「雇用者報酬」は誤訳!
最近harada08さんが
http://okwave.jp/qa/q9037821.html
で、「国民所得の分配の統計をみると「雇用者報酬」というのがありますが、 これは 具体的には個人事業の雇い主という意味ですか」という質問をしていますが、これはもっともな質問です。この質問への回答者さんが正しく回答していますが、一点だけ付け加えさせていただくと以下のようになります。雇用者報酬は英語(原語)では、employees' compensationと言いいますが、これを正しく日本語にすれば、「被雇用者報酬」となり、「会社の従業員の所得」のことです。英語の辞書を引いて、employerとemployeeを調べてご覧なさい。前者のemployerは、「雇用者、雇い主、使用者」とあり、後者employeeは「被雇用者、従業員」とあります。日本が、戦後、国民所得統計を導入するとき、employees' compensationのemployeeを「被雇用者」ではなく、「雇用者」と誤訳してしまって、employees' compensationを「雇用者報酬(所得)」と呼ぶことが定着してしまって、いまさら訂正できなくなってしまったのです。したがって、経済学の翻訳書を見ても、国民所得統計関連以外では、employerは本来の訳語通り「雇用者」と訳している本が多いので、「雇用者」とあっても、雇用される人ではなく、雇用する側、つまり雇い主なので、混同しないでいただきたい。employerとemployeeを混同するなんて、ひどい誤訳ですが、この欄は回答する場ではなく、質問する場なので、最後に質問。このように誤訳が定着してしまった経済用語はほかにあるでしょうか、あったら挙げてみてください。
お礼
明確でわかりやすいご説明感謝いたします。