• ベストアンサー
※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:リルケについて …その(2))

リルケの訳者で有名な堀口大學について

ghostbusterの回答

  • ベストアンサー
回答No.1

わたしが回答して良いのかどうか迷ったのですが。 > 『月下の一群』にリルケの訳詩が入っていますでしょうか。 川村二郎と池内紀の共著で『翻訳の日本語』(中公文庫)という大変おもしろい本があります。そこに、堀口大學の訳業が列挙してあるのですが、そこにはフランスの詩人・作家の作品が並んでいます。そうして『月下の一群』には、フランス近代詩人六十六人の作品三百四十篇が収められている、とあります。 そのほかのアンソロジーも、ヴァレリーの詩をタイトルにした『檳榔樹』や処女訳詩集である『昨日の花』にしてもすべてがフランスの詩人の詩ですので、リルケの訳詩がどこかに含まれているとは考えにくいのではないでしょうか。 さて、質問者さんの本来の問題意識、「詩の翻訳は誰がうまいか」というのは、リルケにかぎらず非常に大きな問題で、同時に、永遠に答えの出ない問題ではあるまいかと思われるのです。つまり、みずからが詩人でもある訳詩者の手による文学性の高い「芸術的な訳」か「正確な訳」か。 窪田般彌は『一切合財みな煙』という本の中で、堀口大學、日夏耿之介らのことを「訳詩に魅せられた詩人たち」として、彼らの翻訳が「単なる翻訳者や語学者」の翻訳と異なり、どれほどすばらしいものであったか、と書いているのですが、今日ではいわゆる「名訳」というのはほとんど志向されなくなっており、「できるだけ正確に読む」「原意を損なわないよう努める」という傾向が強くなっています。つまり、質問者さんのおっしゃる「うまい」訳というのは、時代が新しくなればなるほど志向されていない。 では、詩の良さなんていうものは伝わらないではないか、ということにもなるのですが、そこでまたベンヤミンの『翻訳者の使命』では「自国語を多国語によってはげしく揺り動かす」とかなんとかいろいろいわれていて、まあほんとうに頭の痛くなるところです。 『翻訳の日本語』の中には 「翻訳をする者の大かたが、窮屈に、また半ば不本意に、異国語のなかに住みつくのに対して、堀口大学はその必要のなかった者だ。彼は二国語間の荒蕪地を実り豊かな畑とするすべをこころえていた」(池内紀 p.376) なんていう箇所があって、ある意味、そんな時代に、そんな環境に生を受けた堀口大學がうらやましくなってくるのですが、多くの翻訳者は辞書を片手に「窮屈に、また半ば不本意に、異国語のなかに住みつ」いているのだと思います。 ただ、詩ほど翻訳によって姿を変えるものもないわけで、あくまで読者として言うなら、好きな訳者の好きな訳詩を楽しみ、折に触れて暗唱すればよいのではないかと思います。 リルケに関しては、もちろん手塚富雄や片山敏彦が有名でしょうが、茅野蕭々は読んでおいた方がいいかもしれません。 「茅野蕭々のリルケが、堀辰雄や立原道造の心をそそり立てたことも、文学の場での翻訳のアクチュアルな寄与の一つとして、記憶にとどめられてしかるべきだろう」(川村二郎 前掲書p.190) 以上、少しでも参考になれば幸いです。

phytoalexin
質問者

お礼

どうもありがとうございました。

phytoalexin
質問者

補足

 原意を損なわない訳は小説や哲学書だけかと思っていましたが、詩でも そうでしたか。 どのような詩が出来ているのでしょうね。 無論、リルケの詩も、私がわざわざ中古で購入した訳詩と かなり違っているのでしょうか。 比較してみるのも面白そうですが、 私には、とてもそのような才能や意欲はありません・・・ 茅野氏は有名ですが、後の名前の字を調べるのが面倒だったので省きました。  とにかく、非常に豊富な知識を教えていただき、大変感謝しております。 ただ、私の場合、馬の耳に念仏、豚に真珠の無知な人間ですので、 あなたのご回答が広く他の人達の滋養になれば、私も嬉しく思います。  本当にどうもありがとうございました。

