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原始時代を知識だけで文明社会にするには何年かかる?

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  • phj
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回答No.10

めんどくさいので、1万年前でも持っていったパソコンはインターネットに接続できることにしましょう。つまり知識はそれなりに手に入るし写真や動画も見れるけど、現物は一切手に入らない、ということです。 1万年前の人類ということですから、日本で言えば縄文時代、世界的には新石器時代に入った頃であるとされています。ここから文明が生まれて文字が生まれるまでに大体5千年あるわけです。 となると、彼は文字を教えて記録できるようにし、言葉を整え、記録媒体(紙など)を作る状態まで持っていかないと、まず「文明」の基礎を作ることが出来ません。 また、彼は不死身でも教えられる側の人々の寿命は短いですし、食料だって安定的に確保できませんから、一世代に教えられる分量も、ものすごく少なく、また記録媒体がなければ、世代交代時にそれを記録して次の段階からスタートすることも難しくなります。 いやー、やることが膨大にありますね。 まずは「教育を受けられる状態」が必要になります。1万年前であれば、人々は毎日食事のためだけに労働する状態であったでしょう。ちょっとでも休めば、すぐに飢餓がまっています。 まず食料を安定的に供給し、労働をせず勉学に励める階級を作る必要があります。いわゆる貴族または宗教僧階級です。 で、これらの階級を作り出すためには、稲作など農業が必要になりますので、とにかく最初は「どうやって食料を大量に作り出すか」ということをしなければならないでしょう。 で、その食料ですが、1万年前当時では困ったことに「計画的な農業に適した作物品種」というのがありません。米は湿地に生えている雑草ですし、小麦はぺんぺん草程度のものです 縄文時代の三内丸山遺跡では、計画的に食料として栽培をしていたのはどんぐりであったと言われています。 彼がアジア人なら、東南アジアの2毛作、3毛作が出来るところで米の栽培を始めるのが手っ取り早いでしょう。 で、手取り足取りしながら田んぼを作り、3毛作が出来るようになるには何年かかるでしょうか?ちょっと分かりませんが、まあ100年かければなんとかなるでしょう。 これで、最低限勉強だけをする人が食べていける食料をつくることが出来るようになりました。 次は文字と言葉を教えていくのですが、多分農業を作っていく100年の間に、人々も言葉はしゃべれるようになると思います。私・あなた・彼・彼女などの主語から疑問形や命令形など、日常語が1000語ぐらい、農業用語などが1000語ぐらい後はその人の役割によって1000語ぐらいで2千から3千語ぐらい話せるようになるのではないでしょうか。 そして、米が取れると藁も取れるようになりますので、藁をよじりわらじや縄を作ることが出来るようになります。しかしまだ鉄器が作れませんので、以外に物は作れず、土器と藁縄と石器が中心でしょう。ただし、記録媒体としては、羊皮紙や粘土板を利用することで、すこしずつ「記録」という概念が出てくると思います。 記録することができるようになったら、天文学を始めましょう、これが後々の数学の基礎になっていきます。 また、別のグループで鉄を作ることにしましょう。 日本であれば、砂鉄を原料にできますが、東南アジアの砂鉄の原料として向かないようです。現インドネシアのボルネオあたりでは鉄が取れるので、そもそもそのあたりで農作をすべきだったのかもしれません。 いずれにしても、最初の製鉄は原料と木炭などを混ぜふいごで風を送る方法でしょう。しかし、縄があればふいごは動物の皮などを利用して作れるでしょうし、土器が作れれば炉はなんとか作れるでしょう。 こうして次の100年の間に段々製鉄の精度と鉄の高度が増してきて、彼暦200年ぐらいには、包丁やのこぎり、クワのような鉄器が出来上がるのではないでしょうか。 そして鉄器ができることでようやく、実用的な記録媒体である紙が作れるようになります。なぜなら紙を作るには紙漉きが必要だからです。紙漉きをするには板(木板)が必要です。木板がないと源流を入れる桶も漉き用の型枠も作ることができないからです。板を作るためには絶対的に鉄器が必要なのです。 さて、鉄器を手に入れると木板が作れるようになり、木板が作れると言うことは木材加工が容易になります。 これにより、たとえば蚕を使って糸車で糸を作るとか、機織機とか、大八車などが作れるようになりますが、鉄器ができて木材加工の精度や技術が成熟するのには100年とか200年ぐらいはかかるのではないでしょうか。 多めに見積もって彼暦400年には、古代エジプト初期の建築技術ぐらいはもっていて、木材を組み合わせたクレーンぐらいは使い、木材と素焼きレンガで階数のある建物を作ることができるようになっているでしょう。 ただ、原初から400年もたつと、相当に社会体制もかわり、制度をきちんとしないといけなくなるでしょう。