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兵士が戦死した場合の保険金は。

staratrasの回答

  • staratras
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回答No.5

現在もある大企業などの太平洋戦争中の状況を、その社史から拾い上げた「欲シガリマセン欲しがります」(井上ひさし・編 新潮社)という興味深い書籍があります。その中で「東京海上火災保険」については、「戦争保険」を118頁から121頁まで4ページにわたって採り上げています。 (以下引用:カッコ内は回答者の補足) …ところで、戦争による人的被害の補償もその必要性が叫ばれていたが、(昭和)十八年三月、戦争死亡傷害保険法が公布されて国家的な保険制度が確立された。保険者は生命保険会社と損害保険会社であり、損失填補の方法などは戦争保険の場合とほぼ同様であった。(戦争保険というのは陸上の建物などが戦闘行為に基づく火災や損壊で被害を受けた場合に補償されるもので、戦争保険に損失が生じた場合には政府がこれを填補することになっていて、経費の一部も政府が負担した)東京海上の戦争死亡傷害保険契約第一号は鈴木祥枝社長で、保険金額の最高限度五〇〇〇円が契約された。 …戦争死亡傷害保険も、他の戦争保険と同様、当初三年間は黒字であったが、保険金支払いが法律廃止後も引続いたので結果的には大きな損失を残した。(昭和)二十年十二月の引受停止までの収入保険料一億六〇〇〇万円、二十三年十月末現在の支払い保険金七億六五〇〇万円であった。(引用終わり) 「欲シガリマセン欲しがります」には「日本保険業史」から、陸上戦争保険の事業成績の一覧表も載せられていますが、空襲の激化に伴い昭和19年10月に始まる第4期から保険金の支払いが激増していて、全体では約463億円という巨額に達しています。昭和17年から昭和21年までの保険料収入は約6億4000万円しかなく、こちらの損失が極めて大きかったことがわかります。 現在の日本の生命保険の契約では「戦争などの変乱による死亡事故」は免責事項となっているものがほとんどでしょうから、「そもそも戦死した場合でも、保険金を支払うというような保険があったのか、疑問です。」という疑問が生じるのももっともですが、戦前の日本では一定の年齢に達した男子には兵役の義務があり、戦死のリスクが日常的に存在しました。「戦死しても保険金は支払いません」というのでは保険に入ろうとする人はいなくなってしまいます。 銃後の国民生活を安定させることも、国民の戦意を低下させないためには重要なことなので、「政府の鶴の一声で戦死は免責」にはできません。 なお、昭和17年の12月8日の読売新聞に「生死不明軍人の保険料 特別取扱ひ実施決定」という興味深い記事を見つけましたので添付します。実務上はさまざまな問題が生じていたことがわかります。

kouki-koureisya
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 戦死の場合でも契約どおりの保険金が支払われるということはよく分かりました。 新聞記事「生死不明軍人の保険料」は、生死不明の通知があればはっきりするまで保険料の払込みを延期する、ということですね。 昭和17年12月の記事ですから、戦局芳しくなく、生死不明のケースが多かったのでしょう。 >…戦争死亡傷害保険も、他の戦争保険と同様、当初三年間は黒字であったが、保険金支払いが法律廃止後も引続いたので結果的には大きな損失を残した。 >(昭和)二十年十二月の引受停止までの収入保険料一億六〇〇〇万円、二十三年十月末現在の支払い保険金七億六五〇〇万円であった。(引用終わり) 東京海上火災は、終戦後も戦争死亡傷害保険を引き受けていたのですね。 意外です。 昭和18年3月から「当初3年間は黒字」だったのですね。 >空襲の激化に伴い昭和19年10月に始まる第4期から保険金の支払いが激増していて、全体では約463億円という巨額に達しています。 「全体では約463億円」とは、生命保険会社全体が「戦争保険」の保険金として支払った総額という意味ですね。 簡易保険は入っていませんね。 保険金・見舞金が1件5千円として926万件です。 一般国民も含めてこんなに死傷者が出ていませんから、死亡保険金、傷害補償金以外に、解約返戻金も多数あったからでしょう。 数字は具体的でよく分かるのですが、意味するところを理解できないので、もう少し考えてみます。

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