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アメリカとの戦争になぜ勝てなかったのか?

phjの回答

  • phj
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回答No.13

日本に出口戦略がなかったからです。 出口というのは「どの程度まで戦果を挙げたら講和に持っていくか、または逆にどこまで被害を受けたら講和するか」という戦略のことです。 日清戦争の場合は、戦果がはっきりしています。東シナ海に中国(当時の清)を押し込めることに成功し、朝鮮半島における覇権を消滅させることに成功した、ということです。これにより日本は戦争を継続する必要がなくなりました。 日露戦争はもっとドラスティックな問題で戦争継続が困難でした。ようするに軍資金が底をついたことです。ちょうど同じ時期にロシアのバルチック艦隊を壊滅させるという戦果が上がったため、これを講和のタイミングとして、仲介してもらい戦争を終了しました。 ロシアも強気で「こっちは金があるから継続できるけど、賠償金を払わなくていいなら、ここで終わりにしてもいいぞ」という態度で、日本は朝鮮よりも内陸側の満州などに権利を得ることで満足しなければなりませんでしたが、すでに軍資金は底をつき無理な出兵は国内経済を悪化させていたため、日本政府も講和に同意しました。賠償金が取れなかったことに日本国民は不満をもち、焼き討ち事件なども起きています。 これらの戦争の目的とするところ、そして出口戦略を見てみると、当時の日本の国力をぎりぎりまで測っていることが分かります。また、止めるときもすぐにぴたっと止めることが出来るわけではありませんから、あらかじめ軍部や政府などの指導者層は「求めえる利益と失うべきではない損失」を天秤にかけて戦争を行っているといえます。 しかし、大東亜戦争はそもそも開戦のときから「明確な意思」が見られず、軍部も「アメリカとは戦いたくないけど、戦うなら勝てるよ」という消極的な態度が非常に強かったと言われます。また、国力との違うアメリカと消耗戦になったときに、どのくらい日本が耐えられるかについて明確に解答できたのは、かの山本五十六だけで「真珠湾攻撃が成功するとして2年以内」と答えたと言われています。 その根拠は、2年程度で日本の石油備蓄や工業製品の充当が難しくなること、逆に2年後にはアメリカは国力を生かして大量の工業製品と余りある石油を使って攻勢が強くなること、でした。 実際に、真珠湾攻撃で日本軍はアメリカの空母2隻に攻撃を加えることができず、開戦から1年足らずのミッドウェー海戦では、日本側の損害が大きく、続くソロモン海戦でさらに被害が大きくなりました。 個人的な意見ですが、このあたりで講和の道筋をつけるべきだったと思います。 結局、講和の道筋というか出口戦略が取れないまま、日本は「本来失うべきではない損失」を受けるようになります。しかし、リスク管理が出来なかった日本軍部と政府は(リスク管理が出来ていればそもそもあのような形でアメリカと開戦すべきではなかったともいえますが)そのままずるずると戦況の悪化を招き、結局天皇がご聖断をするまで、誰一人として「終戦と講和」を口に出来るものはおらず、ご聖断による終戦でも、それを阻止しようと青年将校がクーデターを画策したといわれています。 そもそも、国力の違いから見れば日本がアメリカとの戦争に勝てるわけがありません。だからこそ日露戦争と同様、華々しい戦果をもって有利な条件で講和すればよかったのに、そのような戦略すらなかったのが、ずるずると国土が荒廃するまで負け続けた原因といえます。

hhasegawa
質問者

お礼

国としての戦略がひとつにまとまっていなかったのかもしれませんね。 真珠湾攻撃などは一撃で一網打尽にして 一気に講和へ持ち込む手段だった。 しかし 東亜解放のために東南アジアへ侵攻し 大東亜共栄圏を作ること これは、年月を要することでした。 力点が分散し、まとまった出口戦略がなかった のかもしれません。

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