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経済学の「限界費用」について

Y_Dの回答

  • Y_D
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回答No.5

補足要求に答えてくださり、どうもありがとうございます。 何がわかっていないのかがわからないとのこと、そうですね、はじめは何でもそうですよね。 思い悩むのを続けているうちに、疑問の中心が見えてきて霧が晴れてくることがありますから、ねばり強く考えてみてください。 さて、そのお役に立つかどうかわかりませんが、少しでも考える手がかりにでもなれば、ということでいくつかご説明してみましょう。 長くなりましたので、2つに分けてご説明します。 1.まず、「利潤を最大化する」ということについて考えてみましょうか。 例にならって、卵焼きの製造販売で考えてみましょう。 仮定 1.(ある決まった大きさや質の)卵焼きの価格は100円。 2.(全部での何個目かはわからないが)今、もう一つ作る費用は50円。 さて、この一つは作るべきでしょうか。これがこの卵焼き業者が直面している意思決定問題です。 ここで、作るか作らないか、という2つの選択肢が業者に何をもたらすかを整理してみましょう。 ●作れば儲けは50円増える。 ←→ 作らないなら儲けは増えない。 と、こういうことですね。他には一切の違いがないとしておきましょう。 この状況では、普通の判断では「作るべきだ」と考えるだろう、とミクロ経済理論では考えます。なぜなら、ミクロ経済理論は、「企業というものは、なるべく利潤を増やそうとするものだ」と見なしているからです。(利潤最大化仮説) なぜそう考えるのかと問われれば、ちょっと簡単には答えられないのですが、ミクロ経済学では、「通常、人間や企業は、何であれ、そうすることが自分にとって望ましいとわかっているならば、そうしようとするだろう」と考えるんですね。例えば、食品を選んでいる消費者なら、同じ価格ならまずいものよりおいしいものを選ぶだろうというように。企業であれば、営利組織ですから、1つ余計に作れば50円儲かる機会を(十分に知っているにもかかわらず)みすみす見逃すようなことは通常しないだろうと考えるわけです。 つまり、ミクロ経済学で最も基本となる考え方は、 「もう一つ作れば今より利潤が増える→こりゃ好都合だ→じゃあそうするよ」 ということなのです。 さて、この発想を繰り返すと、こうなります。 ●「あともう一つ追加」が更なる儲けを生む限り、生産量を増やし続ける (逆の場合なら「『あともう一つ減産』が儲けを生む限り、生産量を減らし続ける」) では「『あともう一つ追加』が更なる儲けを生む」とはどういう状況でしょうか。再び卵焼きの例に返ると、「あともう一つ」にかかる費用よりその販売収入が多いなら、その分儲けが増えるわけですよね。つまり、式で表せば、 「あともう一つ」にかかる費用 < 「あともう一つ」の販売収入 :儲け増える 「あともう一つ」にかかる費用を「限界費用」と呼ぶわけですから、それとペアで、「あともう一つ」の販売収入を「限界収入」と呼びましょう。すると、この式は、 限界費用 < 限界収入 :儲け増える ということです。したがって、 「限界収入が限界費用を上回る限り、企業は生産を増やすほうがトク」、逆に、 「限界収入が限界費用を下回るなら、企業は生産を減らすほうがトク」 ですね。 つまり、「限界費用 < 限界収入」の状態で生産量がとどまっているのであれば、その企業は儲ける機会を犠牲にしているわけですし、また「限界費用 > 限界収入」の状態で生産量が固定されているならば、直ちに減産するのが望ましいわけです。ということで、 ●企業が利潤を最大にできるのは「限界収入 = 限界費用」の場合だけ ということが分かります。今までの議論に「完全競争」などの市場の要素は全く入りませんでした。ということは、この定理は市場競争の状態とは無関係に成立するということです。完全競争市場であれ独占市場であれ、企業は「限界収入 = 限界費用」が成り立つように生産量を決めれば、儲けが最大になるというわけです。 ですから、「卵焼きが100円で売れた時、その内の50円は限界利益だ」というときに「企業がそんな世界の中、何故利潤を最大化するのか」に対する答えとしては、 1.「そんな世界の中」では企業は利潤をまだ最大化していない(儲け損なっている) または 2.「限界利益」が正だからこそ、企業は増産して利潤を高めようとするのだ ということになります。 (続く)

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