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関係代名詞の非制限用法について
関係代名詞に関して質問させていただきます。 次のような問題と解答があります。 問.次の二つの文を関係代名詞を用いて一つにせよ。 My only son often writes to me. He lives in New York now. 解答.My only son, who lives in New York now, often writes to me. → この問では、My only son を先行詞とする関係代名詞 who を、非制限用法で用いることが求められています。これは先行詞が特定の人物を指しているからだということは、よくわかります。この場合、初学者からは 「who の代わりに that を使ってはいけないのか?」という質問が出ますが、その場合、「that は非制限用法では用いないから」と答えるようにしています。 ところで、 This is the only paper that contains the news. 「これがそのニュースをのせている唯一の新聞だ。」 のように、先行詞にonlyがついている場合にthatを優先的に用いることはよく知られていますが、先ほどの私の解説を逆手にとって、「先行詞にonlyがついているのだから、関係代名詞は非制限用法にせねばならないのではないか。その場合、thatを非制限用法で使えない以上 which を使って、This is the only paper, which contains the news. と書き換える処置をすべきではないか」という意見が学生から出ました。 もちろん、学生が提案したこの文に対しては、the only paper がどんな意味で「唯一」なのかがわからないままにコンマが現れ、そこでいったん意味が途切れてしまうので、この文を読む者は奇異に感じるであろう、と答えることはできるかと思います。 しかし、この場合でも、「先行詞が唯一のものを指す場合に関係代名詞thatを優先的に用いる」というルールと「先行詞が特定できる場合に関係代名詞を制限用法で用いてはいけない」というルールとが両立することを説明するのに依然として苦慮します。 このようなケースにどのように対応すればよいでしょうか。少し長いですが、教えていただければたいへんありがたいです。
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<先行詞にonlyがついているのだから、関係代名詞は非制限用法にせねばならないのではないか。> という学生の言葉ですが、先行詞にonlyがついているからこそ制限用法なのですよ。と学生に言うべきです。 関係代名詞の制限的用法と非制限的用法の違いは、 制限的用法:関係代名詞などによってある特定のものに限定する場合 非制限的用法:付加的あるいは挿入的に説明したり修飾しありする場合 という区別があります。 制限用法は関係代名詞によって文字通り制限されているわけですから、関係節の方から訳します。一方非制限用法は、付加的な説明ですから、後から訳を付け加えます。 He had three sons who became doctors.「彼は医者になった3人の息子がいた」(制限用法)*弁護士になったもう1人の息子もいるかもしれないが、「医者になったのは」と制限している。 He had three sons, who became doctors.「彼は3人息子がいた。そして彼らは医者になった」(非制限用法)*息子は3人のみで、みな医者になったと、先に述べた文章のの説明を付加している。 さらに学生は<which を使って、This is the only paper, which contains the news. と書き換える処置をすべきではないか。>と言っているそうですが、それに対し「onlyとはどういう意味で唯一の新聞なのですか?そのニュースが載っている唯一の新聞でしょう?that節で制限・修飾し、そちらから訳さないとこの文は意味がおかしくなりますね。コンマ+whichは非制限用法になり、後から訳すと意味がおかしいですね」と学生に言えばいいのです。(これはkauty様も同様の返答を用意されているようですね。) <「先行詞が唯一のものを指す場合に関係代名詞thatを優先的に用いる」というルールと「先行詞が特定できる場合に関係代名詞を制限用法で用いてはいけない」というルールとが両立することを説明するのに依然として苦慮します。> とありますが、このルールは何かに書いてありましたか?説明が今ひとつ釈然としないのですが、、、、。 わかりやすく言い直すと、「先行詞が(関係詞で制限された)唯一のものを指す場合に関係代名詞thatを優先的に用いる」というルールと「先行詞が(関係詞で修飾されず独立したものとして)特定できる場合に関係代名詞を制限用法で用いてはいけない」と( )内の説明を付加した方がわかりやすいでしょう。 つまり、「唯一のものを指す」とは「関係詞で限定している」と言う意味で制限用法となり、「先行詞が特定できる」とは「関係詞で限定・修飾」しないで独立した(非制限の)名詞となっているという意味です。 My only son, who lives in New York now, often writes to me. で、<「who の代わりに that を使ってはいけないのか?」という質問>への回答は、「thatを使うと関係節で限定することになり、ニューヨークに住んでいる唯一の息子に対し、ロスアンゼルスに住んでいるもう1人の息子もいるかもしれないことになってしまいます。このonlyは特定の人物を指しているonlyではないのですよ。「たった1人の」という意味の単なる形容詞にすぎず、このmy only sonは「私の1人息子」という、独立した名詞句であって関係詞節で何ら限定・修飾されてはいないのです。ですから、制限用法のthatで制限するのではなく、非制限用法の「コンマ+who」でその1人息子の説明を付加することができるのです。」と答えればいいのです。 長々と失礼しましたが、ご理解いただけたでしょうか。不可解な点があれば遠慮なくご質問下さい。
