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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:古来からある鳥インフルエンザへの近年の騒動への疑問)

鳥インフルエンザ騒動への疑問

noname#160718の回答

noname#160718
noname#160718
回答No.6

 獣医師でウイルスに専門知識を有しています。  まず鳥インフルエンザ(正しくは高病原性鳥インフルエンザ)は、1925年から2005年の間は日本で発生していません。(当時は「家きんペスト」と呼んでいました)  従って質問者さんが昭和30年代に経験された鶏の伝染病(らしきもの)は、鳥インフルエンザではありません。  また、この疾病が見つかれば農場単位で全て殺処分というのは家畜伝染病予防法の規定によるものですが、この法律は昭和26年に施行された法律です。つまり、移動制限区域の設定やその例外措置など、防疫措置の細目はほとんど「発生する度に」変わっているのですが、農場の鶏全てを殺処分&消毒という基本的な措置は昭和20年代から決められていることです。  質問者さんが経験された鶏の伝染病ですが、インフルエンザ以外にも高い致死率をもつ鶏の伝染病はたくさんあります。  ニューカッスル病はウイルスの振る舞いも感染ルートも鳥インフルエンザと共通するところが多い伝染病で、インフルエンザが日本で再発生する前までは国内では最も重視される鶏の伝染病でした。  この疾病は適切にワクチネーションがされていればほぼ完全に防除することが可能なので、現在では数年に一度発生する程度です。  発生すれば、少なくとも「鶏舎単位で」殺処分を行うことになります。鶏舎単位に留めるのか農場全てを殺処分するのかはその時の判断次第なのですが(鳥インフルエンザは農場単位)、複数鶏舎がある農場の1鶏舎で発生したのを発生鶏舎だけの殺処分に留めていたのが次々と鶏舎間に続発し、結局かなりの長期戦を強いられる結果になった例が最近でもありました。  その他、伝染性気管支炎、鶏痘、伝染性咽頭気管支炎、鶏マイコプラズマ病、鶏コクシジウム、ロイコチトゾーン病など、今書きかけて面倒になったので途中でリストアップするのをやめたくらい、「高い致死率をもつ鶏の伝染病」は数多くあります。  これらのほとんどは現在でもたまに発生はあるのですが、今はたいていワクチンを接種していますので、大規模な発生はほとんど見られなくなりました。  まあ、自然農法と称してワクチネーションもせずに平飼いや放し飼いをしている小規模農場では今でもけっこう発生していますが・・・伝染性気管支炎や鶏コクシジウムの集団発生など、今では平飼い農場でしか見られなくなりました。これらの疾病は一般のニュースになることはまずありませんが。  昭和30年代など、全てが「自然農法」状態でしたから、どんな伝染病がどれだけ出ていても不思議ではありません。  ただ、高病原性鳥インフルエンザではありません。この疾病はそんな半端な病原性ではないので、1920年代ですら社会問題化しています。  高病原性鳥インフルエンザの致死率ですが、国際的な「定義」では8羽の鶏にウイルスを接種し、10日以内に6羽以上死ねば「高病原性」となっています。  ですが現在日本で流行しているウイルスは、概ね48時間以内に8羽全てが死亡しています。  これは感染実験なので自然感染とは条件が異なるのですが、自然感染下でも感染すればほぼ100%の致死率です。  人間への感染ですが、現在東南アジアでヒトへの感染が多発しているのは、今国内で流行しているのと同じH5N1という亜型です。まあ亜型が同じなだけでウイルスは別系統ですから、国内流行株がヒトへも強い病原性を持つとは限りませんが、東南アジアでは既に300人以上が亡くなっていて、致死率も60%近いです。  この高病原型というのは、病原性のメカニズムが普通のインフルエンザとまったく違うので、鶏に対する病原性を保持したままヒトに感染するようになると、エボラ級のとんでもない伝染病になってしまいます(個人的にはそんなことは起きない、と思いますが・・・)。  ヒト世界での流行ですが、インフルエンザウイルスは元々カモなどの水禽類が自然宿主で、主に鶏→豚を経由して人類社会に侵入することが判っています。それが「新型インフルエンザ」です。  一昨年の新型は「騒ぎすぎ」との批判を受けましたが、本来は東南アジアのH5N1の「新型化」を懸念して制定された対策方針だったためで、現在でもH5N1の新型化の恐れが減じたわけではありません。  H5N1の新型化を防止するためには、とりあえず「鶏でウイルスを増やさないこと」に尽きるわけです。  なので鳥インフルエンザ対策は家畜衛生だけでなく公衆衛生的にも重要視されているわけです。

harmo28
質問者

お礼

質問者から この回答者様へ 親切で 学問的な ご回答ありがとうございました。 昭和30年ころ 私の見て来た死亡率30~90の鶏の例については、多少は生き残るなら 強制全量殺処分などしない方が良いのではないかと思ったりしてましたが、 鳥インフルエンザではなかった?(これはどういう確認がなされてきたのでしょうか 不明ですが) そう言うことだったのですか。 「高病原性鳥インフルエンザならば、もっと過激に全滅の様相を呈していたはず」・・と解釈すれば良いのですね。 ご回答 有難うございました。

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