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「ではない」の「は」について

「これは、◯◯でない」の「で」は断定の助動詞「だ」の連用形であり それに補助形容詞の「ない」が付いたものですが、 実際には「これは、◯◯ではない」と、「で」の後に助詞の「は」を付ける方が一般的なように思います。 「これ」に続く「は」は主題の「は」ですが、「ではない」の「は」はどのように解釈するべきでしょうか。 どうぞよろしくお願いします。

  • Rozsy
  • お礼率99% (1459/1468)

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.4

「ハ」には主として主題表示と対比表示の二つの用法があるとされます。 (他にもマイナーな用法がいくつかあります) さて、否定表現は肯定と対立するものであり、基本的に「対比」を内包しているとされます。 しかし、「デハナイ」は単なる対比ではありません。 聞き手がある種の予想をしているかもしれない、しかしその期待は間違いだ、という含みが生じます。 単純な否定と比べてみましょう。 (1)大阪で写真を撮らなかった。(京都では撮った) (2)大阪で写真を撮ったのではない。(大阪で写真を撮ったと思っているだろうが) 同様に、 (3)今日は車で来なかった。(電車で来た) (4)今日は車で来たのではない。(車で来たと思っているだろうが) 「鯨は魚ではない」であれば、「魚だ」と思いやすいが、「魚ではない」のだと、対立する事態「魚である」を一旦意識した上で、「そうではなくて」ともう一つの事態が正しいことを主張するものです。 「魚だ」(相手の予想)    対比 ↑    「ハ」↓ 「魚でない」(話し手の主張) 詳しくは 尾上圭介(2014)『文法と意味II』くろしお出版 などをご覧ください。

Rozsy
質問者

お礼

ご丁寧にありがとうございました。 大変理解が深まりました。

Rozsy
質問者

補足

Biolinguist様 いつもご回答をありがとうございます。 みなさまのご回答も併せ読み、少々混乱してきたのですが 「ない」が補助形容詞という私の定義は、そもそも誤りでしょうか。

その他の回答 (5)

回答No.6

>「ない」が補助形容詞という私の定義は、そもそも誤りでしょうか。 国語学では、補助形容詞とされます。 助動詞は「来ない」「来られない」のように、動詞または助動詞に付くものですが、「これはパイプではない」の「ない」は(助)動詞についておらず、単独で用言として用いられています。 したがって、助動詞とは分類できず、補助形容詞とされます。 ただ、「悪くない」「静かでない」のように、イ形容詞やナ形容詞に付くなら、「補助」形容詞でもいいでしょうが、助詞の「ハ」の後に現れ、それ自体が述語になっているものを「補助」形容詞と呼ぶのは躊躇せざるを得ない。 といって、単なる形容詞にしてしまうと、「車がない」という非存在を表す「ない」と区別できない。 また、「来ない」の「ない」が助動詞で、「悪くない」の「ない」が補助動詞なんて、そんなに違うものなのか、というのが母語話者の直感です。 仕方が無いので、「ない」は形容詞型の活用をする否定辞である、ということでお茶を濁すのです。 教えるときには、「来ない」の「ない」も、「悪くない」の「ない」も、「パイプではない」の「ない」も、全部ひっくるめて、「否定を表す」とするしか無いんじゃないでしょうか。 少なくとも、助動詞とか、補助形容詞とか、そういう文法用語を教える必要は無いでしょう。

