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企業価値におけるWACCの計算
企業価値におけるWACCの計算で、資本コストは、税引き後であるため、(1-実効税率)をかけなくてよいとあるのですが、なぜ資本コストは税引き後なのでしょうか? 初心者の質問で申
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(自己)資本コストとは主として株式配当のことで、配当は税引き後に残る純利益が元手だからです。 では逆にWACCを考える上で、なぜ他人資本コストに(1-実効税率)をかけるかというと、最初に次のようなケースで考えてみます。 売上高が100円、費用が60円の場合、利益は40円なります。 税率が40%とすると、法人税として16円もっていかれ、企業に残るお金は24円です。 次にそこに支払利息など他人資本コストが10円だけ追加で必要になった場合を考えると、それが費用に上乗せされ費用70円となり、利益は30円になります。 法人税として40%の12円だけもっていかれるので、企業に残るのは18円になります。 他人資本コストとして10円が流出しても、企業に残るお金は6円(=24円-18円)しか違わないのは、その差の4円(=10円-6円)が、もともと税として持って行かれるはずの分で、それが他人資本コストに振り替られたと考えられるからです。 すなわち、他人資本コストとして10円が必要であったとしても、そのうち4円分はどうせ税で持って行かれるものだったのだから、他人資本コスト10円の実質的は負担増は6円であると考えられます。 そのためWACCを考える上で、他人資本コストの実質的な負担分を計算式と表すと、他人資本コスト×(1-税率)となります。 一方、配当金などの自己資本コストは費用計上するものではなく、税引き後利益から持って行かれると考えれるので、他人資本コストのように「もともと税のために流出する分」というのがないので、(1-税率)をかけたりしないんです。
お礼
非常に分かりやすいご回答ありがとうございました。 配当金は税引き後利益からもっていかれるという点のみならず、 負債コストに(1-実効税率)をかける理由の例まであげていただき、ありがとうございました。