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にゃんこ先生、高一の生徒からの幾何の質問に悩む
にゃんこ先生といいます。 高一の生徒から数研出版の数Aの教科書の幾何の質問を受けましたが答えることができませんでした。 三角形ABCがあり、角Bの二等分線と辺ACとの交点をD、角Cの二等分線と辺ABとの交点をEとする。 EDとBCが平行のとき、∠B=∠Cであることを証明せよ。 以上の問題で、辺に関する性質は使わずに、角度だけで証明するにはどうしたらよいかという質問なのです。 まず、二等分線であることから、 ∠ABD=(1/2)∠B、 ∠CBD=(1/2)∠B、 ∠ACE=(1/2)∠C、 ∠BCE=(1/2)∠C となります。 EDとBCが平行であることから、 ∠AED=∠B、 ∠ADE=∠C、 ∠BDE=(1/2)∠B、 ∠CED=(1/2)∠C となります。 これらが前提のすべての条件です。それらを図に書き込んで、いろいろ考えてみたのですが、角度の性質だけを使って(辺の性質は使わずに)、∠B=∠Cであることがどうにも証明できません。 どうか教えてください。
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> 射影平面から無限遠直線をはぶいた普通の平面で考えれば、 > 点と点との距離と、直線と直線の角度とは同等の概念です。 それは、面白いですね。 射影幾何は不案内なのですが、少し勉強してみようと思います。 距離と角度とが同等と言えば、 相似変換不変量についての幾何学では、辺の長さと角のsinの間に 区別は無い…というのが、正弦定理でしたね。 > 計量空間の幾何では、内積とかノルムの話が先で、 > 角度の概念は二次的なものと思います。 そうでしょうか? 内積やノルムは、個々の計量空間の個性を決定するもので、 相似変換における「長さ」のような役割を果たすように思われます。 等角写像で保存されるものは、測地線の交角。 二点間の距離や、その比は、変換で変わりますが、角度は変わりません。 むしろ、このこと故に、角度の概念を距離の概念よりも先に考えることが 可能になります。 質問の定理が、相似変換の下に保たれ、等角写像の下に保たれない ということは、それが、「辺の比」の概念に依存した命題である ということを示しています。これによって、 > 今回の質問の証明問題も、角度の性質だけを使って、 > それも三角関数を使わない初等幾何の範囲でなら無理 の理由が説明できます。こういった視野は、いかがですか?
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- arrysthmia
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> sinC=sinB は、角度に関する等式と思います。 なるほど、そのような捉え方もあるとは思います。が、私には、 その式は、辺の比と辺の比を等しいと書いている等式に見えます。 辺の長さではなく、辺の比の等式を経由すれば良いというのなら、 ∠EBD=∠DBE より EB=DB とする替わりに ∠EBD=∠DBE より EB:DB=1:1 のようにすれば、 合同変換群による不変量ではなく、相似変換群による不変量を 使った証明になります。考え方は、何も変わっていませんが。 このような不毛な行き違いを無くして、建設的な議論をする為には、 「辺の性質」と「角度の性質」とは何か、両者はどう違うのか を定義して話を始める必要があるのではないでしょうか。 先には書きかけて止めてしまいましたが、例えば、ベクトル幾何で よく行われるように、余弦定理を「なす角」の定義にしてしまう ようなやり方では、角度の定義そのものが「辺の性質」の一部 ということになってしまい、両者を区別できません。 No.6 の与太話は、計量空間の幾何を考えるときに、角度は 頂点近傍での計量の局所的性質であり、長さは辺に沿った大域的性質 であることが、両者を区別する出発点になりそうだ、ということを 思いつきで書いてみたものです。 等角写像群による不変量を「角度の性質」とすれば良いのでは? と言うと、同語反復に聞こえるでしょうか。
補足
たしかに、計量空間の幾何では、内積とかノルムの話が先で、角度の概念は二次的なものと思います。 僕の頭の中にあったのは、それよりも射影幾何の双対の概念です。 射影平面の点と直線とは双対の概念で、射影平面から無限遠直線をはぶいた普通の平面で考えれば、点と点との距離と、直線と直線の角度とは同等の概念です。 つまりは、角度の概念が距離の概念よりも先に考えることもできるわけです。 たとえば、超弦理論は、点の概念よりも一次元のひもの概念を元にするようですが、そのように主従逆転の話はありうる話です。 あと、○○の証明を□□を使わずに証明できるか、という話は、たとえば、 3次方程式の解の公式を複素数を使わずに書けるか、 四色定理の証明をコンピューターを使わずに証明できるか、 などのように興味深いし、別解が見つかればいろいろな視野が広がると思います。
- arrysthmia
- ベストアンサー率38% (442/1154)
sinC=sinB は、角度ではなく、辺の長さ(または、その比)に関する等式です。 そのイコールは、何と何をつないでいますか?
