• ベストアンサー

内心の自由、表現の自由、精神の自由

kobanaoの回答

  • ベストアンサー
  • kobanao
  • ベストアンサー率83% (5/6)
回答No.2

日本国憲法を質問の前提と解しますが、まずは、憲法学の体系書を読むことからはじめるとよいと思います。 公務員試験から司法試験受験生まで幅広く読まれている 芦部 信喜【著】『新版 憲法』(岩波書店)がお勧めです。個別的な論点で若干説明不足もありますが、網羅的ですし、簡潔にまとまっていて憲法学の体系を理解しやすいと思います。また、大学や公立図書館にも必ずある一冊とおもいます。 さて、老婆心から申し上げると、論文のテーマが漠然としているようですので、更に論点を絞ることをお勧めします。「精神的自由」について原理的に考察をはじめると大論文になってしまうでしょうし。 質問に対するアドバイスに入りたいと思いますが、 日本の憲法学では、精神的自由の中に(1)思想・良心の自由(2)信教の自由(3)学問の自由(4)表現の自由が入ることは学説上異論の無いところだと思います。 (1)思想・良心の自由については内面的な精神の自由です。問題となるのが、謝罪広告の強制、沈黙の自由の侵害(内心の表白の強制)、兵役拒否(良心の自由から・徴兵制とかかわります。) (2)信教の自由については、内面的な精神的自由と表現行為という外面的な精神的自由の二つの面を持ち併せています。たとえば、信仰する自由、信仰を変える自由、信仰を強制されない自由等は、思想良心の自由と重複します。 宗教的行為(宗教活動、宣伝など)や宗教上の結社の自由は、表現行為の一部であり、外面的な精神的自由といえます。信教の自由の限界が問われた重要な事件が『オウム真理事件』がありました。 (3)学問の自由は、大学の自治と深く係わり合いがあるのですが、これも真理探究の場である大学での研究成果の発表という外面的な精神的自由である、表現行為となります。まだ、多くの論点がありますが、割愛。 (4)表現の自由は、「人の内心における精神作用を、方法の如何を問わず、外部に公表する精神活動の自由」(佐藤幸治『憲法第3版』)と解されています。内心の自由と深い関係にあります。詳細な論点については、割愛。  内心の自由、精神的自由に関する事例は数を上げると限りないですが、主要な事例をまとめたジュリスト別冊「憲法判例百選」(有斐閣)からピックアップして調べてみるのがよいとおもいます。  手前味噌となってしまいますが、私自身は米国憲法の研究をしていますので、お勧めの事件を一つ。 それは、エホバの証人の信者である生徒が米国国旗(星条旗)への敬譲を強制されない自由を主張した事件です。 「バーネット事件」といわれています。 West virginia B'd of Education v. Barnette,319 U.S. 624 この事件は、第二次世界大戦中の米国で起きた事件ですが、国威発揚で星条旗が用いられた米国で、エホバの証人の思想・良心・信教の自由を保護した事例です。方や日本はあらゆる思想を弾圧していた時代と同時期にリベラルな判決が米国では出ているのです。  この事件は、最近では、国旗・国歌法の通過によって注目を浴びています。今でも色あせない高い理念をともなった米国連邦最高裁の判決です。  こういう事件の判決をみると、今の日本は?米国は?などと思索をめぐらすことになり、興味が尽きません。  それでは、論文、がんばってください。

poohtarou
質問者

お礼

お礼が遅くなりましてすみません。回答ありがとうございます。とても細かな点まで、そして論文に対するご指導までしてくださってとてもありがたく思っております。 自由というものについて真剣に考え、その考えを論文という形で表すということは、初めてのことです。こうして自由について考えてみると、どこまでも考えが広がっていき、同時に自由を定義することはとても難しいことに気がつきました。今回の論文を通して、今一度、真剣に考えてみたいと思っております。 参考文献や事例・事件に関しても情報を提供していただき、本当に感謝しております。論文、がんばりたいと思います。ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

関連するQ&A

  • 表現の自由と児童ポルノ

    表現の自由と児童ポルノ 児童ポルノの発言は禁止されていますが。 10年前に都市の一応大手の書店で児童ポルノの本を売っていたことがあります。 私自身は精神的に混乱している時期で、思わず買った経験がありますが、後になり考えてしまうことがありました。 どうして置いてあったのか。 警察がマークしようとしているのか? (犯罪者を増やして逮捕する?) 誰かが呪いでも掛けようとしているのか? (悪い人には呪いを?) (言葉の表現上で呪いという意味は理解できるが、昔の人は地球上に住んでいるということを理解していないから、呪いを掛けたら誰に掛かるか判断できないと思う。昔の人でなくても、そうだと思う。) 誰かが待ち構えているのか? (誰だろう?) 性対象として考えるより、違う思いがありました。 性対象(子孫繁栄)として考えるには、母胎に危険な年齢の範囲です。 また、雑誌を見ると興奮するので、一時的な精神異常か脳の異常とも捉えられると思う。 知識が豊富とまでいかなくとも、豊かになってくると色々と考え判断してしまいます。 表現の自由とはありますが、犯罪に繋がってしまうのはどうかと思う。 確かに金を集めるには、良いかもしれないが・・・? 愚民はどうでも良いって? 私は愚民。 私は混乱している時期があり、今でも少し混乱しているかもしれない。 表現の自由、どう思います?

