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黒体輻射

原子のスペクトルは離散的なのに黒体輻射はなぜ連続に近いスペクトルになるのでしょう。空洞の大きさをLとするとスペクトルはnπ/Lで原子の種類より空洞の大きさに依存するというのもよく分かりません。空洞を小さくするとスペクトルが離散的なのが観測されたりするのでしょうか。

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  • LCR707
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回答No.3

 こんにちわ。黒体輻射は量子論の入り口で必ず出てくるテーマですよね。このあと普通はバルマー系列、ライマン系列などの輝線スペクトルの話が続きます。  バルマー系列などは、水素の希ガス放電による光のスペクトルなので、水素原子はそれぞればらばらに存在し、そのエネルギー準位が他の水素原子の影響を受けないので、その発光スペクトルは安定です。  一方黒体は、例えば黒鉛などは炭素の共有結合の集合体?なので、その表面のフェルミ準位近くには多くの準位が存在し、なおかつ場所によってもその準位がくねくねと上下しており、それによってさまざまな波長の光を吸収・放出できるのだろうと私は理解しています。  空洞内のスペクトルは、空洞の長さLに共振する定在波のようなものだと思います。そのエネルギーが必ずしも空洞を作る原子から供給される必要は無く、どこかの小さな穴から供給されても良いのではないでしょうか。  波長をずっと長くして考えると、マイクロ波の導波管内に発生する定在波を思い浮かべます。この位の波長になると、実際にプローブを差し込んで電圧を測ったりできます。基本波長以外に、2倍波、3倍波などを作れます。  話をもとに戻して、光レベルの波長となると実際にどうやって空洞を作るのか、想像しがたいですね。最近話題のカーボンナノチューブなどは、この位のサイズだったでしょうか?。もしできたら面白いのですが…。雑談みたいになってすいません。  久しぶりに量子力学の本を読んで書きました。自信はありません。間違いがありましたらご指摘下さい。

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。私は固体物理のことは何も分かっていないのですが、金属の一番簡単な自由電子模型では輻射場と全く同じ様に量子化できますから、ボゾンとフェルミオンの違いはありますが、空洞壁が放出する光のスペクトルは壁を構成している原子の種類よりも空洞の大きさに依存するような気がしてきました。空洞の穴は普通はエネルギーを供給するのではなく、スペクトルを観測するのに使われると思います。

その他の回答 (7)

  • KENZOU
  • ベストアンサー率54% (241/444)
回答No.8

#6のKENZOUです。 >空洞の大きさをLとするとスペクトルはnπ/Lで原子の種類 >より空洞の大きさに依存するというのもよく分かりません。 空洞内のいろんな波長の電磁波はそれぞれが定常波状態となっていることを表しているのではないでしょうか。非定常波であれば干渉効果で消えてしまいますから。 そこで#6に戻りますが、レイリーはその定常波の振動数が高くても低くても均等にエネルギーが分配されると考えたのでしたが、この理論は振動数の高い輻射スペクトルをうまく説明できなかったことがご存知の通りです。#6の記述はこの辺の経緯を述べています。 ところで黒体輻射の黒体ですが、黒体とは「温度に応じて、さまざまな光を出せるもの、逆にいろいろな光を吸収するもの」と定義されており、色つきの物体はその色に応じた光を発するので黒体としては不適切となります。つまり、加熱すると特殊な波長の光を出したり、同じ波長の光を吸収するような物質は黒体とは言わないのですね。それではなにがあるのかとなりますが、なんと鉄の箱が黒体に相当するのですね(←今回調べて知りました)。鉄の箱を加熱していくと自分の温度に応じた波長の光を出すという黒体の条件に合致しているんですね。 さて、黒体輻射の連続スペクトルはう上で述べました「黒体の定義」辺りにその秘密が潜んでいると思うのですが。どうも量子論というより古典論的な話となってしまいました(笑い)。ご質問の意図はもっと深いところからなされているとも思いますが、とりあえず#6の補足まで。

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。高温に熱することができる物質ならばどんなものでも空洞にして小さな穴を開ければ吸収率が1になるので黒体になるらしいです。

  • First_Noel
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回答No.7

#5です.再び失礼致します. >もし仮に原子スペクトルが いたるところにあると仮定して, >熱平衡が成立するとすれば, その沢山のスペクトルのピークは, >黒体輻射の分布に一致します. これは,その原子と外部とのやりとりが十分あって熱平衡に なっている場合です. 実際に人間が作る空洞の中に原子があって,その原子のスペクトルが 至るところにあれば・・・と言う意味でした. (空洞の中になくても良いのですが.) 原子スペクトルが離散的なのは,空洞のスケールが原因ではなく, 原子内の電子の軌道が様々な量子数について,量子条件を満たすような 離散的な軌道に限定されることが原因です.

