養育費請求の管轄裁判所について教えてください
本来はレポート用の立案の相談なのですが,ここで寄せられている,養育費の管轄に関する質問にも役に立つかも知れないと思って相談しました。
養育費請求に関する手続き論で下記のように立論しました。
1.家事審判法1項乙類にあげられる養育費に関する請求は,審判・調停のいずれかの方法によるかは,申立人の任意である。
2.家事審判規則52条により審判の管轄は,子の住所地の家庭裁判所である。
3.そうすると,調停を申し立てずにいきなり審判の申立をすれば,管轄地はこの住所地になる。よって,自庁処理の申立をしなくても,子と同居する親の住所地が管轄裁判所となり,相手方の居住地に申し立てなくてもよい。
4.仮に,家事審判法11条により調停に付されたものの,これにより管轄裁判所が変更されるものではない。
以上のように立論できると思います。ところが,ネットでこの件を調べると法律事務所のHPでも,このことを指摘しているところはなく,自庁処理の申立を行うアドバイスが大半です。
そこで,分からなくなったのが,家事審判規則52条の「婚姻の取消又は離婚の場合における」の解釈です。
これは,下記のような場合分けが考えられると思います。
1.離婚請求時においてのみと考えられる。
理由:人事訴訟法31条特例「家庭裁判所は,婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る婚姻の当事者間に成年に達しない子がある場合には,当該訴えに係る訴訟について,自庁処理及び移送の規定の適用にあたっては,その子の住所又は居所を考慮しなければならない」を見るまでもなく,「婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る」事件が係争しているときに限られるのであって,既に離婚が成立している場合を含まない。
2.離婚が成立していたとしても,養育費請求審判の管轄は子の住所地である。
3.離婚が成立した後に時間が経過したとしても初めて請求される養育費請求については家事審判規則52条が適応される。
この問題を考えるのに,立法時になぜ,「婚姻の取消又は離婚の場合における」と条件が付いたのか。この条件をどのように解釈すると良いのか?文献などを教えてください。