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文芸翻訳家を目指す高校生の質問とは?
- 高校三年の文系女子が将来文芸翻訳家になりたいと思っている質問があります。文芸翻訳の需要や学び方、大学選びなど悩みが尽きません。
- 文芸翻訳よりも産業翻訳の方が需要があると知り、それでも文芸翻訳をしたいと思っていることについて悩んでいます。考えが甘いと思われるか心配です。
- 翻訳を学ぶには通信制・専門学校・四年制大学の選択肢がありますが、将来の就職を考えると四大が無難でしょうか。また、経済的な理由から給付型奨学金のある大学を探しています。
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英文和訳の文芸翻訳を目指していらっしゃると解釈しました。結論を言うと、まず焦る必要はありません。翻訳業は定年がありませんし、遅くスタートしてもハンディがあまりありません。では回答します。 (1)それは、「事務員よりも小説家になりたいのですが甘いでしょうか」とか「音楽の先生よりもアイドル歌手になりたいんですが甘いでしょうか」と言っているようなものです。文芸翻訳家はなりたい人が多いうえに、小説家並みに人を楽しませる能力を要するので、なかなかなれないのです。 ただ、「産業翻訳の方が絶えず需要がある」というのは、むしろ誤解です。文芸翻訳家のほうが足りないの「需要」はあるのですが、そこまで能力のある人が少ないのです。したがって、甘い云々というよりは、文芸翻訳家になれるかどうかは、あなたが持っている可能性や、これから花開くかもしれない才能や努力によるわけで、それは高3の段階では誰にも判断できないと思います。 (2)翻訳業界は学歴を問いません。ただし、なぜだか結果的に、四大卒が多いです。そういう業界は世の中にたくさんあります。なぜだか四大卒が多いという業界が。四大はそれだけ総合的に学べる機会が多いのかもしれません。学外での学びも含めてです。 それに、本当に文芸翻訳を狙うのだとしたら、食べていけない時期が長くなるでしょうから、翻訳以外の技能も身につけておいたほうが収入が安定しやすいですよね。そういう意味で四大は「無難」というよりは「理想」でしょう。 (3)このご質問に答える代わりに申しますと、今、翻訳業界で活躍している翻訳家の大半は、大学で翻訳を学んできていません。そもそも、ちょっと前まで、翻訳技術を教えてくれる大学なんて皆無に等しかったのです。したがって、大学で翻訳を学べないからと焦る必要はないし、逆に、大学や専門学校で翻訳を学んだからと言って、必ずつぶしがきくわけではありません。 (4)私が個人的におすすめする本は、実用本なのですが、『直訳克服!バランス翻訳の法則』椋田 直子・高野 優です。加えて言うと『日本語はこう書く』岳真也(ともにバベル・プレス)も便利です。前者は、ジャンルによって書き分ける自然な日本語を知るのに便利で、後者は句読点や改行の使い方をきちんと把握するのに便利です。 何を学ぶにせよ、今後はレポートなど、長い文章を書かされる機会が増えると思います。私はこの2冊を先に読んでいれば、大学生活がもっと充実していただろうと感じましたし、実際、読んでからは、日本語を、より快適かつ的確に書けるようになりました。こういう本を読んだうえで、賞をとったような小説や、売れている本などを読み、あとはご自分が好きになれる作品をたくさん読むといいでしょう。 ちなみに、焦っていると言うあなたに正直に教えてあげると、漢検は立派な教養となるはずですが、パソコン時代の今、漢字を知らない一流翻訳家は山ほどいます。 (5)間違っているとは言いませんが、「仕事と並行して通信や専門学校で翻訳を学ぶ」には、よほど暇な仕事に就いていないと難しいと思います。効率を優先するなら、大学に行きながら、自分で勝手に好きな本を訳してみたりして練習し、機会があればトライアルを受け、卒業後の仕事は、業務で翻訳をさせてもらえる仕事に就きながら、「仕事でお金をもらって学ぶ」のが理想です。ちなみに、文芸翻訳の大半は翻訳会社を通しません。 ただ、こういう情勢は時代とともにどんどん変わっていきますので、そのときどきの情報に向けてアンテナを張り、柔軟に動けるようにしておくといいでしょう。 最後に… ○できれば最低数カ月でも、英語圏で生活するといい。