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賃金の前払いに条件はつけられる?

(1) 労働基準法24条には 「賃金は通貨で直接労働者にその全額を支払わなければならない」とあります。 これは即ち、「賃金支払債務は、労働の対価として当然に全額を支払うもので、相手方の有する何か別の債務と相殺することはできない性質のもの」と解しました。これは正しい解釈でしょうか? (2)もし(1)が正しいならばですが… 既に労務の提供が終わっている賃金の支払期日前の前払いを労働者の都合で求められた場合に、労働者に対して、賃金の支払いに何かしらの条件をつけることは許されるかという問題について考えたいと思います。 ここでいう条件とは、例えば「労働者が自己都合で急に辞めることでシフトに空きが生じることから、労働者に対して,シフトを埋めるための人間を提供するよう求めるもの」だとします。 また、この条件について労働者も承諾したとします。 …… 条件をつけることが許されるかについて ⇒(1)の趣旨を考えるならば、労働者に賃金を払うことと引き換えに、労働者に債務を負わせることはできない訳です。 また、賃金を支払うのが期日払いであっても前払いであっても、それは支払日が異なるだけの差であり、ともに同じ賃金です。とすれば、前払い賃金であってもその支払いに条件をつけることはできないはずです。 ⇒すなわち、先の例では、 使用者は労働者に対して、条件が守られなくても、当然に賃金の全額を前払いする必要があることになります。 ⇒しかしこのことは裏を返せば、シフトに穴を空けることに関して労働者に労務の提供という社会的責務を負わせないでよいことを意味します。 これでは、使用者に不測の事態を生じさせることを正当化させ、均衡が取れた結論ではないといえるでしょう。 …… では均衡をとるには一体どうすればよいのでしょうか? そしてそもそも条件をつけることは許されるのか?許されないのか? どなたかご意見やご回答を下さると幸いです。

みんなの回答

  • neKo_deux
  • ベストアンサー率44% (5541/12319)
回答No.3

> 結局のところ… > 賃金の支払いに条件をつけても、賃金支払債務の性質上、支払いは条件の履行に対抗できない。 > …で正しいのでしょうか? 条件の内容によります。 質問の「シフトを埋めるための人間を提供するよう求めるもの」の条件は無効です。 理由としては、No.2さんが提示してくれているように、原始的履行不能な契約と解釈されるからとか。 無断欠勤、バックレて退職した社員などに対し「手渡しするから取りに来い」なんかの条件は有効(賃金不払いとしては処理されない)になる場合があります。 -- > 回答者様は「前借り」という表現を使われていますが、「前借り」と称すれば支払い賃金の額を減少させても問題はない、そういうことなのでしょうか? 称すればというか… 4月の賃金は30万円です。 4月の給料日に、会社から労働者に、4月の賃金30万円を支払いしました。 5月の賃金は30万円の予定です。 5月の給料日前ですが、労働者の借金の返済が厳しいとかで頼み込まれ、5月の賃金を10万円前借して支払いました。 5月の給料日に、会社から労働者に、5月の賃金として残りの20万円を支払いしました。 以上、当たり前の話では。 賃金全額支払いの原則で、5月の給料日にも30万円支払わなきゃならないなんて事は無いです。 (前倒しで支払いしてるんですから。) 労働者側が賃金不払いなんかを訴えても、裁判にすらならないケースだと思います。 (賃金の前借りでなくて、通常の借金だとかって話なら別で、天引きするには労働者の同意が必要かも知れませんが…。) -- > 「本来の賃金相当額は支払われない」即ち、賃金の支払いには条件をつけてもよいと言っているように読めます。 > 前払か,本来の期日払かで賃金債務の性質は変わると解釈すべきなのでしょうか? 「こういう場合」は「こう」という事例を挙げているだけです。 無条件に「こう」だなんて言ってるわけでは無いです。 なんか、意図的に曲解しようとしているようにも見えるんですが…。 労働基準法第24条に「~賃金の一部を控除して支払うことができる。」ってあるから、(無条件に)全額支払いしなくていいですよね。 とか。

