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昭和新山って大噴火してますか?

pikakuwaの回答

  • pikakuwa
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回答No.7

専門ですが、これはかなり回答が面倒な質問です。 「激しい噴火」と「爆発的な噴火」は同義にできません。明確に区別されます。 まず最初に、火山噴火は次のように分けられます。A,Bともマグマの組成・粘り気と関係なく発生します。 A.爆発的噴火 マグマがバラバラの粒子になって吹き出す噴火。噴煙、溶岩噴泉、火砕流、火砕サージなどを生じる噴火。 B. 非爆発的噴火 マグマがバラバラにならず、一続きの流体として流出する噴火。つまり溶岩。 Bの噴火の場合、SiO2が少ない玄武岩マグマではさらさら流れて薄く広がり、SiO2が多い流紋岩・デイサイトマグマでは粘り気が高くて流れにくく、溶岩ドームになることがあります。中学の理科で教えている「激しい噴火」というのは、BではなくAの噴火についてのみ言っているはずです。 確かに「激しい」という表現は曖昧です。噴火の大きさ表すには、様々観点で表現できます。噴出したマグマの量、噴出率、降灰分布面積、爆風圧力、爆発性など、色々な量で表すことができます。どれをとっても大きい値なら、「激しい噴火」と言っても差し支えないでしょう。中学理科で「激しい噴火」と言っているのは、おそらく元々は以下のようなことを表していたのでしょう。 ・プリニー式・ウルトラプリニー式噴火:デイサイト・流紋岩マグマでよく発生する爆発的噴火。噴出マグマ量、降灰分布面積、爆発性ともに大きい(激しい噴火)。例:ピナツボ1991噴火。 ・ハワイ式・ストロンボリ式噴火:玄武岩マグマでよく発生する爆発的噴火。噴出マグマ量、降灰分布、爆発性とも小さい(穏やかな噴火)。例:伊豆大島1986噴火。 ここまでは、中学理科での説明は言葉足らずとはいえ大枠として間違っていないことがわかります。しかし皆さんお気づきのとおり、色々な問題があります。 まず、普賢岳火砕流の問題。 普賢岳溶岩ドーム平成新山は非爆発的噴火で形成したものです。そこからの重力崩壊により火砕流が発生したので、上のA,Bの分類は難しいです。単純に爆発的噴火といえないので、激しさの比較も無意味です。ピナツボの爆発的噴火で発生した火砕流は、もっと規模が大きいです。 マグマ水蒸気爆発の問題。 爆発的噴火が発生する原因は二つあります。 1.マグマ中のガス成分が減圧によってマグマ中に溶けきれなくなり、マグマが発泡して爆発する。ビール瓶を振って蓋を抜いたときの発泡と同じ現象です。マグマ爆発と呼びます。 2.マグマと水が接触することによって爆発する。これをマグマ水蒸気爆発と呼びます。 上に挙げたプリニー式~ストロンボリ式噴火は、マグマ爆発です。 マグマ水蒸気爆発の場合、噴出量や降灰分布面積が小さくても爆発性が極めて高い場合もあります(スルツェイ式噴火などと呼ばれる噴火)。このような場合、「激しい噴火」と言って良いのかわかりにくいですよね。 補足ですが、「爆発性(explosiveness)」は、どれほどマグマが細かく砕かれるかで計ります。 例えば一枚のガラス板があるとします。小さなエネルギーで破壊すると、数枚の破片にしかなりませんが、大きなエネルギーで破壊すると、数十、数百個の細かい破片に砕かれますよね。 他にもわかりにくい点があるかと思いますので、ご指摘ください。

youichi0131
質問者

お礼

puni2さんにも指摘されましたが「激しい噴火」は、やはり曖昧ないいかたですよね。(同様に穏やかな噴火も)使うときには注意したいと思います。 爆発的とは、さいせつ物が飛び出す噴火。非爆発的とは溶岩が流れ出す噴火。(または盛り上がるだけの状態)と解釈すればよいのですね。 規模は無関係ということで、5番の方がおっしゃっていた昭和新山の噴火はたとえ小規模なものであっても(詳しく調べていないのですが)爆発的だといえるし、三宅島のように長期間の避難を余儀なくされるような噴火(アイスランドではもっと激しく溶岩が噴出しているようですが)であっても非爆発的(中学理科では穏やかな噴火)ということになる訳ですね。 安山岩質マグマではそれが交互に起こりやすいということでよいでしょうか。 それにしても、溶岩の粘り気と噴火の様子や火山の形を3分割の表で示す今の中学理科の指導はやはりおかしいですよね。 例えば三原山や三宅島が実は成層火山と一般にはよばれていることや富士山が実は玄武岩質マグマからなることもpuni2さんに教えていただきはじめて知りました。 ありがとうございます。大変勉強になりました。

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