関連するQ&A

  • 今(主婦になり)、読書する意味。

    昔は、文学少女でした。自分では、文学というものに、常に違和感を感じてはいたものの、他人(国語の先生とかに。。。)認められる文学少女でした。 通学途中の暗記は、月下の一群から、宮沢賢治等、手当たり次第、暗記もしてました。それにもかかわらず、文学は私にとっては、つまらない学問で、 大学等で専攻するに足るものではなかった、、むしろ、現実の、歴史とか そういうものへの要求が強かったのです。(暇だからしていただけ。) 今、これといった職業もなく、主婦になり、子育てしていて、読むのは 実用書(園芸とか趣味の)です。そんな大人を昔は、ずいぶん、ばかにしていた気がします(親が、読書なぞしない人だったので)でも今、私は、 読書する意義がみつかりません。歴史も、子育ての本も、文学はもちろんの事、、育児に迷いがないわけではないけど、人の事には興味がない、、 という感じになってしまってます。。今、このような状態で、もう生きていくのか、むなしい気がします。。 これはこれで、大人になったっていう事なのでしょうか? 子供もいる方で、読書したり、架空の学問に興味をもって、書物を探したりされている方、その意義をおしえてください。。今も、相変わらず、暇です。

  • 文学部(日本文学)について(特に立命館大学)

    はじめまして、himeraraと申します。 今立命館大学への進学を目標にしようと考えているのですが、学部について悩んでいます。 昔から国語に興味があり、日本文学を専攻したいと思っているのですが、文学部は就職に不利だと聞きました。 似たような質問の回答も拝見させていただきましたが、私の中では解決できなかったので質問をさせていただきたいと思います。 箇条書きにしますと 1、日本文学専攻の内容(具体的だとうれしいです) 2、なぜ文学部は一般に不利と言われるのか 3、文学部(特に日本文学)から考えられる就職先 です。 よろしくおねがいします。特に立命館大学関係だと助かります。

  • リルケ

    リルケの詩で 今は宿している雲のために空であらねばならぬ人 というのがあったと思うんですが、題名がわからないので、おしえてください。

  • 合格した大学の進学先について、迷っています。

    この度、有難くも上智大学文学部史学科と、早稲田大学文化構想学部同学科に合格を頂きました。 そして現在、どちらの大学へ進むべきか悩んでいる次第です。 実を言えば、本命は慶応大学文学部並びに早稲田大学文学部同学科だったのですが、 どちらも見事に落とされてしまい、かなり迷っています。 進学後は、史学を専攻したいと思っているのですが、 出来れば史学以外にも、幅広く学べたらいいなあと欲張りながら考えています。 史学も、西洋史やアジア史など興味が尽きなくて……。 しかし、両親の意向もあって、上智大学の方にはもう入学金を支払ってしまっているので、 お金は無駄にしたくないという気持ちもあります。 (余談ですが、私の家はあまり経済的には恵まれていない家庭なので。) ここへ質問させて頂く前に、色々と他の人の質問等も拝見してはみたのですが、 どうにも早慶の評価ばかりが目立っていて、上智の文学部についてはあまり詳しい評価が見つからなかったので、改めてここに書き込むことにしました。 何卒よろしくお願いします。