補足
sinC=sinB は、角度に関する等式と思います。 三角形ABCがあり、角Bの二等分線と辺ACとの交点をD、角Cの二等分線と辺ABとの交点をEとする。 このとき、∠EDBを∠Bと∠Cを使って求めよ。 という問題を初等幾何だけを使って解くには無理で、三角関数を使う必要があります。 (また、三角関数の厳密な定義は、大学では積分を用いてされます。) 今回の質問の証明問題も、角度の性質だけを使って、それも三角関数を使わない初等幾何の範囲でなら無理と思います。
- arrysthmia
- ベストアンサー率38% (442/1154)
もしかして… 「ユークリッド幾何学でないと、∠B=∠C とは限らないから。」 という答えを期待してませんか? 問題の空間が、点Dの周辺で負の曲率を持つものだったりすると、 点Dを通って辺BCに平行な直線は、二本以上ひける場合もあります。 その直線と辺ACの交点も、候補が複数あることになる。 その内のどれが∠Aの二等分線上にあれば、点Eが題意どおりに 作図できたことになるのでしょうか? 複数ある作図のひとつで ∠B=∠C が成り立つ場合、別の作図では ∠B≠∠C になりますから、この例のような空間上では、 題意の命題は成立するとは限らない。よって証明できません。 つまり、この命題が証明できることは、ユークリッド幾何で考えている ことに依存しているのです。 空間がユークリッドか非ユークリッドかを決めるのは、計量の違い ですから、この証明は、空間の計量がユークリッド計量であること を利用する必要があります。計量とは、大雑把に言って線素を定める係数 のことなので、そこから「長さの性質」を用いる必要が出てくる… という話ができそうです。 ただし、そこでもやはり、その計量空間において「角度」の定義は何か? それは、辺の長さの定義に依存していないのか? という問題は ついて回ると思います。
補足
自己解決しました。 この問題は、ラングレーの問題(フランクリンのたこ)ともかかわりがあります。 三角形ABCがあり、角Bの二等分線と辺ACとの交点をD、角Cの二等分線と辺ABとの交点をEとする。 この時点で、点Dと点Eが定まります。 すると、∠EDBの値も∠A,∠B、∠Cを用いてかけるはずです。 ここで、高校生の範囲を少し飛びますが、角度に関するチェバの定理を使います。 三角形EBCと、その平面上の点Dに関して、 (sin∠EDB/sin∠EDC)・(sin∠EBC/sin∠EBD)・(sin∠ECD/sin∠ECB)=1 x=∠EDBとおくと、 (sin(x)/sin(x+π-B/2-C))・(sinB/sin(B/2))・(sin(C/2)/sin(C/2))=1 ここで、もし、EDとBCが平行という条件を追加すれば、錯角より、 x=B/2 なので、それを代入して、 sinC=sinB つまり B=C が出ます。 ちなみに、一般にxの値は次のようになります。 tan(x)=sin(B/2+C)/{cos(B/2+C)+cos(B/2)} 今回興味を持っていただけたことには感謝します。 角度の性質のみで示せるといったにゃんこ先生の予測はあっていたことになりますが、なにかありましたらまたご意見をください。 今回の話は、ユークリッド幾何の範囲ですが、それでも合同変換群による不変量を研究する学問と、相似変換群による不変量を研究する学問とに分ければ、今回は後者です。 その中でも三角形に限定すれば、前者は3辺(ただし、三角不等式を満たす)に関するいわば代数で、後者は3角(ただし、和はπ)に関するいわば代数だと思います。
- Kules
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Kulesです。 そうですね…確かに辺のみで表せる性質がある以上角のみで表せる性質があるんじゃないかというのは納得できる話ですが、しかし本当にそうでしょうか? 例えば a:b:c=sinA:sinB:sinC とみなすと、辺のみに関する条件はすべて角度のみに関する条件に言い換えることができます。 とありますが、そもそも三角比というのは角度と辺の比の関係を表したものなので、そもそも三角比は(それを図形中で使う上では特に)辺の条件で言っていることと同じなのです。ということは今回の問題のような場合cosB=cosCが言えれば証明できますが、それを言うためには結局辺の比が等しい(ひいては辺の長さが等しい)ことを言わざるを得ないのです。 そういう意味では、ご指摘の通り辺のみで記述できる性質はありますが(そもそも三角比を使えば角度を辺に言い換えることができるので)、純粋に角度の性質のみで使えるものというのものはないのかも知れません。
