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本に記載されている内容をネットに載せる
Yorkminsterの回答
著作権の世界で「本の内容」と聞いたら、ふつう、「それは『事実』の部分ですか、それとも『表現』の部分ですか?」と訪ねます。 「著作物」とは、人の思想・感情の「創作的表現」をいい(著作権法2条1項1号)、これを利用する権利が「著作権」ですから、単なる歴史的・社会的事実やアイデア(=表現ではない)、誰が書いても同じ表現とならざるを得ないもの(創作性の余地がない)は、そもそも保護の対象外です(アイデア/表現の二分法などという)。 たとえば資格本の類いは、どれを読んでも「試験に合格するための方法」という「内容」を持っていますが、そのうち「こういう法律があって、その意味はこうである」という部分(=知識)には著作権が発生せず、それを「どう書けば読者が理解できるか」という部分には著作権が発生する、ということになります。 したがって、同等の能力を有する者であれば誰でも有しているであろう「知識」は保護の対象ではなく、あなたが勉強した結果それを獲得したなら、自由に他人に伝えて(=利用して)構わないことになります。反面で、それを「どのように表現して伝えるか」という部分はその人の個性が発揮されますから、ある本の「表現方法」を利用するのは著作権の侵害に当たります。 たとえば、上に書いたような「内容」(要約すれば、「事実や知識」は万人の共有物、「表現」は著作者の独占物、ということ)は、著作権を勉強した者ならば誰でも有しているであろう「知識」ですから、誰が書いても良いわけです。しかし、それを質問者であるあなたに理解してもらおうと思って私が頭をひねった部分は、私自身の独創的な表現ですから、これをパクった人に対しては文句がいえるということです(ちなみに、「知識」を独占する権利の代表例は特許権です)。 そのように考えると、「目次や構成」は、ある知識を「どのように体系立てて表現するか」という創作性にかかわりますから、著作権の保護対象となる場合があります。また、「言い回し」も、人によって異なりますから、著作権の保護対象となる可能性が高いといえます。しかし、「その知識の伝達には、ふつう、こういう構成をする」という限りにおいては創作性を発揮する余地がなく、また、「誰もが使うような言い回し」も同じですから、この限りでは著作権による保護は及びません。 質問文および回答No.1に対するお礼を読む限り、想定されているのは「知識」に関する部分のように読み取れますから、これを額面通りに受け取れば、正しい回答としては「問題ありません」ということになります。仮に、創作的表現が一致したり、類似したりしたとしても、お互いまったく独自に創作した者であれば、どちらも権利侵害にはなりません(ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件という有名な事件がこの問題を扱いました)。もちろん、侵害を主張する側は、相手が自分の作品に依拠したことを主張・立証しようとするでしょう(これを依拠性の要件、あるいはアクセス可能性の要件という)。 ただ、ある記載が「事実」や「ありふれた表現」に属するのか、「創作的表現」に属するのかは、専門家(=究極的には裁判官)でさえ判断が分かれるところです。したがって、あなたがいう「内容」が、裁判官の目から見て「創作的表現の部分だ」と判断されたなら、著作権侵害があるということになります(したがって、著作権侵害の罪に当たります)。 この辺りは非常に微妙な判断を要求されるので、もっと細かな部分まで検討しないと、本当に「大丈夫」とも「ダメ」とも言い切ることは不可能です(弁護士などに相談するときは、その本の現物とあなたが書いたものとを持参しろといわれます。そうしないと、正しい判断ができないからです。専門家はクライアントに正しい法律判断を提供する責任があるので、具体的な内容が分からない段階で「大丈夫です/法律違反です」と答えることはしません。そんな言い方をする弁護士は信頼に値しません)。
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