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物理におけるポテンシャルという言葉の位置づけ
ポテンシャルという言葉は物理の各方面で個別に使われているように思いますが、統一的な概念があるのでしょうか。ある人と議論していて、その人はポテンシャルとはエネルギーのことだと解釈している、ということでした。 電磁気学だったら、電場で電荷に外力をかけて移動させてることは、質点を斜面に沿って持ち上げて位置エネルギーを付加するという力学と同じように思います。そういう意味でポテンシャルはエネルギーという理解も出てきそうです。運動はエネルギーを放出する方向に生じるというようなこともあります。一方で流体力学には速度ポテンシャルというものがあり、それは空間微分するとその方向の流速が算出される関数(スカラー関数)と言えそうです。空間微分すると何か物理的な量が算出できるもの、というのが統一的な理解に近いように思えるのですが。重力などもです。ポテンシャルによって表示される力を保存力などというようですが、そのようなことも含めて空間微分を使って説明できると分野横断的に分かりやすいのではないかと思ったのですが。それともエネルギーとして理解する方がいいのでしょうか。あるいは分野横断的理解をやめて個別なものなのでしょうか。 分野横断的理解とはオッカムの剃刀という風に思っているのですが。
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- ddtddtddt
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分野横断的に数学的に考えると、スカラーポテンシャルφとは(値は数値)、独立変数に対する一価関数の事です。ここで独立変数とはxだけじゃなく(x,y,z)などですが、物理ではそれは空間の点である事が普通です。それでポテンシャルとは、位置だけで値が決まる関数などと良く言われます。 またベクトルポテンシャルΨというのもありますが、Ψとは成分がスカラーポテンシャルである、ベクトルの事です。 電磁気学(相対論含む)まで行くとtを時間として、(x,y,z,t)が独立変数の場合もありますが、スカラーポテンシャルが独立変数に対する一価関数の事である、という事態は変わりません。ここで一価関数とは何かというと、普通の関数の事ですよ。2変数関数であろうと3変数関数であろうと・・・。 どうして一価関数という定義があるかというと、じつは多価関数というのは、けっこう身近にあるからです。例えばy=±√xは、y=x^2の逆関数ですよね?。y=±√xは2価関数です。でも明らかに扱えます。 このように明らかな場合分けをすれば、実際上対処できるというケースはけっこうたくさんありますが、厳密に言うとy=±√xは関数では「ありません」。 何故なら関数とは「一価関数」の事だからです。だから本当は「関数」=「一価関数」なんですよ(数学的には)。でも物理では実用上の理由から「一価関数」でない関数(?)も、ちょくちょく扱ったりしますが、面倒臭いからみんな「関数」と言います。それは±とかに場合分けすれば、実際上問題ないからですよ・・・(^^)。 後は大きなお世話です。 ポテンシャルは物理量ではない、という事はご存知ですか?。 何故ならポテンシャル一般において、ポテンシャルを微分した量が普通は観測可能量であり、微分量だけが観測可能量なら、ポテンシャルに任意定数を加えても観測結果は変わらないからです。物理量なら、そんな事はないはずです。 ポテンシャル量を直接測定する事は、定義から不可能なんですよ。任意定数の値は誰も知らないので。でもポテンシャル差(エネルギー差)なら測定できます。 そういう訳で、「ポテンシャル値はわからない」が「ポテンシャル差」は測定できるという事態になります。しかしそういう測定データを基に、ポテンシャルの「関数形」は予想できます。もちろん「任意定数の不定性」は除いて。 でも、それでOKなんですよ。 何故なら「関数形さえわかれば」実際上は、微分した結果さえわかれば良いので、「任意定数の不定性」など関係なく現実に対応した結果が出せます。 そして「関数形がわかった」という事は、そこから「万有引力の法則」なんかを導ける訳です。なのでポテンシャルを知る事には意味があります。
物理では、ベクトル場Vが、スカラー場φを使って V=-∇φ で表させるとき、φをVのポテンシャルというんじゃないですかね。 具体的に位置エネルギーを表そうが何を表そうが、この関係を満たせばφはポテンシャルです。 私はそう思っていますが。
お礼
回答ありがとうございます。 私も概ねご回答のように思っていました。でもそうではない、と言う人に会ったので、えー?と思ったのが質問の発端です。
- hue2011
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理解にもなんにも単位をみてください。 ポテンシャルはエネルギ―ですよ。 ただエネルギーというのが、そのまま仕事として出てくるような場合もあり、溜められて稼働していないこともあり、様相がいくつもあるというだけです。 高い所に水槽をつるしたら、こいつは別に破壊力もない。しかしいったん栓をひらいたらどどどどどどと水がおちてきて明確に仕事をします。これがポテンシャルが運動エネルギーになったということです。じべたにおいたおなじ容器と、山に置いた容器は、ものとしては違いはないけど、高度差というものが破壊力をもつわけで、それは単純に測れば単純に距離だけのことです。 距離がポテンシャルでもなければ水槽がポテンシャルなわけでもありません。 からむことによって、潜在エネルギーが発生しているのです。
お礼
回答ありがとうございます。 学問を横断的に見ると○○ポテンシャルというものがいっぱいあります。速度ポテンシャルはエネルギーという単位を取らないと思います。静電ポテンシャルとか電磁ポテンシャルとかはどうでしょうか。 水を入れたバケツを高いところに置く、というのは位置エネルギー持ったということではないでしょうか。位置エネルギーがポテンシャルであるということでしょうか。mgzは位置エネルギーの表現したものだと思います。m:質量、g:呪力加速度、z:持ち上げた距離です。d(mgz)/dz = mgとなり作用している力(重力)になりました。このような場合、重力は保存力ということで、mgzは重力ポテンシャルと言っていいと思います。これは(位置) エネルギーがポテンシャルになった一例ですが、それはたまたまであって、ポテンシャルの本質とは違うのではないでしょうか。どうでしょうか。
- 雪中庵(@psytex)
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「ポテンシャルエネルギー」という言葉が あるぐらいですので、その二者は別物です。 翻って、ポテンシャルエネルギーに対する のは、ベクトルを持った、例えば運動エネ ルギーです。 ベクトル=顕在的次元に由来するのに対し、 ポテンシャル=その点に内在する次元に 由来するものだと言えるでしょう。
お礼
懇篤な回答ありがとうございます。分野横断的に理解したいのは、少ない前提条件で多くの分野の現象を説明できる(少ない知識で多くを説明するという思考の経済=オッカムの剃刀)からですが、それを嫌う風潮もあるようです。個別分野が閉じた世界であり、外部からの闖入者を排除するという意見で、”わが分野ではこうである”と主張するということですね。大袈裟ですが今の世界情勢みたいに。