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高校化学
高校化学の問題ですが、どうしてもわかりません。 わかる方わかり易く教えてもらえませんか。 問題 次の文章を読み、問い1~問い5に答えなさい。 試薬AのラベルにはC2H6NO2ClとNa2SO4の混合物と記入されていた。この試薬に含まれるC2H6NO2Clが何であるか確かめるために、実験(a)と(b)を行った。 (a) 試薬Aの水溶液にAgNO3水溶液を加えると白濁した。 (b) 中和滴定実験を下記のように行った。 50.0gの試薬Aをメスフラスコに入れ、水を加えて100mlとした。ここから、ホールピペットを用いて4mlをビーカーに入れ、1.00mol/LのKCl水溶液4mL、水32mLを加えた後、pH電極をセットし、かき混ぜながら、ヴュレットか ら0.100mol/LのKOH水溶液を加え、滴下量とpHをそのつど記録した。横軸が滴下量、縦軸がpHのグラフを作成した ところ、下記の滴定曲線Xが得られた。同様にして、ある濃度の塩酸の滴定曲線Yを得た。 問1 実験(a)で白濁した化合物は何か、化学式で答えなさい。 問2 実験(a)と(b)の結果から考えられる化合物C2H6NO2Clの構造式を記入しなさい。また、その理由を100字以内で記 入しなさい。 問3 中和点QのpH値は何を示しているか、語句で答えなさい。 問4 中和点Qの滴下量は、4.00mLであった。100gの試薬Aに含まれるC2H6NO2Clは何gか、有効数字3桁で答えなさ い。 問5 2.23gのC2H6NO2Clに水を加えて全量80mLにしたとき、この溶液のpHを小数点以下1桁で答えなさい。ただし、 電離定数Ka=1.00×10^(-2)moL/Lとして、計算過程も示しなさい。
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問1 塩化銀の沈澱により白濁します。 Ag^+ + Cl^- → AgCl 問2 塩素イオンが化合物から外れやすく、また、中和反応から化合物から外れやすい水素イオンがある化合物が考えられます。 グリシン化合物(H2NCH2COOH)に塩酸が付加した形の化合物 ( H3NClCH2COOH) が考えられます。詳しくは次のURLを参考にしてください。グリシンの構造式で+の位置にCl^-が‐の位置にH^+が付加した構造になっているでしょう。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%B3 問3 化合物は2段階の酸の解離が行われており第1段階の比較的解離度の高い水素イオン(カルボン酸の解離による生成)が水酸化カリウムによって中和されたことによってpHが急激に上昇しています。 問4 4 mlはC2H6NO2Clの電離によって発生した水素イオンの中和に使われたもので中和に使われた水酸化カリウムのモル量は水溶液中に含まれるC2H6NO2Clのモル量に相当します。 4 * 0.1 = 4.00 * 10^-1 mol この量が100ml から4mlを採取した溶液に含まれていたので全体の量は 4.00 * 10^-1 * 100 /4 =1.00 * 10^1 mol この量が試料50gに含まれるので100gの試料中には 2.00 * 10^1 mol C2H6NO2Clのモル質量は111.5g ですから試料100g中に含まれるC2H6NO2Clの量は 2.00 * 10^-1 * 111.5 = 2.23 * 10^1 g 問5 C2H6NO2Clを2.23gを含む80mlの溶液のC2H6NO2Cl濃度は 2.23 / 111.5 * 1000 /80 = 2.50 * 10^-1 mol/l ところでC2H6NO2Clは酸としての電離をし、その反応は次のようになります。 C2H6NO2Cl → C2H5NO2Cl^- + H^+ 電離定数Kaは次の式で表されます。 Ka = [C2H5NO2Cl^-] [H^+] / [C2H6NO2Cl] C2H6NO2Clの初期濃度をCとして、解離度をXとすれば次の式で表されます。 Ka = C * X * C * X / ( C * (1-X)) Ka = C* X^2 / (1-X) C*X^2 + Ka*X - Ka = 0 X = - Ka + (Ka^2 + 4 * C * Ka)^1/2 /( 2 * C) X = -1.00 *10^-2 + ( 1.00 * 10^-4 + 4 * 2.50 * 10^-1 * 1.00 * 10^-2 )^1/2 / ( 2 + 2.50 * 10^-1 ) X= -1.00 * 10^-2 + ( 1.01 * 10^-2)^1/2 / 5.00 * 10^-1 = -1.00 * 10^-2 + 2.01 * 10^-1 = 1.91 * 10^-1 pH = -Log[H^+] = - Log (C * X) = - Log ( C2H6NO2Clは酸としての電離をし、その反応は次のようになります。 