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日本が固定為替にすると何が困りますか?
タイトルどおりなのですが、日本が例えば、1ドル=100円とかの 「固定為替レート」 にすると、何が困ると考えられますか? よく 「1ドルで1円の円高になると、トヨタの場合、○○億円の為替差損が出る、いや、ソニーでは○○円の差損だ」 とか、本業で利益を上げているのに為替で損失が出て、それで結局は企業全体の評価を下げて、株が下がる ・・・ こんな状況になっているように思います。 円高になると株が安くなるというパターンを繰り返していますよね。 日本は輸出大国だからそのような事態は常にあり得るという人もいます。 じゃあ、1ドル=100円にすれば良いじゃないの? と素朴に感じませんか? それなら、為替の変動に振り回される事も無く、日本経済が安定する良い材料になると思います。 経済には全くの素人なので、「日本が固定為替にすると何が困るか?」 という質問に、子供でも分かるように教えて頂ければ助かります。
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こんにちは。 固定為替制度が機能するためには、政府(中央銀行)は国内で流通する通貨量に対して十分な準備資産を持つ必要があります。1ドル=100円に固定し、国内に100兆円の通貨が流通しているとすれば、1兆ドルの支払準備を持たなければなりません。つまり、国内の通貨供給量が、政府の支払準備に厳しく制約されることになります。 金融政策当局が、国内の景況を考え、緩和的な金融政策を採りたいと考えるとします。金利を下げれば、より有利な金利を求めて国内通貨を海外の通貨に交換し、海外で運用しようとするでしょうから、国内の通貨供給量が減ってしまいます。他の手段で通貨を供給しようにも、そもそもの準備資産を超えて国内通貨を供給することはできません。固定為替相場を維持しようとすれば、金融政策の自由度はなくなります。 では、もし政府が準備資産以上に国内通貨を供給したり、固定為替相場を維持しようとは真剣に考えていない、つまり今までは100円出せば1ドルと交換していたものを、支払準備が少なくなると200円出さなければ1ドルとの交換に応じない(自国通貨の切り下げ)ことにするのではと見なされたらどうなるか、というのがNo.1で回答されている方が指摘しているアジア通貨危機だったわけです。近い将来に政府は自国通貨を切り下げるだろう、それなら今のうちに100円を1ドルと交換してしまおう、と誰もが考えるわけです。 円高が日本企業の業績に与える悪影響を心配されているようですね。これは私見ですが、ああいった円に換算した場合の金額が小さくなってしまうことが、特にトヨタやソニーといった現地生産に力を入れている企業にどれだけ意味があるのだろうか、と思っています。ご存知の通り日本は法人税が高いので、企業は海外で得た収益を日本に移転することに熱心ではない、というよりなるべく避けようとします。円安と言われたときでさえ、欧州や新興国が高成長を実現しているのですから、なるべく現地で投資することを考え、わざわざ日本円に交換することなど考えもしなかったのではないでしょうか。記者会見ではしかめっ面をしていても、腹の中では案外「円高だし、相変わらず金利は安いし、この際日本国内で資金調達して、海外に投資、事業拡大の好機」なんて目論んでいるのかも知れませんよ。
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- tanuki4u
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つまり、アメリカの経済の都合で経済運営されると言うことになります。 それが困るかどうかは各人の判断。 東南アジアが対米ドル固定相場をやっていましたが、アジア通貨危機があったのは最近の話でございます。
お礼
有難うございました。 固定相場にするとアメリカにもっと振り回されるという事になるわけですか。 それと、アジア通貨危機は固定相場が原因だったわけですね。
お礼
有難うございました。 なるほど、素人が考えているように簡単に固定為替にする事は難しいですね。 それと、トヨタやソニーの本音、もしかすると、おっしゃるとおりかも知れないのですね。 日本のメディアは円高になればトヨタなどの輸出関連企業が困った困った、逆に円安になれば石油や小麦などを扱う輸入関連が困った困った ・・・ こんな報道ばかりなので、「じゃ、日本にとって円高がいいのか、円安がいいのか、一体どっちなんだ?」とメディアにツッコミを入れたくなります。 それで今回の質問をする事になったのですが、固定相場の問題点が少し理解出来たように感じます。 有難うございました。