この事実についてはどのような本で知ったのでしょうか。基本的な位相数学の
教科書なら証明も書いてあると思いますが。また2つ目の質問は通常の位相数学の
教科書なら必ず例が載っていると思いますが。
とりあえず証明を
距離化可能で可分な位相空間をXとします。距離化可能ですから最初からXは距離空間
と考えて構いません。そこで、各点x∈X の近傍U_ε (x)は
U_ε(x) = { y ∈ X : | x - y | < ε, ε> 0 }
と書けます。
Xが可分と言うのは、Xのある可算集合で稠密なものがとれるということです。
このような集合をAとします。Aは可算なのでA={a_i }(i= 1,2,3 …)と書けます。
このとき各a_i を中心とする半径 1/mの開球 U_(1/m) ( a_i)全体の集合
S={ U_(1/m) ( a_i) : i,m は自然数 }
が第二可算公理を満たします。以下はそのことを証明します。
Sが可算集合であることは自明ですね。さらにSがXの開基であることを言う必要が
ありますがそれはXの任意の開集合の任意の点 x に対して、x を含み、その開集合に
含まれるようなSの要素が存在することをいえば良いのです。
さて任意の開集合O⊂X をとり、x ∈ O を一つ選びます。Oは開集合ですから、
x の近傍でOに含まれるものをとることが出来ます。
先に書いたように x の任意の近傍は、ある正数εにより x から距離ε以下の点の集合
U_ε(x) として表せます。そこでいま U_ε(x) ⊂ O とします。
次に 1/n < ε/2 となるような n を選びます。A は稠密ですから、Aの中から x との距離が
1/n 未満であるような点 a_j をとることが出来ます。すなわち
|x - a_j | < 1/n
です。このとき a_j を中心とする半径 1/n の開球 U_(1/n) ( a_i) はxを含んでおりかつ
U_ε(x)に含まれます。
x ∈ U_(1/n) ( a_i) ⊂ U_ε(x) ⊂ O
そして U_(1/n) ( a_i) ∈ S ですから SがXの開基であることが示せました。 ■
2つめについては有理数全体の集合Qが可算集合でありRの中で稠密であることを
思い出していただければすぐわかると思います。
わかりにくければ補足質問をして下さい。
お礼
ほんと、丁寧な説明を頂きまして感謝しております。 (うちの先生よりも分かりやすい・・) ありがとうございました。 これは、内田先生といった方が書かれた参考書を勉強していて、問題を 見つけたのですが、解答がかなり簡易で私のおつむでは全く理解が出来 なかったのです。これはかなり良い本とうちの先生は言っていたのですが、 そうなのですか??ちょっと疑問・・。 2つめに関しても、ちょっと出来そうな感じ(?)がしてきました。 とにかく、やってみます。 本当にありがとうございました。