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古典文法
古典文法 古文を最初からやり直している受験生です。 「残るといへども朝日に枯れぬ。(方丈記)」 という文の「枯れ」が動詞の連用形なのはなぜでしょうか? 僕は未然形かと思ってしまったのですが…。 連用形は用言(動詞、形容詞、形容動詞)が後に続くのではないのでしょうか? 詳しく教えて頂けると助かります。お願いします。
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質問者が選んだベストアンサー
連用形は用言に連なる形です。 ですが、連用形だけに連なる形ではありません。 連用形の後に続く助動詞はたくさんあります。 さて、質問の「枯れぬ。」は「ぬ」の識別の基本的な問題です。 「ぬ」は以下の2種類があります。 1)打ち消しの助動詞「ず」の連体形。 「ず」は未然形に接続します。 2)完了の助動詞「ぬ」の終止形。 「ぬ」は連用形に接続します。 「枯る」の場合、ラ行下二段活用なので、 未然形も連用形も同じ「枯れ」です。 ですから、接続だけでは判別できません。 この場合、活用形で識別します。 この例文の場合、「枯れぬ。」の「ぬ」は後に「。」があるので、終止形です。 終止形の「ぬ」は、完了の助動詞になります。 完了の「ぬ」に続くのは連用形なので、 この例文の場合の「枯れ」はラ行下二段の連用形ということになります。 そして、この例文では「枯れてしまった」の意味になります。 では、次の例文ならば「枯れ」はどうなるでしょうか? 「残るといへども朝日に枯れぬ時、」 この例文では「ぬ」の後に「時」がありますから、 この「ぬ」は連体形となります。 「ぬ」が連体形ということは、打ち消しの助動詞「ず」の連体形ということになります。 「ぬ」が打ち消しということは、前の動詞は未然形ということになりますので、 この例文では「枯れ」はラ行下二段の未然形になります。 訳は「枯れない時」です。 では、次の文ではどうでしょう? 「残るといへども朝日にこそ枯れぬ。」 この例文の場合、「こそ」がポイントになります。 係助詞「こそ」がありますから、文末は係り結びの関係で「ぬ」は連体形となります。 連体形の「ぬ」は打ち消しの助動詞「ず」の連体形ですから、 そして、「ず」の前は未然形ですから、 この例文では「枯れ」はラ行下二段の未然形になります。 訳は「枯れない」です。 「ぬ」の識別は肯定文となるか否定文となるか、大きな意味の違いが生じてきます。 古文読解の上で重要な意味をもっています。 しっかりと識別できるようにしてください。
お礼
本当に詳しく解説していただき、ありがとうございます! とっても分かりやすいです。感動です! 古文、漢文は今までほとんど勉強したことなくて 今年のセンター試験までになんとか独学で 8割とれるぐらいまで仕上げたいです。 これからも、質問することがあるかと思いますので そのときはまたお答えくださると嬉しいです。 お願いします!