補足
自己か解決しました。 この問題は、ラングレーの問題(フランクリンのたこ)ともかかわりがあります。 三角形ABCがあり、角Bの二等分線と辺ACとの交点をD、角Cの二等分線と辺ABとの交点をEとする。 この時点で、点Dと点Eが定まります。 すると、∠EDBの値も∠A,∠B、∠Cを用いてかけるはずです。 ここで、高校生の範囲を少し飛びますが、角度に関するチェバの定理を使います。 三角形EBCと、その平面上の点Dに関して、 (sin∠EDB/sin∠EDC)・(sin∠EBC/sin∠EBD)・(sin∠ECD/sin∠ECB)=1 x=∠EDBとおくと、 (sin(x)/sin(x+π-B/2-C))・(sinB/sin(B/2))・(sin(C/2)/sin(C/2))=1 ここで、もし、EDとBCが平行という条件を追加すれば、錯角より、 x=B/2 なので、それを代入して、 sinC=sinB つまり B=C が出ます。 ちなみに、一般にxの値は次のようになります。 tan(x)=sin(B/2+C)/{cos(B/2+C)+cos(B/2)} 今回興味を持っていただけたことには感謝します。 角度の性質のみで示せるといったにゃんこ先生の予測はあっていたことになりますが、なにかありましたらまたご意見をください。
- Kules
- ベストアンサー率47% (292/619)
再びKulesです。 >今回の問題は、辺だけの性質を使えば簡単に証明でき、おそらくこれが模範解答と思います。 しかし、同値なことを角度だけの条件で言い換え、それのみを用いて証明もできるだろうと予測していたのですが、それがどうにも解けません。 どうしてこのようなことが起こるのでしょうか? これは、arrysthmiaさんも書かれているように、三角形の合同などからさまざまな定理を作り出しているため、辺の性質と角度の性質を分けて使うということにさほどの意味はないからです。 とても説明しにくいのですが、 (P)△ABCは二等辺三角形である。 (Q)△ABCにおいてAB=ACである。 (R)△ABCにおいて∠B=∠Cである。 これらは全て同じ三角形のことを述べていますが、(Q)は(P)の定義であり、(R)は(P)の性質です。ただこの場合(P)⇔(Q)、(P)⇔(R)が成り立つため、(Q)⇔(R)を用いて証明をしたりします。このようにすることで、辺と角の情報を一部で共有し、それを使うことで他の辺との関係などにつなげていくわけです。つまり辺の性質と角の性質は突き詰めれば右足と左足のようなもので、片足だけでは歩いていけないということです。 問題についてはもう少し考えてみたいです。私も本当にできるのか興味はあります。ただ、上に書いたように、辺の話を全くせずに、というのはおそらく不可能なので、とりあえず「三角形の合同を直接使わず、そこから派生した様々な角度の性質のみを用いて証明する」という方針で補助線など使い解いてみたいとおもいます。
補足
興味を持っていただけたことには感謝します。 ただ、 >辺と角の情報を一部で共有し、それを使うことで他の辺との関係などにつなげていくわけです。つまり辺の性質と角の性質は突き詰めれば右足と左足のようなもので、片足だけでは歩いていけないということです。 というご意見には、反対です。 今回の問題は、もとの三角形ABCと相似な三角形においても成り立ちます。 正弦定理を、 a:b:c=sinA:sinB:sinC とみなすと、辺のみに関する条件はすべて角度のみに関する条件に言い換えることができます。 今回も、問題の前提条件がすべて角度のみを用いてかけるので、そこから直接∠B=∠Cであるという結論を導けるだろうと考えるのは自然です。 辺の条件を経由するのは不自然で仕方ないのです。 別件で、たとえば、三辺の長さが与えられた三角形があったとき、その面積を求めるのに、普通は、余弦定理を用いて角度を経由し、(1/2)absinCという公式で、ヘロンの公式を導き出します。 しかし、角度を経由せずに、辺のみの性質を用いてヘロンの公式を導き出すことが可能です。 それは頂点から対辺に垂線を下ろし、その長さを三平方の定理で計算するのです。 垂線(垂直)という性質は角度の性質のように思うかもしれませんが、 それも三平方の定理が成り立つ状態と考えることで、辺のみの性質を使って、ヘロンの公式を導き出すことが可能です。