少し前までは英語ができない翻訳家はざらにいたが、今は多くが海外生活を最低でも短期で経験している。自然な英語を理解できるようになると同時に、英語圏の生活習慣や教養を肌で知ることができるので翻訳に非常に役立つ。 ○専門性を持つといい。簡単に言えば何かのオタクになること。翻訳業界の人は誰もが外国語を理解し、母国語が堪能。しかし、そこに珍しい物事に詳しい人が一人いると、目立って抜擢される。学生生活はむしろ、それに役立てて。 ○翻訳の授業や翻訳学校を通じて、翻訳家の卵と友達になろう。何年も経ってから役に立つ人脈が築ける。 ○ご自分の世代をよく知って。ベテランが出世街道をふさぐなか、若者が抜擢される理由の多くは、若い人ならではの感性を持っているから。例えば、今どきの若者が主人公の作品を訳すには、今どきの若者に訳させるのが(ある意味)いちばん。 では頑張ってくださいね。
その他の回答 (5)
- ucok
- ベストアンサー率37% (4288/11421)
#5で回答した者ですが、念のために補足しますと、文芸書をときどき訳しながら、産業関係の翻訳もやっている人はものすごく多いです。白黒つけるべきものではないので。
- wy1
- ベストアンサー率23% (331/1391)
文学作品の日本語訳は、その原語は勿論、日本語、作品の背景(歴史、地理、心理などなど)を人並み以上に理解していないと他人に買ってもらう程度の翻訳は出来ないでしょう。文芸の翻訳は、従来は大学の外国文学学科の教師が多く遣っていたようですね。 出版社からこの本の翻訳をしてください、と依頼を受ける場合とこの小説の翻訳をしたからどうですか、と持ち込む場合。 産業翻訳には翻訳会社の下請けで翻訳をするのがごく普通だと思います。 翻訳会社は翻訳を自分の社内で行うのではないはずです。契約している下請けに回すのです。仕事を貰う為には、翻訳会社のテストを受けて合格する必要があります。しかも、一応の専門分野を持たねばいけません。 一般の英語学科とか英文科などでは科学/産業翻訳はかなり難しいですね。 理系の人の方が有利でしょう。
お礼
お礼が遅くなって申し訳ありません。 文芸翻訳と出版翻訳の形態の違いなど、詳しく教えていただきありがとうございました!
- chiiko200
- ベストアンサー率29% (20/68)
学生時代、翻訳研究会というのに入ってました。 質問内容が多岐にわたるので、わかる部分だけお答えします。 文学作品は、翻訳する人によって作品としての魅力がすごく変わってしまうと感じます。 映画の字幕や、英語の曲の邦訳も同様。映画を見る人も、音楽を聴く人も、自分で翻訳 ができなくとも、その上手下手はよくわかるので、セールスにも影響します。そのため 原作者が翻訳者を指名することも・・。 文学を翻訳するには、文法的に正しいというようなレベルを完全に突き抜けて原作を 日本語でリメイクするような能力を問われるのだと思います。最終的に必要なのは、英 語もできる”小説家の卵”くらいを目指せる文章のセンスであって大学の授業で学ぶ英 語の語彙などではないのでは。 努力でどうにかなるのは産業翻訳家のほうだと思います。 その道で修行を積みながら、邦訳がまだ出ていない英米文学でも読み漁って、これはと 思う作品の作者に邦訳の許可をもらい、それを出版社に売り込むというのが自力でできる 夢をかなえる唯一の方法のような気がします。 資格を必要とする仕事ではありませんので、自分で名乗れば「あなたも今日から文芸翻 訳家」。でも簡単には仕事は来ないというのが現実ですから、夢を追いかけるのには経 済的な余裕も必要です。
お礼
お礼が遅くなって申し訳ありません。 少し違うかもしれませんが、私も洋画を観ていて、吹き替えと字幕でも違いはあるものなのかと驚いたことがあります。 映画にもよると思いますが、字幕は少し訳が硬くて、吹き替えの台詞は砕けていたように感じました。 英語のジョークや英語にしかない言い回しなどを上手く訳すのは本当にすごいと思います。 邦訳でダジャレが出てきて、「これ、原文はどうなってるんだろう」と思うこともよくあります。 同じ作品の邦訳同士を比べたことは無いので、今度たくさんの方が訳されている不思議の国のアリスなど読んで比べてみます。 英語はもちろん、文章力を磨くことも頑張ろうと思います。 ご回答ありがとうございました!
