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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:ベートヴェーン第九「合唱付き」って傑作なの?)

ベートヴェーン第九「合唱付き」の傑作とは?

Tastenkastenの回答

回答No.7

こんにちは。 お礼有難うございます。 ねこさんの曲や演奏の好みを伺ってきて、だんだんわかってきました。日本人によくみられるケースなのですが、派手なもの、型破りで個性的なものに対する警戒感をお持ちかもしれません。作為を好まないのでしょうか。また、理系の方でいらっしゃることもひょっとすると関係があるかもしれません。整然とした美に惹かれるのではないでしょうか。 >ここでは、 >「様式的に統一されていて、破綻がなく、全体的にまとまりがあり、完成度が高い」 >ですね。 つまり、狭義での「古典主義的」ということですね。しかし、古典主義は数ある美学の一つに過ぎませんので、これを判断基準に据えると、多くの曲が傑作リストから外されることになります。日本人にとって、自己主張の強いロマン主義的なものは、時としてやりきれないのかもしれませんが、これでは多様な芸術作品を捉えられません。 >しかも、第4楽章は、聴衆をかなり意識した、受けを狙った作りになっているのではないか。 何となく演出過剰であざとく感じられてしまう。 これについては、哲学カテでよくお名前を拝見するamaguappaさんがよいことをおっしゃっています。「内容が形式を呑み込んでいる」、言い換えれば、形式が先にあって内容をはめ込むのではなく、内容にふさわしい形式を開発するということです。ベートーヴェンの作品は、大体1815年頃を境に後期に入り、形式は中期までの作品と比べると、圧倒的に自由、かつ大胆になっていきます。先の回答で挙げた、後期のピアノ・ソナタにしろ、弦楽四重奏曲にしろ、皆そうです。その追求心には凄まじいものがあります。作家にはいろいろなタイプがいますが、道を究めた結果、枯淡の境地に達する人もいれば、より自由、大胆にふるまえるようになる人もいます。ベートーヴェンは明らかに後者です。第一、ベートーヴェンが、聴衆を意識したり受けを狙ったりするような性格だと思いますか。 なお、形式の問題は非常に難しいです。作品が批判されるとき、多くの場合、形式的な不備を突かれることが多いです。第9以外の曲でも、それが問題になることは多いです。例えば、ロシアの作曲家は構成が弱い、といつも言われます。私などは、それがどうした、と言いたいところなんですが。リストのピアノ・ソナタのことも思い浮かべます。この曲は、通常の3つの楽章を、一つの楽章の中に融合しようと試みたもので、敵対者たちから失敗作だと激しく非難されましたが、結局、リストの作品の中では、音楽性においてずば抜けており、今日でも、ピアニストの主要レパートリーです。弾いていても非常に充実感のある曲です。偉大なる失敗作=傑作の例。 >ベートーヴェンは、彼の憧れの人であるモーツァルトのようにオペラの分野でも成功したかった。でも、フィデリオは、鳴かず飛ばず・・・。しかも、ロッシーニのオペラが・・・。 今では、「フィデリオ」一曲でロッシーニに対抗できるのですから、いいではありませんか。それに、ベートーヴェンが尊敬していたのはケルビーニで、自分の作曲について助言を求めているほどですからね。声の技巧を前面に出したロッシーニとは資質が全く違います。全然気にしなかったとは言い切れないにしても、目指すところが最初から違いますから。 >わたしには、どうしても、この曲が第8番よりすぐれているとは思えない。 >わたしは、 >Tastenkastenさんが「第8番こそ最高傑作です」と断言することをひそかに期待しております(ポリポリ)。 言わずもがな、と書こうと思いましたが、そこまでは言えませんかね。plapotaさんの疑問にもお答えしなければならないでしょうか。実は私は、若いころこの曲を暗譜で指揮したことがあるので、隅から隅まで知っております。ですから、個人的な愛着もあるといえばあります。しかし当時、なぜ、よりによってこんな地味な曲が当たったのかと不満でした。その後も、あまり自分から聞くことはありませんでした。もちろん、作曲の時期から言っても、技術的には熟練の境地ですけれど、過渡期の作品であり、息抜きのような作品でもあります。第1番がハイドン的であるとすれば、第8はモーツァルト的と言えなくもありません。この曲は、初演の時、7番との比較であまり評判がよくなかったのですが、弟子のツェルニーの伝えるところでは、不評の原因についてベートーヴェン自身は、「7番よりずっといいからだ」と答えたとか。確かにこの曲は、古典的なまとまりは完成していてすきがなく、凝縮されています。完成度が高いことはたしかです。ただ、ここでまた問題になるのは、「様式的に統一されていて、破綻がなく、全体的にまとまりがあり、完成度が高い」曲が、必ずしも大衆受けするわけではないということです。