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(一括評価金銭債権に係る)貸倒引当金ついて
(一括評価金銭債権に係る)貸倒引当金について教えて下さい。 金融機関の決算報告で「環境の悪化に伴い、○△億円の貸倒引当金を積み増しした。その結果、業績を下方修正する」といった内容を目にします。 これは Q1.貸倒実績率ではなく、環境の悪化に伴って貸倒引当率を上げてよい、ということなのでしょうか? Q1.が「YES」の場合… Q2.金融機関に関わらず、弊社のような一般企業(資本金3億円の中会社です)でも同じ理屈が成立するのでしょうか? Q3.この場合、貸倒引当金は「一括評価金銭債権」「個別債権」のどちらに対して積み増しされているのでしょうか? Q4.環境の変化が貸倒引当率に影響するのであれば、景気がよくなった場合には積み増した引当金を取り崩す必要があるのでしょうか? 自分でも調べてみましたが、解決しませんでした。 宜しくお願い致します。
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> Q1.貸倒実績率ではなく、環境の悪化に伴って貸倒引当率を上げてよい、ということなのでしょうか? <No> 本件は、貸倒実績率法の貸倒実績率を上げる分けではありません。 会計上、貸倒実績率法は一般債権に対して行います。 貸倒懸念債権については財務内容評価法(等)を行います。 (実績率法と計算が異なります) http://www.azsa.or.jp/b_info/ps/kouza/kinyu_kiso_02.html http://www.azsa.or.jp/b_info/acn/200303/acn_200303_05.html >Q2.金融機関に関わらず、弊社のような一般企業(資本金3億円の中会社です)でも同じ理屈が成立するのでしょうか? <YES> 御社の会計基準に基づいて行うのでしたら問題有りません。 但し、公認会計士等の助言の元に行う事が望ましいと思われます。 (恣意的な引当金は、恣意的な損益計算書となります。株主に対して合理的に 説明できるようにしておく必要があります。公認会計士の助言は日本の会計 基準においては合理性を担保できると見なされます) http://www.tabisland.ne.jp/kaikei/kakuron_02.htm (中小企業の場合は、税法上の貸倒引当金限度額を会計上の貸倒引当金とする 場合が多く見られます) >Q3.この場合、貸倒引当金は「一括評価金銭債権」「個別債権」のどちらに対して積み増しされているのでしょうか? <どちらでも無い> ご質問は、税務上の貸倒引当金についてのご質問かと思います。 本件は会計上の貸倒引当金の計上ですから、税法と全く別物です。 貸倒実績率法では、景気の悪化で貸倒引当金を積みますことはできません。 >Q4.環境の変化が貸倒引当率に影響するのであれば、景気がよくなった場合には積み増した引当金を取り崩す必要があるのでしょうか? <YES> 破産更生債権であれば取り崩す可能性は低いですが、貸倒懸念債権であれば 取り崩す可能性があります。 尚、法人税法上の基準は下記の通りです。(会社会計とは異なります) 一括評価債権 http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5500.htm http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/10/02.htm 個別評価 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/10/01.htm http://www.houjinzei.com/visitor/quick/hikiatekin/kasibiki/k001.htm
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まず、上場企業で引当金という場合、これは法人税法上の引当金ではなく会計制度上の引当金です。 具体的には「金融商品に関する会計基準」に示された基準によって評価した金額になります。 http://www.k3.dion.ne.jp/~afujico/kaikei/kinyuu/kijunH190615.htm#27 この基準では、具体的に貸倒れの懸念のある債権については個別事情で評価し、その他の一般債権については債務者をランク分けしてランクごとに引当率を設定することになります。破綻先(破綻はしたがまだ債権が消滅していないところ)については通常、担保控除後額の100%引当ての評価を行います。基本的に企業会計では過去の実績よりも将来の回収可能キャッシュフローを基礎として評価しますので、法人税法とは考え方が異なり、会計基準での評価額と税法基準の評価額には差異が発生します。その差額については法人税申告書の別表四で調整します。 なお、「環境の悪化」とは破綻先や貸倒懸念先が増加したことを指していると思われます。貸倒引当金は毎期見直すものなので、状況が変われば当然変わります。積みっぱなしということにはなりません。