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これは全くの蛇足ですが、少し気になったので書きます。 たとえば中学で出てくる「ever」は、 (1)「今までに」という意味 (2)現在完了形で用いる (3)疑問文で用いる (4)経験用法で用いる (5)現在分詞の前に置く という「ルール」があります。ただ、これを生徒の頭に入れる場合に、上記の(1)~(5)を「『ever』は『今までに』という意味で、現在完了形の経験用法の疑問文で用いて、過去分詞の前に置く」といった「ルール」として教えても、逆に頭に入りにくいはずです。この場合は、 ★Have you ever ~? ⇒ あなたは~したことがありますか を覚えさせれば、(1)~(5)がすべてこの中に入っているはずです。実際に英語を使う場合も、試験問題を解く場合も★のほうが(1)~(5)を日本語で覚えるよりも有効です。 >「先行詞が唯一のものを指す場合に関係代名詞thatを優先的に用いる」というルールと「先行詞が特定できる場合に関係代 >名詞を制限用法で用いてはい>けない」というルール この辺りの記述にkautyさんが上記の★よりも(1)~(5)に重きをおいているような気がしました。 私の勘違いかもしれませんし、むしろ帰納的に★を教えるよりも、演繹的に(1)~(5)をしっかり教えるべきという考えもあるので、参考程度にと思い書きました。では。
多くの生徒が「機械的」に頭に入れたがる傾向があるように思えます。そのような場合に、有効なルールを提示できれば問題はないのですが、今回のようにそれほど機械的に答えが出ない場合は苦慮すると思います。 私なら、このような場合は【意味が異なる】ということを説明して、学生に考えさせるようにします。つまり、最初の例もやや不自然になることに目をつむって、 (1)My only son, who lives in New York now, often writes to me. (2)My only son that[who] lives in New York now often writes to me. の2つの例文を示し、それぞれ (1)私の1人息子はニューヨークに住んでいるが、私によく手紙をよこす (2)私にはニューヨークに住んでいる息子が一人いるが、よく手紙をよこす と【意味が異なる】ことを説明します。この【意味の違い】が理解できない以上、説明的、あるいは演繹的に「先行詞が唯一ものを~」と言ってもわからないように思います。 これは蛇足ですが、私は形式の違いが意味の違いを造るのではなく、意味の違いがまずあって、その違いが重大であるからこそ形式を区別する必要があるのだと、基本的には考えています。したがって、「非制限用法」と「制限用法」の形式の違いよりも、その違いを必要とする意味の差を明確にすることのほうが先のように思います。まあ、「機械的」に処理したい学生にそれを伝えるのは至難の技ですが。
- Parismadam
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No.1です。No.1の回答の2行目の「先行詞にonlyがついているから」は「the onlyがついているから」に訂正して下さい。 下記の説明も追加します。 1.He is the only son that is a doctor.「彼は医者である唯一の息子だ」(制限) 2.He is my only son, who is a doctor.「彼は私の1人息子で、医者だ」(非制限) 1のonlyはthe only ~thatと関係詞で限定しています。それはtheという定冠詞で表されていることからわかります。「他にも息子がいるが医者ではない」という意味が言外にあります。 2のonlyは「私にとってたった一人の」という形容詞で、関係詞で限定・修飾していません。「娘はいるかもしれないが、息子は彼1人だけ」という意味が言外にあります。
お礼
Parismadam様、懇切丁寧かつ的確なご説明をありがとうございました。 私は、「先行詞が唯一のものを指す場合に関係代名詞thatを優先的に用いる」というルールと「先行詞が特定できる場合に関係代名詞を制限用法で用いてはいけない」というルールとの両立を問題にしましたが、正しくは、Parismadam様が定式化されたように、「先行詞が関係詞で制限された唯一のものを指す場合に関係代名詞thatを優先的に用いる」というルールと「先行詞が関係詞で修飾されず独立したものとして特定できる場合に関係代名詞を制限用法で用いてはいけない」というルールとして学生に提示せねばならないのですね。自分自身の理解不足があらわになった形でお恥ずかしいのですが、たいへん勉強になりました。 また、補足説明の中で挙げておられた、 1.He is the only son that is a doctor.「彼は医者である唯一の息子だ」(制限) 2.He is my only son, who is a doctor.「彼は私の1人息子で、医者だ」(非制限) という例文もわかりやすく、助かりました。これからも、なにとぞよろしくご指導下さい。
お礼
ありがとうございました。機械的に処理せず、「意味の違い」を理解させることの重要さを再認識いたしました。