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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:一つの前提から2つの結果は導けるのか)

一つの前提から2つの結果は導けるのか

selpoの回答

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  • selpo
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回答No.6

前提Pから結論Q,Rが導けるとします。 P→Q P→R ただし、QとRは同値ではないとします。これ自体は別に特殊なことではありません。 たとえば、 P="nは6の倍数である" Q="nは2の倍数である" R="nは3の倍数である" とすれば、P→QもP→Rも成立しますが、QとRは同値関係にはありません。 つまり、Pを仮定すればQもRも言えますが、 QとRを単独で考えると、これらの間の論理関係については何も言えません。 では、もしQとRが矛盾していたらどうでしょうか。矛盾、というのはどう定義されているかといいますと、 「ある命題Xが矛盾する、とは、X→YかつX→¬Yとなる命題Yが存在することである」 が標準的です(本当は、記号論理学における矛盾というのはただの命題の一つです)。それならば、QとRが矛盾する、というのは上の定義でX=Q∧Rとした場合と考えればよいでしょう。 P→Q、P→Q、Q∧R→Yですから、P→Yです。同様に、P→¬Yとなりますので、そもそもの前提Pが矛盾していたことがわかります。 つまり、ある前提から互いに矛盾する結論が言えるならば、そもそもの前提が矛盾していた、ということです。 とすると、論理というのは、"結果を導く過程"、すなわち推論規則を骨格として、いくつかの記号群を言語とし、公理という"大前提"から様々な結論を導くおこないですから、そもそもの公理が矛盾していては困るわけです。ですから、公理が矛盾していない、すなわち、公理から出発して互いに矛盾する結論に至ってしまうことがない、ということを"証明"しなくてはなりません。 これが示されれば、公理から出発して結論を導いていく、という行為が正当であると保証されます。逆に、これが言えなければ、得られた結論が意味のあるものかどうか(その否定も同時に導けてしまわないか)が怪しくなります。 しかし、残念なことに、公理の無矛盾性は公理からは証明不可能であることがわかっています(厳密には、自然数の体系を含む帰納的に枚挙可能で無矛盾な公理系は、自身の無矛盾性を証明できない→『ゲーデルの不完全性定理』)。ただし、ほかの公理系からなら証明できることもあり、実際、ZFCという体系(集合の理論)の下、ペアノ算術(通常の自然数の理論)の無矛盾性が示されているそうです。というわけで、我々は安心して数学ができるわけです(ZFCの無矛盾性は?という問題はあります…それを証明する体系を作っても、今度はその体系の無矛盾性が問われ、という無限ループに陥ります…)。 で、お話にあった 私:「ある一つの前提からは、矛盾する2つの結果は導けない」 相手:「2次方程式の根が2つあるように、それは許されている」 ですが、相手の言っていることを命題にすると、 P="x^2+2ax+b=0∧a^2>b" Q="x=-a+sqrt(a^2-b)" R="x=-a-sqrt(a^2-b)" ということかと思いますが、これではP→QもP→Rも言えません。正しくは、 Q="x=-a+sqrt(a^2-b)∨x=-a-sqrt(a^2-b)" として、P→Qです。つまり、一つの結果しか導けてはいません。 次に、a^pの話ですが、上では面倒なので、定義域、値域というのを考えませんでしたが、今度はきちんと考えます。 power(a,p)=a^pとして、powerの定義域は、a∈R、p∈Nとします(Rは実数、Nは1以上の自然数の集合)。値域はRです。このとき、power(a,p)は、pについて帰納的に定義されます。 (1)power(a,1)=a (2)power(a,p+1)=a*power(a,p) この(2)を、以下のように変形します。 (2')power(a,p)=power(a,p+1)/a そして、p=0を代入すると、 (3?)power(a,0)=a/a=1 となります…なりませんね。 なぜなら、(2')(3?)の変形でa≠0を仮定していますし、p=0は値域に入っていません。 p=0が値域に入っていない、というのは、逆に考えれば、(2)がp=0でも成立するように、powerの値域を拡張した、とみることができます。 しかし、(2')(3?)でa≠0を仮定していますので、この拡張はa≠0でしか成功しません。というわけで、結局得られるのは、 (3)power(a,0)=1 (ただし、a≠0) です。こうして、定義域に、"a≠0∧p=0"も含まれることになりました。 では、 "a^1=0, a^2=0, a^3=0と続くから、a^0=0 とすることも正しい" を検証してみましょう。これは、power(a,p)=0とすることにあたります。…もうわかりますね。これは(2)は満たしますが、(1)は満たしません。つまり、power(a,p)の拡張とはみなせない、ということです。 よって、正しいのはpower(a,0)=1です。ただし、p=0のときはa≠0でしか定義されないことに注意しましょう。

fusem23
質問者

お礼

素晴らしい回答ありがとうございました。 分かりやすさも程度も、申し分ありません。 > 結局得られるのは、 > (3)power(a,0)=1 (ただし、a≠0) power(*,0)=0 という形のものは結局出てきませんね。 ところで、今更ながら、質問文に訂正があります。 相手の人が >"a^1=0, a^2=0, a^3=0と続くから、a^0=0 とすることも正しい" といったのは事実ではありません。私の記述上のミスです。 正しくは 0^1=0, 0^2=0, 0^3=0と続くから、0^0=0 とすることも正しい と書くべきでした。お詫びして訂正致します。 それに従って分析を続けると > これは(2)は満たしますが、(1)は満たしません。 > つまり、power(a,p)の拡張とはみなせない、ということです。 これは(1)(2)を満たします。 でも、0^0を求めるのに(1)と(2)のどちらも使っていないので、 つまり、power(a,p)の拡張とはみなせない、ということです。 となります。(私見です) 私のミスの訂正で少し長くなってしまいましたが、 本当にありがとうございました。

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