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昭和新山って大噴火してますか?

puni2の回答

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  • puni2
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回答No.4

こんにちは。以前,中学・高校で理科(地学)を教えていました。 本題に入る前に,前置きその1。 >短期間に隆起して忽然と現れた山だと記憶していますが、それと私の質問とはどう結び付けて考えたらよいのでしょうか。 No.1の回答は私も意味がよく分かりません。とりあえず気にしなくていいと思いますよ。 無理に解釈すれば,「新しい山なのだから,噴火過程は克明な記録が残っていて調べることが可能だ。あとは自分で調べろ」とでも言いたいのかなあ。 前置きその2。 火山の噴火の仕方とは別に,ご質問のタイトルの「昭和新山って大噴火してますか?」やNo.1の記述中の「粘り気の強いマグマからなる火山は激しい噴火をする。例、昭和新山」という書き方には違和感を覚えます(時々見かける書き方ではありますが)。 火山活動を論じる場合,昭和新山も明治新山も,大きく「有珠山(有珠火山)」という火山体の一部ととらえたほうがよいと思います。 したがって,こういう場合に例としてあげる火山名は「有珠山」,あるいは1943~45年の活動に絞りたいときは「有珠山(昭和新山)」としたいところです。 まあ,半分は好みの問題ですが。 さて,本題です。 マグマの粘性が低いと,ハワイやアイスランドのような,溶岩がよく流れる噴火のタイプになりますので,それに比べれば,日本のほとんどの火山は「激しい噴火」と言えると思います。 ただ,その日本の火山の中でお互いに比較したとき,安山岩質マグマよりデイサイト質や流紋岩質マグマの方が果たして「激しい」と言えるか…というと,なかなか微妙だと思います。 (中学ではデイサイトという区分は出てきませんが,安山岩と流紋岩の中間に位置すると考えて下さい) まず,「激しい」という言葉に曖昧さがあります。 たとえば,昔よく理科の資料集に1971年の秋田駒ヶ岳の噴火の写真が載っていましたが(あるいは教科書によく出てくる1986年伊豆大島でもよい),夜空に赤い放物線を描いて次々とマグマが空中に放出されつつ,火口の周りにも溶岩があふれてくるようなタイプの噴火(主に玄武岩質)と,あまり噴石を周りにとばさずにじわじわと溶岩ドームが盛り上がってくる噴火(主にデイサイト・流紋岩質)とでは,どちらが激しいかと聞かれれば,かなり主観の問題になってしまうでしょう。 また,2000年から続いている三宅島の噴火のように,大量の火山ガスを放出するタイプを激しいと言うこともできるかも知れません。 しかし,一般的に,噴火の様式について議論しているときは,「噴煙を上空高く噴き上げたり,遠くまで火山砕屑物をとばすなど,爆発的な噴火になることが多い」ものを「激しい噴火」と呼ぶことが多いようです。 そこで,以下では「激しい」と言わずに「爆発的な噴火」と呼ぶことにしましょう。 噴火が爆発的になるかどうかは,マグマの粘性だけでなく,マグマ中に含まれている揮発性成分(水蒸気などの火山ガスと考えてよいでしょう)の多い少ないにも左右されます。 揮発性成分が多ければ爆発的になります。 さて,本題中の本題,“安山岩質マグマからなる他の多くの火山が噴火した場合と比較して、「激しい噴火」といえるのかなあ”というご質問ですが,正直言って難しいところですね。 ただ,耳目に新しい浅間山をはじめ,雲仙や有珠山,毎日のように噴火している桜島などは,基本はデイサイト質のマグマです。 したがって,ご質問の内容を検討するためには,「本物の」安山岩質マグマの火山の噴火様式を調べる必要があります。 もっとも,一つの火山のマグマの成分が一定と言うことはまずなく,極端な話,阿蘇火山の溶岩は流紋岩から玄武岩までありますが,一応,安山岩が中心と言っていいでしょう。 そこで,安山岩をメインとする火山,たとえば那須火山とか阿蘇火山の噴火の様子はというと,これが結構爆発的だったりするのですね。 有珠も浅間も那須も,水蒸気爆発で始まって噴煙を高く噴き上げ,時々火砕流を出すこともあり,最後は粘性のある溶岩が出てきて終わるというパターンが多いようです。 そんなわけで,一応の結論としては,「粘りけの強いマグマ」を「安山岩からデイサイトを経て流紋岩まで」と広くとらえるのであれば,玄武岩質マグマに比べると「激しい(爆発的な)噴火」と言っていいと思います。 しかし,その中でさらに「安山岩~デイサイト~流紋岩」と変化するに連れて,爆発度もきれいに高くなっていくかというと,そう単純ではなさそうです。 おそらく,揮発成分の量や,水環境の影響(地下水と接触したり地下水が間接的に温められると爆発的になる。海水でも同じ)などが大きく関わってくるのでしょう。 なお,火山噴火の各種の様式については,こちら 「火山における災害現象」(千葉達朗さん) http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/civil/p2/volcanic_disaster.html の表1.3を,また,昭和新山を形成した有珠山の噴火の推移については(いずれも簡単ですが) 「有珠火山における過去の噴火の推移の例」 http://staff.aist.go.jp/a.tomiya/usu/suii.html 「有珠山噴火と地震活動」 http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/naifuru/vol20/v20p4.html が参考になろうかと思います。 (参考URL欄には字数の関係で前の2つのみ掲載) この様子からすると,1943年~45年の有珠山の噴火活動は(私の感覚では)十分爆発的だったと言っていいと思います。少なくとも,「溶岩ドームだけがじわじわと盛り上がってできた」というようなものではありません。 大変長くなってしまって申し訳ありません。

参考URL:
http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/civil/p2/volcanic_disaster.html,http://staff.aist.go.jp/a.tomiya/usu/suii.html
youichi0131
質問者

お礼

入試問題では浅間山や桜島は富士山と並んで代表的な安山岩質マグマの例としてでてくるし、有珠山も普賢岳も安山岩質マグマにちかい流紋岩質マグマだと書かれたものを見た記憶もあります。そうだと思っていましたが、そうではない、もしくはそうも言い切れないようですね。 その他にも私自身も知らなかったことを多く教えていただき、随分勉強になりました。感謝いたします。 中学では、事実とは違っても今はこのように教えてたほうがよいということがたくさんあるのはわかるのですが、このことに関してはちょっと荒っぽすぎるように思います。

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