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サンフランシスコ講和条約11条の解釈??

Ganymedeの回答

  • Ganymede
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回答No.3

〔前回からの続き〕 サンフランシスコ条約第11条の条文中の「受諾」について、1953年2月24日に外務省条約局第三課は次のような文書を作成している。 http://www.geocities.jp/windows_user2013/san_francisco_treaty11_02.htm [引用開始] この「受諾」とは、日本国が(イ)戦争状態の継続中連合国のなした右裁判の国際法上の適法性及び(ロ)戦争状態終了後連合国がその刑を続いて執行する場合に、その執行の合法性について、争わないことを意味する。即ち、同第十一条によって、日本国は、右裁判によって判決を受けた事件に関する限り、国際法上の犯罪であることについて反対しない義務を負ったのである。 [引用終り] すなわち、日本国は、これらの裁判で有罪判決を受けた戦犯が、国際法上の犯罪人であることを、争えない事実として認めた。それについて、一般人なら反論する自由もあるとしても、日本国としては反対する自由を有しない。条約第11条により、反対しない義務を負ったのである。 なお、東京裁判判決の「裁判所条例は、戦勝国の側で権力を恣意的に行使したものではなく、その制定の当時に存在していた国際法を表示したものである」については、下記の既出質問の拙答をご覧いただけると幸いです。 A級戦犯は何の罪を犯したのですか? http://okwave.jp/qa/q8448880.html 〔引用開始〕 「コモン・ロー上の犯罪」というのをご存知でしょうか?〔中略〕 英米法の国々では、法律の条文で犯罪と規定されていなくても、社会の認識で罪と見なされる事柄で、かつ、有罪判決が積み重なっていれば、それは法的な犯罪となるのだ。何せ、イギリスには日本のようなひとまとまりの「刑法」がないそうだ。〔中略〕 さらに、コモン・ローは「判例法」より広い概念であり、必ずしも判例が積み重なっていることを要しない。〔中略〕 また、罪刑法定主義の考え方は英米法にもある。というか、罪刑法定主義が最初に現れたのはマグナカルタ(1215年)だそうだ。ご存知のように、イングランドのものである。もちろん、かの国において、法というのは成文法だけでなくコモン・ローも含む。いや、コモン・ローこそ第一義的な法であって、それを再定義したり修正したりするのが、成文法の役割だそうだ。〔中略〕 東京裁判はニュルンベルク裁判の二番煎じだった。両裁判に瑕疵(かし)があったことは事実だが、だからといって「裁判でも何でもない」などと全否定する者は基礎知識が欠けているだろう。 正式名称を見れば分かる通り、これは軍事裁判であり、講和前に行われた。戦争行為の一環として行われたのだ。中立国が戦争行為に加わるわけもなく、判事は連合国出身者だった。 そもそも「軍法会議」では、被告の上官(法律の専門家ではない)などが判事を務めることも多い。弁護人が付かないことも多い。それに比べれば、東京裁判はまだましな方である。アメリカ人(カニンガムなど)・日本人(清瀬)らが弁護人を務め、彼らはこの裁判を痛烈に批判した。 また、占領地の軍人・民間人など(つまり外国人)を裁く「軍律法廷」では、事後法で裁くこともあった。他ならぬ日本軍も、米軍のドーリットル隊を「空襲軍律」という事後法で死刑に処した。 〔中略〕 東京裁判に対しては、国際法の横田喜三郎、刑法の団藤重光という二大巨頭が、これを(部分的には批判しつつも)おおむね肯定的に評価したということが大きい。二人とも東大法学部教授、最高裁判所判事(横田は長官)、文化勲章受章者である。〔中略〕 大陸法の考え方に照らせば東京裁判は事後法でアウトなのだが、英米法の考え方ではセーフになりうるのだ。〔中略〕 「侵略戦争は国際法上の犯罪」、「その罪は可罰性を有する」という不文法が第二次大戦前から存在していて、それを確認し成文化したのが極東国際軍事裁判所条例である。したがって、行為当時の不文法に違反していた東京裁判の被告らの犯行は、裁判所条例によって裁かれ得る。 〔引用終り〕 また、A級戦犯で赦免された者はいない。 日本政府による答弁書(1991年10月29日) http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/121/touh/t121012.htm 〔引用開始〕 A級戦争犯罪人として有罪判決を受けた者のうち減刑された者は十名(いずれも終身禁錮の判決を受けた者である。)であり、いずれも昭和三十三年四月七日付けで、同日までにそれぞれ服役した期間を刑期とする刑に減刑された。なお、赦免された者はいない。 〔引用終り〕 そもそも、「再審などによって確定判決が取り消され無罪になること」と、「恩赦などによって刑の全部または一部が消滅もしくは軽減されること」とは、別物である。後者は確定判決を取り消すものではなく、有罪のままである。戦犯に限らず、一般に受刑者は刑期途中で仮釈放されることも多く、刑期満了までお務めするのは服役態度が悪い者などである。

441moe
質問者

お礼

原文、出典明確に教えていただき有難う御座います。 ご好意無駄にしないように頑張って勉強します。

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