張、せん断の強度について、各試験値が出ています。 これを基に構造計算に使用する許容応力度を設定したいのですが、 算式、安全率等、何を用いたらいいのか悩んでいます。 材質は、プラスチックまたは樹脂に近いものです。 できれば、出典も教えていただけると助かります。

  • 許容応力度について(専門的)

    わかりにくい質問ですいません、 垂直積雪140cm 30N/m2の地域の横架材等の断面検討の計算です 建築基準法施行令89条ですが 木材の長期に生ずる力に対する許容応力度は文言通り1.1×Fb÷3×1.3(曲げ)と解釈して良いのでしょうか? 積雪地域においては木材の許容応力度は常に長期1.3倍短期0.8倍で考えるのでしょうか? 常時の1.1×Fb÷3と積雪時1.1×Fb÷3×1.3の2通り検討する必要があるのでしょうか?

  • 許容曲げ応力度の単位と意味合い

    建築士独学中です。 「木材の繊維方向の許容応力度は、曲げ>圧縮>引張>せん断の順に小さくなる」 とありました。 実際、べいまつではそれぞれ、 95(曲げ)>75(圧縮)>55(引張)>8(せん断)いずれも単位はkg/cm2 となっています。 ここで、曲げ応力度というと断面の縁に生じている軸力に相当するため、 圧縮や引張と同じ値、もしくは鋼材と同様に横座屈を考慮して小さな値になりそうな気がするのですが、 なぜ、それらより大きな許容値となるのでしょうか?

  • 許容引っ張り応力と引っ張り強さ

    ADC5およびAC7Aの材料でM27のネジとナットを設計しています。軸方向の引張り強度を計算するにあたり、それぞれの許容引張り応力を調べているのですがみつかりません。JIS規格をみますとAC7Aについては”引張り強さ210〔N/mm2〕とあります。ADC5につきましては、”引張り強さ”の記載はなく、ADC10ならびにADC12のみでした。?JIS規格の”引張り強さ”を許容応力と考えて良いのでしょうか。?ADC5とAC7Aの許容引張り応力を知りたいのですが。

  • 許容せん断応力度

    STKR400の6×200×200の角パイプの許容せん断応力度と許容曲げ応力度を教えてください。 この角パイプの両端に支点をおき、距離が3000mmで中心に圧力をかけたときに、どれだけの力で破壊、クラックするのか知りたいです。

  • 長期許容応力度の算出について

    建築基準法等で規定されている、ボルトや鋼材などの長期せん断許容応力度 の算出は、 F/(1.5√3), F:鋼材の基準強度 で求められますが、『√3』の根拠は、どこからきているのでしょうか? 3次元の最大せん断応力ということからでしょうか?