C2H6NO2Cl → C2H5NO2Cl^- + H^+ 電離定数Kaは次の式で表されます。 Ka = [C2H5NO2Cl^-] [H^+] / [C2H6NO2Cl] C2H6NO2Clの初期濃度をCとして、解離度をXとすれば次の式で表されます。 Ka = C * X * C * X / ( C * (1-X)) Ka = C* X^2 / (1-X) C*X^2 + Ka*X - Ka = 0 X = - Ka + (Ka^2 + 4 * C * Ka)^1/2 /( 2 * C) X = -1.00 *10^-2 + ( 1.00 * 10^-4 + 4 * 2.50 * 10^-1 * 1.00 * 10^-2 )^1/2 / ( 2 * 2.50 * 10^-1) X = -1.00 * 10^-2 + 2.01 * 10^-1 = 1.91 * 10^-1 pH = -Log [ H^+ ] = -Log ( C * X ) = -Log ( 2.50 * 10^-1 * 1.91 * 10^-1 ) = -Log ( 4.78 * 10^-2) pH = 1.32
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- gohtraw
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これだけの情報で確定できるかどうかよく判りませんが、グリシンの塩酸塩でしょう。 HOCOCH2NH3+・Cl- 硝酸銀を加えて白濁するのはハロゲンの特徴です。問1は塩化銀 AgCl でしょう。銀のカルボン酸塩の溶解性が判らないので断言しにくいですが。もし塩化銀だとすると、この物質は水溶液中で塩素イオンを出しうる構造を持つことが判ります。C-Clのような構造では塩素イオンは出ず、アミンの塩酸塩とか、カルボン酸の塩化物(-COCl)のような構造であることが推定できます。 塩酸の滴定曲線は中和点付近でpHが急激に立ち上がり、その後pHの変化は非常に少なくなります。それに比べてXの曲線はpHは立ち上るのですが塩酸の場合ほどのpH値にはならず、pH=8付近からpHが上昇しています。塩酸の場合は中和点以降は中和反応が起きず、ただKOHを加えることにより水酸化物イオン濃度が上がる(但し水酸化物イオン濃度が10倍になって初めてpHが1上がるので、pHの変化は小さい)だけであるのに対し、Xの場合はpH=9~12当たりで酸が消費されることによってpHが上昇していると推定できます。グリシン塩酸塩のアミノ基の窒素原子は、非共有電子対に水素イオンがついてアンモニウムイオン(-NH3+)という形になっています。これはKOHとの対比においては酸として機能し、水素イオンを放出してアミノ基(-NH2)になります。 グリシンの中のカルボン酸が滴下されたKOHによって全て中和された点がQです。このとき、グリシンの分子上には正の電荷(-NH3+)と負の電荷(-COO-)が同じだけ存在することになります。このような点を等電点といいます。 中和点QにおけるKOHの添加量は 0.1*4/1000=4*10-4 モル ですから、実験1に供したC2H6NO2Clは4*10^-4当量です。グリシンの塩酸塩であるという推定が正しければこれは4*10-4 モルですから、これに分子量を掛ければ質量がでます。一方実験1に供した試薬Aは50*4/100 gですから・・・? グリシンのカルボン酸の解離平衡を gly → glyー + H+ と表し、それぞれの濃度を[gly]、[gly-]、[H+]と表すと、電離定数は [gly-][H+]/[gly]=1*10^-2 ・・・(1) です。グリシン塩酸塩の分子量は111.5ですから2.23gは0.02モル、これを80mに溶かせばそのモル濃度は 0.02/0.08=0.25 mol/L です。従って [glyー]=0.25-[gly]・・・(2) です。また、平衡の量論関係から [gly-]=[H+] ・・・(3) です。(2)と(3)を(1)に代入すれば二次方程式になるのでそれを解けば各成分の濃度が判ります。pHとしては上記のアンモニウムイオン→アミノ基の変化が起きるよりもかなり小さい値になるはずです(このことにより、pH計算に際してアミノ基の挙動を考慮する必要がないことを確認できます)
お礼
どうもありがとうございました。この問題は金沢大学の過去問題です。解らなくて悩んでいました。おかげさまでなんとか理解することができました。
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どうもありがとうございました。この問題は金沢大学の過去問題ですが、どうにも解らなく困っていました。おかげでやっと理解することができました。