英検2級程度ですが回答させてもらいます。英検1級(合格率5%)受かる人じゃないと人文の翻訳は無理です。 最低でも準1級(合格率10%)合格でTOEICと呼ばれる文系の大学生が殆ど受けるテストで、スコア800(経済学部や法学部生で一流企業に受かりたい学生はこれを普通と思っている)の英語力でも学校の先生か英会話講師で給料を稼いでるのが実情です。 自分も副業で翻訳補助のバイトをしてますが送ってくる英語文章は男性のビジネス内容だけで、元フジテレビアナの内田恭子さんみたく準1級だったら、名前の認知度と話題つくりで文芸(物語?元経済学部で興味ありませんが)のてきとーな翻訳を依頼されますが彼女もそれで本が出るのは一生に一度だけだと思います。 よくわからないけど神大の給費を狙ってる現役なら、高校でまじめ的な生徒だと思うから現実的な進路も調べたほうがいいです。
お礼
お礼が遅れて申し訳ありません。 手厳しいご意見、ありがとうございます。 英検は準2どまりでTOEICにいたっては未経験です…。 これから挑戦します!
- shochuu
- ベストアンサー率24% (6/25)
いまどき珍しい努力型の人ですね。頑張ってください。 私は英語力はまぁまぁだったと自負しているのですが、翻訳本を読んでいて感じることがあります。 技術・ビジネス・産業 翻訳で重要なのは、そこそこの専門知識とか用語とかです。 これは英語をきちんと勉強すれば到達できるでしょう。こちらは努力次第。 ちょっと微妙なのは文芸的なものの翻訳です。 外国語そのものの知識も重要ですが、日本語にした時の言葉が重要です。 意味は同じでも、読む人の気持ちにスッと入るような文章を書けるのが良い訳でしょう。 私にはそういう文章は書けないと思いました。 私の学生の頃、理系でした。 ある英語の授業で教授に指名されて、ある学生が日本語訳をしていたら、その教授が 「君はセンスがあるね」と言いました。文法力よりも日本語の表現に何かあった様です。 その人は翌年、理工学部をやめて、文学部に入りなおしました。 その後、どうなられたかは知りませんが、才能の重要さ、を感じた事件でした。
お礼
お礼が遅れて申し訳ありません。 ご回答ありがとうございます! 読む人の気持ちにスッと入るような文章ですか、いくら正確でも硬すぎたら読みにくいですもんね。 そういう訳を書けるように頑張りたいです。 学部を変えて入りなおすというのも凄いですね。 文章のセンス、その方のように天性のものも必要でしょうが、磨けるだけ磨こうと思います。
お礼
お礼が遅くなって申し訳ありません。 とても詳しく教えていただき、ありがとうございました! 言われてみれば、ということが多々ありました。 無理に大学で学ぼうと思わなくてもいいんですね。 大学選びの幅が広がりました! 教えていただいた本、探してみました。 ネットで見つけたので、受験が終わったら購入しようと考えています。 それから区の図書館で、翻訳に関するハウツー本のような物をたくさん見つけました。 それらを使って、まずは自分でやってみます。 英語圏への留学はしてみたいと思っているので、留学がカリキュラムに含まれている大学を探そうと思います。 漢検は申し込んでしまったので頑張ります; 本当にありがとうございました!!