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哲学者の公務

sokuraの回答

  • sokura
  • ベストアンサー率38% (40/103)
回答No.11

 意地悪な質問から意地悪な回答に変わり、これで最後になるでしょう。 1.国立大学の予算付けの問題は、当然パーフェクトではありません。現在、妥当だと思われる制度によって運用されているだけです。それが、結果として、国民全員の合意の形をとっているだけです。しかし、これが現在のところもっとも民主的な方法であることも事実でしょう。 2.何故、国民合意の形をとって、国立大学に哲学科を存在させているのか。これは、納税者の立場に立って答えれば、「必要と認める人が多く存在する」からです。受験生はいやいや哲学科を志望はしておりません。そのために門戸を広げることは、国民の便益にかなっています。 3.哲学者はこの130年何をしてきたか。答えは簡単です。「哲学をしてきました」これが、納税義務を果たす、ということです。6,7割の哲学者に、それくらいの信頼をおいても良いと思いますよ。 4.哲学に期待すべきことは何か?「すべてです」 5.哲学の具体的実績は?日本の西洋化、近代化、爛熟の資本主義化、つまり130年の歴史と文化そのものです。誰がなしたということではなく、全員で、それに荷担してきました。 6.哲学者は存在させず、哲学という学問だけ残し、哲学者に支払う人件費を他分野の奨学金にまわす。 その大学に「哲学者」の需要がなければ、そうすれば良い、と思います。哲学者を必要とする大学もあれば、不必要な大学もあります。それらは、それなりのバランスを保って、日本に散らばっていることでしょう。  そして、最後の難問への回答です。「哲学は具体的に何を生み出しているか」です。そして、これが、「病気が治る」「危険な作業から人を解放する」というような即効的なものかどうか、です。昔は、そうしたことは、「諸学の根拠としての哲学」が一手に引き受けて委細面談すべからく解決、と哲学者が胸をはっていました。しかし、今は、「学問」に棲み分けが発生しましたので、心を悩ますことはあっても、こうした「応用科学」の分野は、それなりの実験施設や機械の備わったところで、これに即効的に対応できる職業者がいることから、そちらに解決をゆだねることになってきたのです。ですから、これに対する回答としては、哲学は、「残念ですが、歯科医師のところに行って胃ガンを治せ、と言っているようなもんですから、来た場所が違います」と言う程度のものです。それでいて、哲学は「諸学の根拠たる学問である」と主張します、哲学のヘンなところ、その1です。求める解決の方法が違うだけなのですが、ね。    では、何故、哲学には即効性はないのでしょうか?いえ、私は、元来学問というのは即効性はないと思うのです。今払った税金2万5千円を形にして戻せ、と迫られたら、国立大学のすべての教官が、「それは無理です」というのではないでしょうか?即効性、便益、功利、機能からは、ややへだたったところにあるから、私はニヤニヤ笑って、そんなもの最初からありませんよ、とイヤミを言ったのです。これは、誠実な学究の徒であればあるほど、悩み深くなる問題です。自分の学問が国民の利益にかなっているのだろうか、誰かの役にたっているのだろうか、誰もがそうした悩みを抱えているはずです。  時として、原爆が諸刃の刃であるように、便益にかなった結果ばかりが出るとは限りません。  哲学は、そいういった意味では、ずいぶんと賢くなったために、現在の「人間中心主義」を否定しています。それで、税金を稼いでいるのですから、哲学のヘンなところその2です。  このへんは、雰囲気で感じ取ってもらいたいところですね。  そして、最後に。哲学の役割を具体的に語るべきだ、という意見について。 これの一番簡単な方法は、哲学の歴史を振り返ることです。これは、科学において実験方法を説明するのと同じです。それで、そこから何を感じ、何を考え、何を改めるかは、これは、科学と同じく、読んだその人が、その人の頭で考え、実行していくことです。  哲学も科学も「学問」は説明ではありません。どちらかといえば、イヤミをいいあう「おれだけがいちばん正しい」の闘いです。ヘラクレイトスからジャック・デリダまで、様々な哲学者にあたり、その上で哲学の効用を、今度は、あなたが語ってみてはどうでしょうか?意外に即効性があるのがわかるでしょう。度ごとに世界観は万華鏡のように変わり、鬱病や離人症、神経症などには、薬より有効とすら言えるのですから。  おつきあいいただきありがとうございました。

noname#2879
質問者

お礼

今まで有難うございました. こちらこそお付き合い有難うございました. sokura様のご意見は参考になりました. どうやら私には「雰囲気で感じ取る」ことを「分かる」こととすることはできないようです.また存在意義を問われて,歴史を辿れという答えに納得する納税者も少ないでしょう.具体的に何かとお聞きし続けて,「歯医者と胃がん」の暗喩が最後のご回答だったのは,残念です.しかし,これが現状なのでしょう…か? 哲学者が様々な世界観を提示し,その世界観内,世界観間の分析をしてきているは分かります.しかし (これまで提示された世界観の数)<<(納税者の数) が成り立つでしょう.納税者の多くは全く同一ではないにしろ同じような日常的世界観を共有し,その世界観の中で悩み,苦しみ,不安を抱えています. 学者がそれ以外の世界観を研究することは否定しません.例えば数学者は虚数を導入した複素空間を調べました.しかしその後,そこで得られた知見を日常的世界観にフィードバックすることで様々な当初の目的を達成することに貢献しました.しかし哲学者には納税者の多くが共有する日常的世界観における解を導出した実績がないのです. 真に鬱病患者が至福になるならば,納税者の多くが一旦鬱病になったあとで,デリダの処方箋を所望する道を望むでしょうが,現実はそうではありません.鬱病患者の特異な世界観においても成功したといえるのでしょうか? sokura様のアドバイスを受け止め,もう少し歴史の触れようかとは思いますが,先の例え話の「歯医者の治療対象(虫歯など)が具体的に何を指すか?」についてはsokura様も一度専門家におたづねになられてはと思います. 有難うございました.

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