どうしても、エロイカや第7の方が、聞いた後の充実感は大きいですから、仕方ないでしょう。第9の人気の理由も、一つはそういうことにあると思います。しかし、「最高傑作」とする理由は、やはり、8番までの交響曲と第9の間に、大きな作曲様式上の進化があるということです。後期の作品は、とにかく緻密な音符の書き込み方が尋常ではありません。以前ちょっと調べたことがあるのですが、この後期の始まりは、ベートーヴェンが聴覚をほぼ完全に失い、あきらめざるを得なくなった時期とほぼ重なるようです。ここから、「求道者」のごとき集中と革新が始まります。とことん、自己の内面を追求した結果でしょう。そのように聞いていただけたらいいと思います。 演奏についてなのですが、まず、アゴーギクについてのウィキペディアの説明は素人によるもので、これでは何のことかわからないので、参照しないでください。アゴーギクは、定義がはっきりしない部分もありますが、われわれは通常、曲のテンポそのものを変えるのはテンポ・ルバート、テンポを変えずに、一音符ごとの長さを微妙に変えていくことをアゴーギクと考えています。ウィキの説明は、ほぼすべて、アゴーギクの本質とは大きく外れた説明です。アゴーギクは、作曲者がテンポの変化について一切指示を書いていない場所で、音楽文法にのっとって行います。ハンガリー舞曲は、ブラームス自身のテンポ表示があり、テンポ・ルバートの方になります。 今日、フルトヴェングラー、カラヤン、ベーム、バーンスタインなどを少し聞き比べました。長いので、ポイントになる箇所だけです。フルトヴェングラーですが、テンポの変化は少しありますが、当時の演奏様式からすれば、むしろ控えめかと思います。バイロイトの演奏は、1951年と1954年のものがYoutubeにあったので聞いてみました。できは、1951年の方がよいようです。いずれにしても、理想的な解釈の一つとして残っていくものだとは思いますが、今の時代から見れば、ロマンティックな解釈といえます。演奏様式には、時代の流れもあります。最近のはやりは、ピリオド奏法というもので、なるべく聞くようにはしているのですが、いまだに違和感があります。ベームは、申し訳ないのですが、私には少し優等生的、教科書的に響きました。それで、カラヤンかバーンスタインかと考えてみたのですが、私はどうしてもバーンスタインになります。異論はあると思うのですが、理由は、まずテンポの設定にあります。例えば、第4楽章の例のテーマは、素朴かつ民謡的で、注意しないと俗っぽく聞こえます。特に早いテンポだと、軽薄に聞こえ、コラール的でなくなります。カラヤンは早すぎます。特に、最初にチェロとコントラバスがこのテーマを提示するところでは、テーマに対する副次的な旋律が絡み合って立体的になっているのですが、このテンポではその構造が明白になりませんし、対旋律の魅力も伝わりません。もう一か所、テンポで気になるところは、第3楽章です。ここでは、ベートーヴェン自身が、テンポをしょっちゅう変えているのですが、各部分の性格の違いの対照をはっきりさせることと、全体のまとまりを両立させられるテンポの設定が難しいと思います。その点、バーンスタインのテンポの変え方は、新しい部分の始まりが新鮮で、性格付け、表現も明快、前後のテンポの関係もうまくいっていると思います。そして、やはり全曲にわたって、楽譜の読みが緻密です。指揮法とも関係するのですが、バーンスタインの場合、一音一音に意味があることがわかるような振り方をしており、細かいところまでくっきり描かれます。もちろんこれも、解釈の一つの在り方ということで、好きではないという人がいても当然ですけれど。ですから、この曲が少しでも退屈に感じられるのなら、バーンスタインの録音を一度通して聴いてみてください。歌手も、ギネス・ジョーンズやルネ・コロなど、ぜいたくなキャスティングです。 https://www.youtube.com/watch?v=yoH_h6yxgiI では、また様子を拝見します。

NemurinekoNya
質問者

お礼

こんばんは。 ☆最近のはやりは、ピリオド奏法というもので、なるべく聞くようにはしているのですが、いまだに違和感があります。 ◇「聞いて面白いな。いつもと違うな、何か新鮮だな♪」とは思いますが、 CDを買って、繰り返し聞きたいとはまったく思いません。 「古楽器、オリジナル楽器による演奏は、BGMにピッタリだな」と思ってしまう不心得者です。 回答、ありがとうございました。 p.s. 一昨日あたりから、 フランツ・シュミットの交響曲なんて、また、変なものを聴き始めています。 学生のころ、『ノートルダム』の間奏曲を聞いて、あの音色に強い衝撃を受けた。 youtubeで偶然交響曲を見つけたので、聴き始めました♪

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