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花粉症は公害といえますか?

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回答No.8

Sea-Breezeさん、こんにちは。 1.「公害」という言葉の意味について 環境基本法においては、「公害」とは、「……人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁……、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下……及び悪臭によって、人の健康又は生活環境……に係る被害が生ずること」と定義されており(同法第二条)、世の中に古くから知られている、いわゆる「典型七公害」のことをいいます。 しかし、これら以外の環境問題についても「公害」という言葉は広く用いられており、その意味するところが曖昧になってきております。 「公害」という単語は日本オリジナルの用語でもあり、もしかしたら、どんな環境問題に対しても「公害」という名前を付けることもできるのかもしれません(それが好ましいかどうかは別として。)。 例えば、「ごみ公害」、「自動車公害」、「光化学公害」などのように。 また、「公害」という言葉の持っている悪いイメージを利用した、マスメディア、市民団体、行政等の戦略によって、近年では「公害」という単語が過度に使われているという見方もあるかもしれません。 「ダイオキシン公害」などは、そのようなケースの好例といえるでしょう(注:私自身、兵器などを除けば、ダイオキシンが恐いと思ったことは一度もありません。恐れる必要があるとは思われないからです。)。 2.花粉症の原因について 花粉症はアレルギー疾患ですから、免疫の機能に何らかの障害が発生しているということは確かなのでしょうが、その障害を生み出させている環境の変化が何であるのかは、いろいろな説が出されているものの、結論は全く出ておりません。 おっしゃっているとおり、スギの総量が多すぎるということも一因になっている可能性はあるかもしれませんが、なにもここ何年かでスギが急に増えたわけではないことから判断しても、総量だけが原因であるとは考えにくいような気もします(間伐等の森林の手入れを怠ったことによって、総量以外の植物の性質が変化した可能性については、専門的すぎて分かりかねますが。)。 戦後の植林は確かにかなりの規模で行われ、いっぱい植えた途端に木材が自由化になって、林業が壊滅していったことは、役所勤めの私から見ても行政の失策と言わざるを得ない気もします。 ただ、純粋な自然林(その量は、全国の森林の1%にも満たないといわれています。)の植生が変えられて、スギばかりの森にされてしまったのは、江戸時代などかなり昔からであるという事実にも注意が必要です。 あと、花粉症の直接の原因は、当然のことながら、花粉です。 スギの他にもヒノキやらヨモギやら、いろいろな植物の花粉でアレルギーが引き起こされることが知られています。 その意味では、他の回答者さんもおっしゃっているように、植物の育たない所にでも行かないと花粉症になる可能性がゼロにはならないかもしれません。 しかし、花粉症が発症するかどうかは、空気中に含まれている花粉の量にも影響されるので、花粉症の体質を変えることが容易でなかったとしても、今年のようにスギ花粉の少ない年などは、発症する人数が少なく、症状も比較的軽かったりするわけです。 ですから、よその土地の植物でまた花粉症になるかもしれないとはいっても、その植物がどれだけ繁殖しているかにも影響されるので、「ほとんど花粉症にはならない土地」もないとはいえないでしょう。 ディーゼル排出粒子(ほんとはガソリンエンジンにも目を向けるべきですが)と花粉症の発症には因果関係があるのではなかろうか?とする研究も確かにありますが、これはまだ一つの仮説に過ぎないと言って差し支えないでしょう。 ディーゼル問題は最近はやりで(数年以内に、はやりではなくなるはずですが)、いろいろな研究が盛んに行われたので、それらの中にはこんな報告もあった、ということです。 これらの指摘されている環境条件の他にも、個人の生活習慣(食生活、運動、睡眠、etc.)とか遺伝的な特質、化学物質への暴露状況などなど、考慮しなければならない要素はいろいろありそうです。 これらが複合的に関与している可能性もあります。 いずれにしても、花粉症の根本原因については、残念ながらまだほとんど解明されていない、というのが私の認識です。 ただ、患者は昔からいたとはいえ、自分は花粉症だ、という人が最近はやけに多いなと私も思っています。 花粉症が現代病であるならば、やはり原因は身の周りのどこかに潜んでいるのではないでしょうか。 アトピーなども、やはり原因は不明ですが、最近多いのは何か現代社会に問題があるということなのでしょうか。 3.訴訟について このように、公害というものをどう考えるかとか、役人だから霞が関の人たちの肩を持つわけでもありませんが、行政にも花粉症のような社会問題が発生することは予測困難だったでしょうから、もしも訴訟を起こしたとしても国などに責任を取らせることは難しいでしょうね。 これまでそのような訴訟が(私の知る範囲では)起きていないのは、Sea-Breezeさんのように「花粉症は公害ではないだろうか?」という発想を持ったことのある人が少ないからかもしれません。 一般の人々には、花粉症のような「病気」が、公害のような人的な要因による「被害」であるかもしれないとは、あまり考えられていないのではないだろうか、という気がするのです。 私は現在、公害行政に携わっておりますが、専門家、一般人、経験者、どれになるか分からないので一般人にしておきます。 以上、大変長くなりましたが、ご参考になりましたら幸いです。

noname#174737
質問者

お礼

私から見て、専門家の方からとても詳しいご意見を頂いて感謝しております。 有難うございました。 本気ではないのですが、もし林業政策が原因で現在のような花粉症に国民が悩まされているのであれば、これこそ公害としての条件を満足しているだろう、と感じて質問させて頂きました。 でも仮にそうだとしても、たしかに行政側にその認識や知識がなかったとなれば訴訟として成立はしないでしょうね。 皆様のご意見をお伺いして、やはり花粉症と言うのは原因を特定するのが難しく、根本的治療も困難なものだと改めて感じました。 ガンが先か、花粉症が先か分りませんが、いつか特効薬が開発されて人類が解放されるまで我慢して生活するより方法はなさそうですねえ。

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