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なぜ人から好かれると嬉しくなり、人から嫌われると悲しくなるのでしょうか

ruehasの回答

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  • ruehas
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回答No.5

こんにちは。 #3です。回答をお読み頂き、ありがとうございます。 まず、「1」に関する解釈はその通りで結構だと思います。では、「2」のご質問ですが、前回答と重複しますが、順を追って整理をします。 生後体験に従って我々の脳内に原因と結果の関係が学習されることを「条件付け」と言います。我々の脳内には、例えば「満腹=利益」、「苦痛=不利益」といった生物学的価値に対応する基本的な判定基準が遺伝情報として生まれながらに書き込まれています。ですが、生後環境において何が利益で何が不利益であるかは実際の体験を基にひとつひとつ学習してゆかなければなりません。この学習に必ず必要なのが「条件付け」です。 大脳辺縁系は環境からの入力を基に利益・不利益の判定を行い、情動反応を発生させます。この機能は生まれたときから使えるようになっていますが、ここにはまだ何が利益で何が不利益なのかは学習されていません。 身体に苦痛が発生しますと、痛覚はそれを「侵害刺激」と判定し、運動神経系に回避の指令を下し、与えられた状況に対処するため、末梢神経は自律中枢を介して一気に活性化されます。この緊急事態における急激な生理的変化は「ストレス」と判定され、その結果が辺縁系に学習されます。同時に、そのとき自分の身の周りに何が起こったかによってストレスの原因が特定され、これが条件付けされます。 このように、生得的な身体反応として発生した結果に与えられた状況が対応することを「条件付け」と言い、これによって反応の原因が学習されます。つまり、ここで条件付けが行われるのは、我々動物が与えられた生後環境において自分の利益・不利益を選別するためです。そして、辺縁系はこの判定を情動反応として行うため、学習結果は喜怒哀楽などの感情として再現されることになります。 我々は安全と危険を直接的に学習したのではありません。恐らくほとんどの人間が、生得的な生物学的基準を基に様々な生後体験を条件付けしてゆく過程でそこに「安心と不安」を学習し、結果的にはこれによって安全と危険に対処することができるようになるのだと思います。 恐怖という感情は実際に危険と遭遇しなければ発生しません。これに対しまして、不安といいますのは原因ではなく、「状況に対して発生する反応」であり、具体的な行動を選択する機能はありませんが、予測のできない不特定の事態に対処することができます。 では、我々はこの不安か恐怖のどちらかを体験しない限り安全を利益と判定することはできません。ならば、このまずこの不安が発生し、それが「安心に対する欲求」をして働くならば、これにより我々は、初めて自分の身の安全を守るための行動を選択することが可能となります。このような理由から我々の脳内ではそれが「欲求」として扱われるため、達成されるならば喜び、阻止されるならば悲しみという判定が下されることになります。 このような判定が対人関係に用いられるのには、やはり「幼年期の子育て」にたいへん大きな要因があると考えられます。 我々はみな子供のころ、母親からお乳をもらいオムツを交換してもらいました。このような利益・不利益が学習付けされてゆく過程で、母親の存在と不在は必然的に安心と不安に対応することになります。では、これは子育てを原則とする哺乳動物として生後学習の極めて初期の段階に必ず行われることであり、そして、これを学習する機会といいますのは全人類にほぼ均等に与えられます。このため、その結果、果たしてこれが我々の対人関係や社会行動の基準として用いられるのだと思います。 このようなことが群で暮らす動物や我々の社会の秩序や道徳を生み出しているというのはたいへん不思議なことに思われます。ですが、これに惑わされる必要はありません。「親和性」や「帰属性」といいますのは、社会がそれを我々に要求したために作られたのではありません。それは、我々が生後学習の結果に基づいてそれぞれの行動を選択することによって現れる「社会の性質」と考えれば良いと思います。

booter
質問者

お礼

わがままな質問にも関わらず、丁寧な回答を頂き大変恐縮です。 ありがとうございます。 私の中ではまだ下記の部分が消化できていないのですが、取り急ぎ御礼まで。 ・好かれる→利益判定→嬉しい  という例ですが、私なりに私の解釈を含めてまとめなおしますと、  人に肯定的に承認されるという行為  →人間は社会を構成する動物である。   生命存続の為に人間個体における他者による承認欲求がある。  →これを満たす。  →欲求が満たされたので嬉しくなる。  と言った所でしょうか。 しかし、幼年期の授乳(幼児からすれば「受」乳でしょうか)が承認欲求にやっぱり繋がるんだろうな(存在を承認されなければ授乳してくれない、など)、と漠然と思いつつも、本当にそうなのかな? という疑念がほんの少し残っています。 まだもやもやしているのでそれを言葉にする事はできませんが、元々の質問の方はほぼあらかたすっきりしました。 重ねて御礼申し上げます。有難う御座いました。

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