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。熱力学の第二法則により平衡な輻射のスペクトル密度が壁の物質の性質に依らないことを示したのはキルヒホッフだそうですが、微視的にはどうなっているのかよく分かりません。

grothendieck
質問者

補足

空洞の大きさが波長に比べて大きくない時には自発放出の抑制や増強という現象が観測されているそうです。でもやっぱり黒体輻射は微視的にはどうなっているのかよく分かりません。アインシュタインの昔の論文などを読んだ方がいいのでしょうか。

  • KENZOU
  • ベストアンサー率54% (241/444)
回答No.6

頓珍漢なアドバイスとなるかも知れませんが、朝永振一郎著「量子力学(1)」(1971.5.10第2版)の第1章エネルギー量子の発見§8の処に、エネルギーの原子的構造(離散的)を考慮したときの分配法則の議論があって、つづいて次ぎのような記述があります。長いですが以下に引用しますと 「ε=hν によれば、エネルギーの素量はνが大きいほど大である。従ってエネルギーの不連続性はνが大きい振動系ほど著しく現れることになる。また、われわれがスケールの大きい問題を取り扱う場合には物質を連続体とみなしてよかったように、問題にするエネルギーの量が十分大きいならエネルギーの原子的構造は問題でなくなる。このことから熱的つりあいの問題においてkTがhνより十分大きいならエネルギーを連続体とみてよく、従って等分配の法則はよく成立することになる。これに反しhνがkTより大ならエネルギー素量が重要な役目をして、等分配の法則が成立しなくなるのである。すなわちこのとき、素量がたった1個分配されてもそのエネルギーEはkTよりはるかに大きくなり、したがってその確率exp(-E/kT)は非常に小さくなる。だから、こういうときには、その自由度にエネルギーはほとんど分配されない。これがその自由度が死んでしまう原因である。」

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。お礼が遅くなって申し訳ありませんでした。kTがhνより十分大きいから連続の様に見えるのでしょうか。

  • First_Noel
  • ベストアンサー率31% (508/1597)
回答No.5

>原子のスペクトルは離散的なのに 離散的なのは,束縛-束縛の遷移の電子のエネルギー差が 有限値となるからですが,もし仮に原子スペクトルが いたるところにあると仮定して,熱平衡が成立するとすれば, その沢山のスペクトルのピークは,黒体輻射の分布に一致します. >黒体輻射はなぜ連続に近いスペクトルになるのでしょう。 空洞のスケールが電磁波の波長よりずっと大きいからです.

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。ご回答の中で >もし仮に原子スペクトルが いたるところにあると仮定して,熱平衡が成立するとすれば, その沢山のスペクトルのピークは,黒体輻射の分布に一致します. という部分は私にはよく分かりません。  私の記憶に間違いがなければ可視光の波長は数千A(Aはオングストロームのつもり)程度でmに直すと10^-7 m。こんな空洞はできそうにありませんね。しかし低温にするとスペクトルのピークは長波長側になってきます。強度自体も小さくなってくるので観測は難しいと思いますが離散的な黒体輻射が観測できるかもと考えてしまいました。

noname#108554
noname#108554
回答No.4

要するに空洞を立方体でなく極端に平べったい直方体とかにすると スペクトルはどういう風に変わるのか? という問題提議でいいですか? カシミール効果みたいなものですかね? スペクトルの境界条件依存性というか。 面白そうな話です。 もうちょっと考えてみます。

  • Mell-Lily
  • ベストアンサー率27% (258/936)
回答No.2

一般的に、電磁波は、電荷を帯びた物体が、加速度運動するときに放射されます。電子を抱えた原子や分子が、振動したり、回転したりすれば、やはり、電磁波が放射されます。したがって、スペクトルは、離散的にはならないわけです。

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。古典的には電磁波は電荷が加速度運動する時に放出されますが、量子論で考えたいと思います。フォノンのスペクトルの間隔と電子のスペクトルはかなり異なるので分けて考えることができると思いますが、これもスペクトルが連続になるのに寄与しているのでしょうか?

  • gattonero
  • ベストアンサー率33% (42/127)
回答No.1

宇宙論の話しですよね? 電磁波の観測で、どっちむいても絶対温度3ケルビンが観測されることが分かって、 説明がつかんので、ビッグバンという説明はどうでしょうか? と考え出したところから、いまの宇宙論がでてきている、 と理解してます。 私は文系だもので細かいことはサッパリなんですが、 観測されたという事実があるだけで、それが何によって生じているのかは、誰も説明つけられてないんだと思います。 ビッグバンじゃないの?という程度だと思ってます。 あまりそれについて細かく考えても前提が「ビッグバンだとしたら」に立脚してるだけなので、 あやういのではないでしょうか。 ‥‥答えになってないですね。ごめんなさい。

grothendieck
質問者

補足

御回答ありがとうございます。宇宙論ではなくて、量子力学の成立期にプランク定数導入の契機になった黒体輻射を考えています。

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