Rozsy
質問者

お礼

おっしゃること、大変よくわかりました。 今回もご丁寧にわかりやすく教えてくださいまして ありがとうございました。

  • OK1723TRD
  • ベストアンサー率39% (18/46)
回答No.5

「これは、◯◯でない」の「で」は断定の助動詞「だ」の連用形であり、「ない」は否定の助動詞です。 「ではない」の「は」は特殊性の認識を表す副助詞で、「~で」という内容を特殊性として捉え表現したものです。 これは、本物ではない。 の場合、偽物と比較対照した本物という特殊性の認識を「は」で表わすもので、本物を強調した表現で、その後それを「ない」で否定し、単なる否定をより強調しています。 「これは」の「は」も、あれではなく「これ」という特殊性の認識を表す副助詞で、普遍性の認識を表す主題の「は」である係助詞ではありません。 (この、「係助詞≪で≫は」の「は」も副助詞で、副助詞との比較対照による係助詞の特殊性の認識を表しています。) 本物らしく≪は≫あるが、偽物に違いない。 聞いて≪は≫いてもすこしも頭に入らない。 目をつぶって≪は≫いるけれども眠って≪は≫いないから気をつけろ。 これらの「は」も特殊性の意識で使われています。 本物に見えるが実は偽物だというのは、現象的な同一性の背後に差異を捉えたもので、これも特殊性であり、いわば偽物らしくない偽物です。聞いているのであれば普通頭に入るのだが、心配ごとがあって頭に入らないのは特殊な場合だと把握しています。目をつぶっているのだから普通なら眠っていると受けとるのだが、どうもタヌキ寝入りらしいというのも、やはり特殊な場合です。「は」が二重に使われているのは、特殊性の強調であると同時に否定の「ない」の強調にもなっています。 これに対し、主題の「は」と言われるのは、 我は海の子。 吾輩は猫である。 箱根の山は天下の嶮。 アメリカはニューヨークのマンハッタンに来ております。 のように使用される普遍性の認識を表す係助詞です。 科学は普遍的な法則の表現なので、普遍性を表す「は」が使われます。 月【は】地球の衛星である。 水【は】水素と酸素の化合物である。 物体【は】力によって状態を変えられない限り静止または直線上の等速運動を続ける。 のように普遍性を表す「は」が使われます。■

Rozsy
質問者

お礼

ご丁寧にありがとうございました。

  • -ruin-
  • ベストアンサー率31% (239/769)
回答No.3

まず基本形の「~である」 断定の助動詞「だ」の連用形「で」に補助動詞「ある」の付い連語です。 これの否定意味である「~でない」には助詞として「は」「も」が入ることがあるのでこれを状況に応じて使い分けた場合に「これは、◯◯でない」の場合は「は」が適当となる。 「では」という連語 断定の助動詞「だ」の連用形+係助詞「は」、接続助詞「で」+係助詞「は」などの形がありますがいずれにしても「は」は係助詞にあたります。 以上を踏まえたうえで今回の質問についてですが、上記の通り「は」は区分としては係助詞になります。 また、質問者さんのおっしゃる通り、「は」をつけるのが一般的です。 逆に一般的に「静かでない」 「立派でない」のように形容動詞の連用形に補助形容詞「ない」が付いたものの場合「は」はつかないようです。 最後に係助詞の用法ですが、重要な点は意味を副えることです。 副える意味は区別・題目・強調・繰り返し・限定・協調・疑問など様々です。 つまり、「だ」に「ない」という否定を副えるために形容動詞を除き「は」が用いられます。

Rozsy
質問者

お礼

ご丁寧にありがとうございました。

  • ubku
  • ベストアンサー率37% (227/608)
回答No.2

「ではない」の「は」は係助詞と考えられます。『ついた語句の範囲を、多くの事柄から一つに限定して提示したものとするような、強調の役割』をします。(Wikipediaより) 係助詞は副助詞に含める説もあります。

Rozsy
質問者

お礼

ありがとうございました。

  • g27anato
  • ベストアンサー率29% (1166/3945)
回答No.1

文法の知識は少ないので、 自分なりの解釈と表現で回答します。 『◯◯で「は」ない』 …対象が◯◯「である」ことを要求されてる場合において、 対象は要求に合致しないことを「強調」するために、特定する目的の「は」が加えられています。 『◯◯でない』 …対象が◯◯「である」か、或いは「否か」を、 要求の有無に関係なく判別しただけの表現です。

Rozsy
質問者

お礼

早速のご回答をありがとうございます。 「強調」の「は」というのは、大変わかりやすかったです。 勉強になりました。

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