  • srafp
  • ベストアンサー率56% (2185/3855)
回答No.2

> これは即ち、「賃金支払債務は、労働の対価として当然に全額を支払うもので、 > 相手方の有する何か別の債務と相殺することはできない性質のもの」と解しました。 > これは正しい解釈でしょうか? 1番様が書かれていますが、24条第1項の但し書きをよく読んでください。 例えば、ご質問文に出てくる『労働者が有する別の債務との相殺』を取り上げれば 1 『法令に別段の定めが有る場合』を根拠とする控除(相殺)例   ・厚年保険料:厚年法§84   ・雇用保険料:徴収法§31   ・所得税:所得税法§183-203   ・個人住民税:地税法§321の3、321の4 2 『書面による協定が有る場合』を根拠とする控除(相殺)例   ・社内販売代金   ・互助会費   ・社内積立金の控除 尚、ワキ情報ですが・・・ 1番様が現物給付の1例として「通勤用の定期券」を挙げておられますが、これは同法の但し書きにある『ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について・・』の中の「労働協約」を根拠としているので、次の場合には「通勤用の定期券」と言う現物給付は法律違反となります。  ・労働協約に定めが無い  ・労動組合が無い会社[労働協約は会社と労働組合が締結する物であり、労使書面協定とは別物] > では均衡をとるには一体どうすればよいのでしょうか? > そしてそもそも条件をつけることは許されるのか?許されないのか? 先ず、労基法第25条により既往の労働に対する賃金は企業側に支払義務が生じます。 シフトの代替要員に関しては原始的履行不能な契約なので無効と解するべきです。 その結果、当日は「ノーワークノーペイ」の常識的な法理により、欠勤に対する賃金カット。 且つ、会社が明らかな損害を被った場合には、その実額以内での損害賠償は可能であり、この損害賠償は労基法第16条に該当しない。 但し、相殺はできない。その理由の1つとして、法第26条による金銭支払が先に生じており、損害賠償額が確定するのは、欠勤日が経過した後だから。 以上が社会保険労務士の勉強をするときに教わる論理です。

yuramiss
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。おかげで社会保険労務士の仕事の理解も深まりました。

  • neKo_deux
  • ベストアンサー率44% (5541/12319)
回答No.1

> 労働基準法24条には > 「賃金は通貨で直接労働者にその全額を支払わなければならない」とあります。 「ただし~」と続いて、労働協約なんかを結ぶ事で、賃金以外のもので支払う事も出来るって事になっています。 いわゆる現物支給のケースとか。 交通費でなく定期券の支給なんかも、こちらになるとかって解釈もあります。 > 相手方の有する何か別の債務と相殺することはできない性質のもの」と解しました。これは正しい解釈でしょうか? 後述の賃金の非常時払で前借りなんかしてる場合には、相殺というか、本来の賃金は支払いされないのが普通だと思いますが。 少なくとも、労使で協約を結んで天引きされる分には問題にならないと思います。 食堂で飲食した分とか。 労働組合の組合費とか。 社員旅行やレクリエーション費の積み立てとか。 > 既に労務の提供が終わっている賃金の支払期日前の前払いを労働者の都合で求められた場合に、 24条2項では、 | 2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。 って事で、支払期日に支払いすれば十分で、前払いの請求には応じる必要が無いです。 例外は、25条の非常時払とか。 > ここでいう条件とは、例えば「労働者が自己都合で急に辞めることでシフトに空きが生じることから、労働者に対して,シフトを埋めるための人間を提供するよう求めるもの」だとします。 > 条件をつけることが許されるかについて 会社がそういう「お願い」をする事は問題にならないです。 従業員から同僚なんかに、シフトに入ってもらうようお願い、相談してもらうとかがせいぜいでは。 強制、強要したとして、社員がバックレても、会社はどうにも出来ません。 結果的にシフトに穴が空いても、会社の業務管理が不十分でしたって以上の話にはならないです。 > ⇒しかしこのことは裏を返せば、シフトに穴を空けることに関して労働者に労務の提供という社会的責務を負わせないでよいことを意味します。 極端な話、突然の事故や病気で労働者が死んじゃった、働けなくなったって状況を想像して下さい。 葬儀の席なんかで、遺族の前で、「シフトに穴を空けやがって」「損害賠償だ」ってゴネるなんかして、経営者の無能さや常識の無さをさらしてみるくらいしか出来ません。 > では均衡をとるには一体どうすればよいのでしょうか? 不測の事態に備えて、ある程度余裕を持った要員でシフトを組みます。 突然退職なんて事にならないよう、普段から従業員と十分にコミュニケーションを取ります。 万が一に備え、保険なんかに加入します。 とか。 そういう余分な人件費、手間や保険料を取るか、リスクを取るかの、リスク管理の問題では。 ただし、事故や病気は置いといて、突然退職するような事が無いように、会社が十分な指導や配慮を行う、待遇や報酬を支払うなんかしていたのにも関わらずって事なら、損害賠償請求なんかを行う余地はあります。

yuramiss
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 結局のところ… 賃金の支払いに条件をつけても、賃金支払債務の性質上、支払いは条件の履行に対抗できない。 …で正しいのでしょうか? >後述の賃金の非常時払で前借りなんかしてる場合には、相殺というか、本来の賃金は支払いされないのが普通だと思いますが。 少なくとも、労使で協約を結んで天引きされる分には問題にならないと思います。 ↑これを読む限りでは、 「本来の賃金相当額は支払われない」即ち、賃金の支払いには条件をつけてもよいと言っているように読めます。 前払か,本来の期日払かで賃金債務の性質は変わると解釈すべきなのでしょうか? それとも、 回答者様は「前借り」という表現を使われていますが、「前借り」と称すれば支払い賃金の額を減少させても問題はない、そういうことなのでしょうか?

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