nothing +後置修飾 so difficult but …ですが,わかりにくいのでとりあえず,
Nothing is so difficult but …と書き換えておきます。
さらに書き換えると,
Nothing is so difficult that it doesn’t become easy by practice.
(それが)慣れによって易しくならないほど難しいものは何もない。
この but は文語的な用法で,that 節内に not の意味を含んだような接続詞。
関係代名詞としても用いられます。
There is no rule but has exceptions.「例外のないルールはない」でおなじみ。
使い方としては前に no ~という否定語があり,
「ないものはない」と二重否定になる。
関係代名詞でも,今回の接続詞でも同じ。
今回は so that 構文「とても~なので…だ」
(直観的には「…するほど~だ」)に not を含んだ
「…しないほど~だ」で,nothing とあいまって
「…しないほどのものは何もない」
結局,it は nothing に含まれる「もの」のことです。
単語レベルでは nothing を受けているとしかいいようがありません。
ジーニアスに同じようなパターンとして
No man is so old but he may learn.
「学べないほど年をとった人はない」とあります。
この he は man のことです。
no man と分かれていれば he = man とわかりやすいですが,
nothing はこれで一語です。
実は nothing を it で受けることができるところに,日本人には永遠に理解できない
nothing とか,no 名詞の真の意味が隠されているともいえます。
日本語でいう「せざるべからず」のような古語と同じで,普通に用いられるものではありません。