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パターナリズム、患者さんの利益と自律の対立

noname#96295の回答

noname#96295
noname#96295
回答No.11

7.10.です。 > 倫理的判断には経験的、感覚的、直感的な要素が不可欠でありますが、 > 同時に合理的、理論的、倫理学的なアプローチも不可欠だと思います。 おっしゃるとおりと思います。合理的、理論的、倫理学的なアプローチのために、まず、 パターナリズムかオートノミーかという俯瞰的な見取り図を撤去したいです。 この見取り図は、心はだれのもの? という短絡的な問いと答えしか求めていないからです。 病と向き合うということは、社会とも、歴史とも向き合うこと、すなわち 人が人としてなりたつ全て と向き合うことではないでしょうか。 たとえばフーコーは、精神科の臨床医の経験から、社会学への道を選びましたが、 病のなかに巣食っているもっと大きな力学をみいださなければ、精神医療の発展がないと感じたからでしょう。 個人の気持ち、というものには、正体がないけれども、 周囲や習慣や都合によって措定されるものではあるでしょう。 例では、あなたは生活習慣病とうつを挙げておられますが、 どんな自尊心で酒とタバコをやめないでいいやと思っているのか、 また、どんな自尊心で死ぬ死ぬと言うのか。 基準なんかないでしょう。 医師は、そんな「自尊心」がどんなに病んだものであるか、という見識は いちおう、持っていなければならないでしょう。 そんな「自尊心」が、「周囲や習慣や都合の積み重ね」にすぎないものだからこそ、 患者の生きてきた社会や家族関係や自身の生命を、患者がどう思っているのか、 治癒し調和したいと思っているのか、それとも壊したい壊れたいと思っているのか、 医師は理解しなければ対処もできないでしょう。勝手にせよとほんとうに言うべき時さえわからないでしょう。 これは、感覚的な理解ではなくて、客観的な分析力を必要とする、 病に対する歴史的、社会的な知識、そして同時に、患者の個人史への理解です。

koumori44
質問者

お礼

たびたび返答いただき、ありがとうございます。

koumori44
質問者

補足

>合理的、理論的、倫理学的なアプローチのために、まず、パターナリズムかオートノミーかという俯瞰的な見取り図を撤去したいです。 >この見取り図は、心はだれのもの? という短絡的な問いと答えしか求めていないからです。 この部分の主張と根拠の関係がいまいちよくわからなかったのですが、 >病と向き合うということは、社会とも、歴史とも向き合うこと、すなわち人が人としてなりたつ全て と向き合うことではないでしょうか・・・ >たとえばフーコーは、精神科の臨床医の経験から、社会学への道を選びましたが、病のなかに巣食っているもっと大きな力学をみいださなければ、精神医療の発展がないと感じたからでしょう。 >病に対する歴史的、社会的な知識、そして同時に、患者の個人史への理解です・・・ というあたりから推察して、 たとえば精神の病に関して「心の内部に病気を抱える一個人としての患者さんと、それを正常にするよう治療する医療従事者」という捉え方には色々問題があるように思います。 もっと全体的な捉え方、すなわち、心の病を患者さん一個人の内部で完結するものとしては捉えず、家族の影響や社会的な影響によって生じた現象だと捉えたり、患者さんだけを変化させるという捉え方ではなく、患者さんと医療従事者や家族や社会との関係全体の相互作用を全体的に変化させていくという風に捉えたり、さらには、そもそも患者さんに起きている現象を心の病であり異常であると認定する、医療従事者の病気観やその病気観の土台となる社会的な価値観などにまで考察を加えて、それは個人の心の中に起きた異常な病という捉え方ではなく、患者、医療従事者、家族、社会、などの全体の中で起きたある一現象であり、その全体の網の目のひずみに落ちて、たまたま苦しみの被害者になった患者さんという風な捉え方をし、この全体の網の目をどのようにしていけばその苦しみをなんとか出来るか、・・・・・などなどなどといった具合の、全体的な捉え方も必要かと思います。精神病や狂気というものは社会的な構造物であるというような考え方です。 以上のことをふまえてパターナリズムという考えの土台、すなわち、「医療従事者が考える患者さんの利益と患者さんの意思の対立」という構造をみると、いかにも「治療する医療従事者と、それを受ける病気を持つ一個人としての患者」というようなイメージがして全体的な捉え方の欠如を感じ、問題ありと感じるかもしれません。 要するに >パターナリズムかオートノミー(患者の自律)かという俯瞰的な見取り図を撤去したい という理由は、上述のような全体的な捉え方に反するから、ということですか?

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