  • 表現の自由とは?

    表現の自由という有名な言葉があります。社会科の教科書や法律書や国語辞典など、様々な図書にこの言葉が載っていて、説明されています。 だけど、この自由はとても弱い自由だと、私は思います。何故ならば、表現の自由が有効な範囲は対国家権力くらいだからです。国家権力を有する者は、全国民の5%くらいでしょうか。つまり、残り95%の者は、他人の表現の自由を侵害できるのです。表現の自由の自由度は、狭い感じがします。寧ろ、他人の表現の自由を侵害する自由の方が強力です。 生徒が茶髪とは何事だ!って吠える校長先生 職員が刺青いれるとは何事だ!って吠える大阪市長 マンガに過激な性的描写を取り入れるとは何事だ!って吠える東京都知事 スノーボードの日本代表選手が制服のシャツの裾を出すとは何事だ!って吠えるナントカ委員会 まことちゃんハウスのシマシマ模様を塗り替えようとする楳図かずおの隣人 バカなこと言うな!っていう人 もし表現の自由の有効範囲を対全国民に拡大すると、日本はドーなりますか?世の中がグチャグチャになりますか?基本的人権としては強すぎでしょうか? 例えば、美容室のカラーリングの宣材写真撮影を考えます。写真撮影当日に、店長とモデルは揉めました。 店長:この染料であなたの髪を栗色に染めよう。 モデル:私は今の黒髪が良い。カラーリングなんて嫌だ。 店長:おかしな発言するね。これはカラーリングの写真撮影で、あなたはカラーリングモデルだ。だから、私の用意した染料で髪の色を変えて 貰います。 モデル: この黒髪は私の表現だ。この黒髪を表現する自由が私にはあるんだ。店長は私の表現の自由を侵害している。 店長:少し落ち着いて、整理しよう。あなたはカラーリングモデルですか? モデル:はい、私はカラーリングモデルです。 店長:あなたは、自然な黒髪のカラーリングモデルですか?いつカラーリングするんですか?ずっと黒髪なら、カラーリングを省いたカラーリングモデルです。つまり、黒髪とカラーリングが矛盾していませんか? モデル:確かに矛盾していますが、私には表現の自由があるんです。 店長:あなたの人権は正当だし、発言も合法的です。しかし、カラーリングの宣材写真撮影を拒否するのなら、前払いで支払ったギャラを返してもらうからね。 こんな具合に、カラーリングモデルが持つ表現の自由を店長が尊重しなければいけないとなると、黒髪のカラーリングモデルという矛盾を作る事になるのかな?つまり、モデルの髪の色を変えさせてカラーリングモデルとしての職務を果たさせるには、モデルの表現の自由を店長は侵害しますよね?

  • 表現の自由と自然権の対立について

    シャリル・エブド襲撃事件で、事件後、ペンの自由(表現の自由)を訴えての追悼集会が各国で催されていました。この人権のひとつである表現の自由はどんなことがあっても侵害されない権利ということを主張していると思うのですが、一つ目の質問は、人権は、そもそも権力者(国家)と被権力者(市民)間での話であって、被権力者(市民)間の話ではないと思うのですが、つまりは、表現の自由はそもそも被権力者間では自然発生していて、今回は、襲撃者側が持つもう一つの自由(人権)との対立があったに過ぎないと思うのですが、そのあたりのロジックを教えてください。もう少し補足すると、被権力者間で自由や人権が侵害されるのは、他方が異なる自由や人権を行使し対立が起きた状態で、自由や人権を国家が奪うという次元ではないように思えます。これに関連して、二つ目の質問は、今回の襲撃者は、国家が公共の福祉を理由に自由を制限している報復の自由を行使したのだと思うのですが、言い換えると、国家が法律で制限するものの本源的には持ちうる自由(人権)を行使しただけのように思えます。つまりは、同じ自由(人権)のぶつかり合いの中で、表現の自由が優位概念ではないように思えます。さらに踏み込むと、今回のような風刺画を表現の自由ということで誰も侵害できないものとすることに対して、歯止めをかける考え方がないのだろうかとロジックを探しています。どうぞ助言よろしくお願いいたします。

  • 自由英作文で使える表現!