- arrysthmia
- ベストアンサー率38% (442/1154)
何を以って「角度の性質だけ使って」と言うかに依りますね。 平行線の同位角や錯角が等しいことを使っても、 そのことを証明するために、既に三角形の合同が使われているハズです。 合同の定義は「三辺が等しい」であって、 他の合同条件はソレを変形したものですから、 合同を使えば、「辺に関する性質」は、使った部分が隠されているだけで、 使わなかったとは言えない気がします。
補足
二等分線であることは、角度の条件だと文字通り「二等分線」ですし、辺の条件だと、「角の二等分線の定理」と同値です。 平行であることは、角度の条件だと「同位角or錯角が等しい」ですし、辺の条件だと、「辺の分割比が等しい」と同値です。 二等辺三角形ということは、角度の条件だと「底角が等しい」ですし、辺の条件だと文字通り「二つの辺が等しい」です。 今回の問題は、辺だけの性質を使えば簡単に証明でき、おそらくこれが模範解答と思います。 しかし、同値なことを角度だけの条件で言い換え、それのみを用いて証明もできるだろうと予測していたのですが、それがどうにも解けません。 どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?
- Kules
- ベストアンサー率47% (292/619)
No.1のKulesです。 …ですよね(苦笑) そもそも辺の性質を使ってはいけないという縛りは生徒からでたものなんですかね?なかなかシビアなこと言うてくるなあ… 今回の辺の性質を使わずに、というのは今ある辺の長さが等しいことを使わないというだけでなく、例えば「どこかの辺と等しい長さの補助線をどこかに引く」という類のものもだめなんですかね? できれば補足お願いします。
補足
二等分線であることは、角度の条件だと文字通り「二等分線」ですし、辺の条件だと、「角の二等分線の定理」と同値です。 平行であることは、角度の条件だと「同位角or錯角が等しい」ですし、辺の条件だと、「辺の分割比が等しい」と同値です。 二等辺三角形ということは、角度の条件だと「底角が等しい」ですし、辺の条件だと文字通り「二つの辺が等しい」です。 今回の問題は、辺だけの性質を使えば簡単に証明でき、おそらくこれが模範解答と思います。 しかし、同値なことを角度だけの条件で言い換え、それのみを用いて証明もできるだろうと予測していたのですが、それがどうにも解けません。 どうしてこのようなことが起こるのでしょうか? 補助線を引くのは、本来は好ましいとは思わないですが、補助線を引いてでも角度だけで示すことができれば満足です。
- Kules
- ベストアンサー率47% (292/619)
E,DからそれぞれBCに垂線を下ろし、その足をF,Gとする。 「DE//BC、EF//DG、∠EFG=∠DGF=90°…(1)より四角形EFGDは長方形。よってEF=EG…(2)(ここは割愛できるかも)」 ∠CED=∠DCE=∠C÷2より△CEDは二等辺三角形。よってDE=DC同様にDE=BE ∴BE=CD…(3) △EBFと△DCGにおいて (1)(2)(3)より直角三角形の斜辺と他の一辺がそれぞれ等しいので、 △EBF≡△DCG ∴∠B=∠C …思いっきり辺の性質とか使ってますね。 これじゃダメですかね?
補足
質問文をよく読んでください。
補足
いろいろ考えられるかもしれませんが。 たとえば、複素数にとっては、その極座標表示からすると、絶対値(距離)の概念と偏角(角度)の概念は対等と思います。 でも、たとえば、n次元ベクトル空間R^nにとっては、ベクトルaとベクトルbの角度θは、cosθ=a・b/|a||b|で定義されるもので、角度の概念を距離の概念よりも先に考えることは普通はしないと思っています。