  • リルケの詩で

    リルケの詩で、「いま家を建てない人は、一生家を建てないでしょう」というようなのがあったと記憶しているのですが、題名がわかったら教えて下さい。

  • リルケの詩を訳すのが上手いのは誰ですか

    下のリルケの詩を訳したのは、高安国世氏です。 非常に平易に訳されていますが、リルケの翻訳家なら、この人という著名人を教えて下さい。   「恋歌」 私は私の心をどのように保てばいいのでしょう、 私の心があなたの心に触れないようにしておくには? どうしてあなたの向こう側にある物らに私の心を届かせたらいいのでしょう。 ああ、この心をどこか暗闇にまぎれて立っている 何かの物の蔭に匿してしまえばいいのですが、 あなたの心の奥底でふるえるものが、すぐ伝わらないどこか見知らぬ、ひそかな場所に。 しかし私たちに触れるすべての物は、 すぐ私たち、あなたと私とを一つに結び合わせてしまうのです、 二つの絃から一つの音を引き出す ヴァイオリンの弓にも似て。 どのような楽器に私たちは張られた絃なのでしょう、 どんな奏者が私たちをひいているのでしょう。 ああ美しいうた。

  • リルケのことば

    リルケのことばに 「本物の詩(ことば?)には静寂がある」 というようなくだりが有ったように記憶していますが どこだったかちっとも探し当たりません。 ご存じの方いらっしゃいましたら教えてください。 よろしくお願いします。

  • リルケの詩について

    ドイツの詩人リルケのこの詩はどの本に収められていますか?? おののくに先立ちて ひたすらに聴き入りて 静かなり 沈黙の中に 吾は繁りて あまたなる梢もて 花咲かんとす ものみなとリズムなして 舞い狂い歌わんがため

  • 津田塾と立教

    こんにちは。いつもお世話になってます。 私は津田塾の英文と国際関係と、 立教の英文を受験したのですが、津田塾大学の英文学科と国際関係学科に合格しました。 立教の合格発表はまだです。 みなさんに、お聞きしたいのですが、津田塾と立教のどちらに進学した方がいいと思いますか? 津田塾の振込み〆切と、立教の合格発表が同じ日なので、あまり悩んでいる時間はありません。 同じ質問をしている方々がいたので、 拝見させていただいたのですが、どの回答者の方も意見がバラバラで… 女子大に偏見を持つ方、マーチに偏見を持つ方は回答していただかなくて結構です。 私が特に重視する点は、 ・就職率 ・イメージ ・ビジネスで使えるほどの英語が身につくか の3点です。 女子大か共学かは気にしません。もし体が二つあるならどちらにも行きたいです…どちらも素晴らしい大学ですから… 回答お待ちしています。

  • 学生時代頑張ったこと

    こんにちは。 現在就職活動中の大学3年生女です。 本日はどうぞよろしくお願い致します。 現在エントリーシートや履歴書を書いているのですが、 学生時代頑張ったことというのは定番のように聞かれることだと思います。 他の質問等も拝見させていただきましたが、やはり高校時代のことを 書くのはあまりよくないという意見もございました。 しかし、私は高校時代のことをアピールしたいので高校時代の頑張ったことを 書くことが多いです。 私事にはなりますが、私は父の仕事の都合で、高校時代を海外で3年間過ごし、現地の高校に通いました。 そこでは、通常4年間で卒業する高校を1年間飛び級し、3年間で卒業しました。 そして、17歳で大学に入学しました。一般的な方より1年早く、つまり高校3年生の 年齢で大学入学致しました。 大学時代では、スポーツ系のサークルや事務のアルバイトなど一応話せることはあるのですが、 正直こちらを強くアピールしても他の方と差別化できず、埋もれてしまうかなと考えております。 現在も英文学科で勉強しており、将来は英語が生かせるお仕事(商社や航空会社など)に就きたいと思っておりますので、アピールするなら海外経験ではないかと迷っております。 OBの方に添削をお願いした際にも、大学時代のサークルのことではなく、せっかく人と違うこと したのだから、もっと海外経験のことを前に出しなさいともったいない、とアドバイスをいただきました。 長文になりましたが、皆様はどう思われますか? 高校時代の話を前に出すか、大した経験はないが大学時代のことを書くか・・・ お忙しいとは存じますが、何卒よろしくお願い致します。