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「慣性力」を”見かけの力”と定義しているのは何故?

ddtddtddtの回答

  • ddtddtddt
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回答No.4

 #3です。 >弾性係数と摩擦係数は同じのまま梁の質量だけ変えると,振動加速度が変わりますよね.質量が大きくなるほど加速度は小さくなる(√k/mが小さくなる)と思います.これは,質量を大きくするとそれだけ,加速に対する抵抗力が大きくなるためだといえます.そうすると,やはり,弾性および摩擦とは関係のない何かの力,かつ質量の大きさや加速度と関係している加速の方向とは逆の何かの力が働いているはずで,それが慣性力ではないでしょうか?  まず普通の答えをいいます。梁や棒だと偏微分記号がわずらわしいので、重力下で振動するバネにします。運動方程式は、   mx"+kx=mg  (1)  mはバネにつながれた重りの質量,kはバネ定数,xは重力方向の座標です。(1)の両辺をmで割ると(微分方程式の正規化)、   x"+(k/m)x=g  (2)  √(k/m)は振動の角速度で、確かにmが大きくなるほど振動は遅くなりますが、普通は正規化したバネ定数k/mが、mが重いほど相対的に弱くなったからだと解釈します。同じ弾性力kxをかけても、重いmほど動きにくいよね?という論理です。従ってご質問の趣旨は、同一の力Fを2つの質量にかけた時、重い方には加速度を減らすような加速に抵抗するような、F以外の力が作用するのか?という話につながってしまうと思うんです。   ma=F  (3) は観測事実です。m<Mとして、同じ力FをMにかけた時、Mの加速度も本来aであるところが慣性抵抗のために、a'まで減少したとすれば、   Ma-Ma'=M(a-a') ですので、運動方程式(3)を信じる限り、M(a-a')の未知の力が働いているという事になります。   Ma'=F-M(a-a')  (4)  この慣性抵抗力M(a-a')は、気づかぬうちに(自動的に?)に働きます。まるでダークエネルギーの斥力のように(^^;)。で、(3),(4)の関係をちょっといじるとわかりますが、運動方程式(3)を信じる限り、この慣性抵抗力は観測できない力だとわかります。しかしだからと言ってオッカムの剃刀やマッハを持ち出して、「無意味だ!」と野暮な事は申しません。あるいはそうかも知れないからです。現在の物理は、目にも見えないし手でも触れないし重さがあるのかないのかさえ不明な、ダークエネルギーみたいなものまで認めようとしてるからです。ダークマターについては、いちおう質量と重力相互作用はあるみたいだ、という観測結果があるみたいですが。  (4)を認めた場合に問題になるのは、慣性抵抗力M(a-a')の発生源です。ピンと来ないかも知れませんが、力学において力の発生源というのは力学の根本に関わる問題です。そしてどうしても慣性基準系の話になってしまいます。慣性系の話を始めると長くなるので避けてきたのですが・・・。  ランダウの力学の冒頭にこうあります。運動方程式の正しい形は、慣性基準系でしか成立しない。では慣性基準系(慣性系)とは何かというと、自由粒子が等速直線運動する観測座標の事です。自由粒子とは力を受けない質点の事です。まとめるとニュートンの第1法則です。そうなんですがランダウを良く読むと、自由粒子とは慣性系で等速直線運動する質点の事だ、という定義が隠れているんですよ。慣性系と自由粒子の定義が論理的に循環してるんです。数学ならば、これでもいちおうOKです。公理論的に言えば、内部矛盾さえしなければ良いからです。しかし物理はそうは行きません。物理は現実を扱います。慣性系と自由粒子の定義を現実に対応させる必要があります。それが次の(隠れた)経験事実です。   ・力のある無しは、経験的に判定できるはずだ。  (5)  例えば弾性力は、物体内に微小なバネを想定し、その伸び縮みの結果として説明されます。摩擦力はミクロの機構はさておき、マクロ的には速度差のある物体間には、「こすれる」という接触力が発生するとして説明されます。圧力は、気体の分子運動の衝突の結果です。重力は何故かは究極的にはわかっていませんが、とにかく大質量があると、その周囲には引力が生じるという観測結果があります。力は常に、その発生源が特定されてきました。  いま慣性基準系があったとして、そこで、   ma=F  (6) が成り立ったとします。慣性系における運動方程式だけが正しいとすると、その力Fの発生源は、上記で述べた原因しかないはずです。  しかし観測する座標は人間の勝手ですから、慣性系に対して加速度bで運いてるような加速度系を選ぶ事も可能です。加速度bの加速度観測系でのmの加速度は、相対加速度a'=a-bに見えるはずです。a=a'+b。よって慣性系での運動方程式は(6)が正しいとすれば、   ma=m(a'+b)=F  (7) です。特に加速度系が、慣性系で加速度aの運動をする物体に張り付いた観測座標系だとすれば、b=aですから(7)より、   ma'=F-ma  しかも加速度aの運動をする物体に張り付いた観測座標系なので、a'=0です。従って、   F-ma=0 です。このとき慣性力-maは、発生源を持つ力でしょうか?。自分には、どうしてもそうは思えません。加速度観測系で運動を調べた結果現れた、「見かけの力」と判断します。要するに幾何学的拘束条件から現れた、仮想の力です。だって-maの発生源はないと思えるんだもの(^^;)。  ここでガンダムを持ち出すとけっこう怒られるのですが(^^;)、スペースコロニーが自転することによって生じる人工重力(遠心力)は、はたして発生源(発生質量)を持つ力でしょうか?。それは現実に作用する力なので存在しますが、スペースコロニーの外側に帯状の質量帯があって、それを発生源とする力じゃないですよね?。あくまでアムロ君の足元とスペースコロニーとの「接触力」によって、アムロ君が重力と勘違いしてる慣性力です。

octopass
質問者

お礼

詳しい解説を頂きまして大変ありがとうございます.すべて読ませて頂きました.つまり,「慣性力というものがあるとしても,その発生源は何なのかわからないよね.発生源がよくわかっていないものは力と定義できなから,慣性力というのは実際には発生していない力だよね」というご主張でしょうか?確かに,力の定義を満たす必要条件が「発生源がわかっているもの」とするならば,確かに力ではありませんが,ただ,感覚的に見かけの力だとはどうしても思えません(笑)やっぱり,発生源がわかっていないと,力といってはいけないもんでしょうか?...

octopass
質問者

補足

お礼コメントの続きです. 調べたところ,ニュートン自身は,慣性力に相当する力を実在のものとしてプリンキピア内で説明しているようです.下記の原著論文に書かれていました. ・溝口ほか,力と運動に関する因果推論理論,人工知能学会論文誌,31巻4号2016 「慣性力を実在の力として捉えた上で力について説明しようという試みはこれまでにも種々行われている.そもそもプリンキピアでは,その定義3において「物質の固有力」という言葉によって慣性力に相当する力を実在のものとして説明しているのは良く知られた事実である.」

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