    国立大学受験を1週間後に控えている高3の者です☆ 私の受験する大学では毎年100~250語程度の自由英作文が出題されるのですが(「~についてどう思うか自由に○○語以上の英語で答えよ」というような形式のものです)、そのときに使える表現を前もっていろいろストックしておきたいと思っています。 そのうち、私が考えているのは、 「~について思うことはいろいろあるが、その中でも特に~だと思う」というような表現です。 たとえば、「大学生になったら何をしたいか」であれば、「大学生になったらしたいことはいろいろあるが、その中でも特に力を入れたいのは勉強である」というような感じです。 「無人島に3つ持っていけるものがあるとすれば何を持っていくか」とか、「日本の教育の問題点について」とか、どんなテーマでもある程度応用がきく表現にしたいのです。 そこで、どなたか上のような表現を英語に直して頂けませんか? また、他にも何かオールマイティに使える表現があったら教えていただきたいのです(>_<) 面倒な質問だとは思いますが、自分ではなかなか思いつけなくて・・どうぞよろしくお願いします。。

  • 表現の自由って本当に必要なんですか?

     表現の自由って本当に必要なんですか? どこかの県の警察が 暴走族のイメージダウンを目的として「ダサい族」という名称で呼ぶことを決めたみたいですね 今後、ダサイ族という言葉が定着したら、暴走族は減るのでしょうか? もし減るとしたら、漫画や表現の自由の範囲で許されている行為に対しても規制を設けたら、もっと犯罪を減らすことができるのではないでしょうか? そもそも、今回の名称変更の狙いは 暴走行為=かっこいい という発想があるから、やっちゃう人がいるわけで それを 暴走行為=ダサイ とすれば、それをやろうとする若者を減らせるのではないだろうかという発想ですよね たとえば、クローズなどの不良をモチーフにした漫画や、ヤクザ映画などはどうなんでしょうか? ああいう漫画を少年時代に読んで触発されて、そういう行動に走ってしまうのではないでしょうか?

  • 自由とは?

    自由は権利であるというのが世界の常識のように存在しますが 自由を主張するには、その人間の人格、道徳、常識があっての上に成り立つものだと思います。 日本の常識が世界には通用しないことだってあります。 表現の自由、宗教の自由、言論の自由・・・・はい? その自由によって誰かが不自由になる連鎖的なものもありますし、 人を踏み台に自由を得るという事はどうなのかと思うし・・・・ そもそも自由って?ってなってしまってます。

  • 二重の基準論と表現の自由の優越的価値の違い

    憲法を勉強しているのですが、二重の基準論と表現の自由の優越的価値の違いとはなんなのでしょうか?? 表現の自由というか、精神の自由は自己実現や自己統治において重要な権利であるから、人権の違憲審査にあたって、その合憲性は経済的自由を規制する立法よりも厳しい基準で審査されなくてはならない というのが二重の基準論ですよね?? それとも、考えが根本的に間違っているのでしょうか; よかったら教えてください。

  • 中学 自由研究 

     こんにちは、始めまして。   中学一年生ですが、私も例に漏れず夏休みの理科論文に悩んでいます。   ☆タンポポコーヒーをテーマ候補のひとつとして考えています。     ~4日間位で完成させられるでしょうか?  ☆普通のコーヒーとタンポポコーヒーとの違いはなにか、というテーマで十分な自由研究として成り立ちますでしょうか・・・ ´`(レポート用紙5枚指定です。)  ☆出来るとしたら、どのような実験が良いでしょうか。  ☆実行できないなら、おススメの研究テーマをお願い致します。  ☆頼りっきりで申し訳ございません。 宜しくお願い致します。

  • 〔論文〕日本人とアメリカ人の感情表現の違いについて

    大学の課題で英語論文を書かなくてはいけないのですが、アウトラインの段階で息詰まってしまいました。 論文のテーマを「アメリカ人に理解の難しい日本人の感情表現」にしました。 "日本人は目で、アメリカ人は口で感情の判断をする" など、両国の感情表現方法の違いなどを比較しながら論文を仕上げていこうと思うのですが、どのように論文を展開していったらよいのか、 みなさんの意見お願いします。また、参考文献などがありましたら教えてください。お願いします。

  • 精神病理と作家

    現在大学4年生で、卒論のテーマで「精神病理と書く事」についてやろうと思っているんですが、精神病の作家と言うと芥川や三島、太宰くらいしか思いつきません。 他にも「この作家が精神病を患ってたよ~」という作家がいたら病理名と共に教えて下さい。 出来れば「書く」という行為が精神病理にどう影響したかを知りたいので、良い症例と悪い症例が顕著に出た作家が知りたいです。 それと、既に亡くなっている作家である事。 過去に何件か研究論文が出ている事が望ましいです。(全く無いのも書き難いので…) 因みに専攻は臨床心理です。 今更ですが「精神病」の言葉に対して不快に思われる方がいらしたら申し訳有りませんでした。