農業技術や建築技術は一生かけてノウハウを蓄積し、次の世代に渡すものですから、専門の職人階級なども必要になります。彼がどのように社会をコントロールしていくか、段々むずかしくなっていくと思います。 さて、鉄器があって木材があれば、実際には相当なことができます。水車や風車を動力とする歯車を組み合わせた自動機械を作れるようになってくるでしょうから、そうなるとようやく「システム」の概念に行き着くようになります。 これで、大体1世紀ぐらいの古代ぐらいのレベルになったと思います。高々4百年か500年で、古代(古代ギリシャや古代エジプト)レベルになれるのであれば、相当に早いと思います。 ここから現代社会に至るまでは、いろんな技術のノウハウが集合していかないといけませんが、次に重要なのは「エネルギー」になります。 古代というのは実は結構文明的に発達しており、エジプト人やギリシャ人などは天文学を使って地球が丸いことも知っていたわけです。しかし、古代に森林伐採して使いすぎたため、特にヨーロッパは暗黒の中世を迎えることになり、一旦技術的な進歩が遅くなります。人類の進歩が急速に早まったのは、産業革命と前後して石炭が採掘され始めエネルギー問題が解決したからです。これが蒸気機関と相性がよかったため、20世紀初頭まで使われました。20世紀から21世紀にかけては石油の時代ですが、これは石炭を使った掘削機械などがなければ(それに使う鉄の配管なども含めて)石油の時代は来なかったといえます。 ですので、次にめざすのは森林エネルギーの脱却と石炭の開発です。 石炭が開発できれば、ボイラーを作り蒸気機関を利用できるようになります。ここまで100年ぐらいでしょうか、蒸気機関が出来れば工業化することができますので、鉄道の敷設や工業プラントの操業なども可能になるでしょう。 しかし、ここでまた社会的な変化が必要になります。最初、知識を普及させるために貴族層や宗教学習層を作り、次に専門家集団を作って、知を蓄積してきたのですが、工業化すると工場の操業のために太大量の人が必要になってくる、ということです。 これらの人は、最低限の知識と学力がないと、説明も読めないし危険なことをしないように学習することもできません。 そのため、今まで独占階級がしめていた知識を広くすべての人に公開する必要がでてきます。いわゆる学校制度の開始、ですが500年も続いた社会制度を変えるには、彼ひとりでは出来ないぐらい抵抗が大きいでしょう。この制度転換と国民の誕生に100年(4世代)ぐらいはかかるとおもいます。 さて、これでようやく広い知識と見識を共有でき、無数の頭脳のうちから天才的な頭脳を拾い出して、工業化を推進することができるようになります。 ここから戦争が無いかわりに彼の指導があって、200年ぐらいでiPhoneぐらいまでいけるのではないでしょうか。いやもうちょっとかかるかな?なぜなら、iPhoneを作るには世界各地にある希少金属類やそれを運ぶ船や飛行機それに無線通信などのインフラが必要だからです。 彼が一人で開発を始めたとして、500年後の社会規模はそれでも数千万人の人口規模でしょう。これを1億から3億ぐらいまで広げないと、船の操船技術者とか希土類を発掘する専門家などまでは生まれません。しかし、そういう人が必要になってくるからです。 たった700年で人口を3億まで広げるのはかなり難しい(遺伝的な要素もありますし、食料やエネルギーの問題もあります)ので後300年ぐらいはかかるぐらいなるかもしれません。 ということで、彼暦1000年ぐらいにはiPhoneが誕生しているかもしれませんし、2000年あればほぼいけるのではないか、と考えます。2000年かかるなら、先ほどの予定をすべて倍にして考えていただければいいと思います。 しかし、考えてみるに技術的な問題はそれほどたいしたことがなさそうです。実際に50年前まで未開の土人だった、各地の人々が今ではスマホを使いこなしていますから、単に最新技術に追いつくだけなら3世代あれば大丈夫なのでしょう。 しかし、iphoneほどの技術はそれを下支えする大きな「文明」があってこそです。文明を維持するには人口が必要ですし、そうなると彼暦300年ぐらいから先の彼の仕事は「社会的成熟をどのようにリードしていくか」のほうに重点を置く必要があるのかもしれません。 一人の人間が指導して解決できる人口規模はせいぜい5000万人ぐらいでしょう。逆に通信が発達してくると矛盾も大きくなって、独裁的な方式は無理になっていくと思います。 長くなりましたが、ざっくりとこんな感じだと思います。

nyamuo
質問者

お礼

オーバーテクノロジーの知識を持っていても、社会全体を進化させるためには実際の歴史と同じ道筋をたどる必要があるんですね 作物の品種改良スピードの問題、人口の問題など、知識だけでは解決できない問題もありながら、それを何年で克服していくか 非常に楽しいシミュレーションを読ませていただきました。 細やか、かつロジカルなご回答ありがとうございます!

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