• 締切済み

ニトロ化

composerの回答

  • composer
  • ベストアンサー率18% (9/48)
回答No.9

有機の反応は電子の動きや状態が非常に重要になってきます。高校では、そんなことまで教えないから単純暗記だった反応なども、電子を知ればなんでそうなるかの予想や説明が出来るようになります。そうなってきたら、「化学っておもしろい!」って今まで以上に思えてきます。高校でももっと教えてくれたらいいのにと思います。今高3なんですが、受験勉強そっちのけで、混成軌道とか求電子置換とかやってます。 話を戻します。#7からもう少し踏み込んだ説明をします。 トルエンなど、置換ベンゼン環に第2の置換が起こるときは、元の置換基の位置から、オルト攻撃、メタ攻撃、パラ攻撃の三ヶ所で反応が起こる可能性がありますよね? その可能性は40%:40%:20%です。ですが、実際の生成物は、これとはまったく違った比で生成されます。 なぜでしょう。 ここで、例えば置換基がスルホン酸基だったとします。 Oは電気陰性度が非常に高いので、電子を自身に引きつけたがります。その結果、ベンゼン環から電子を求引します(電子求引性) 逆に、メチル基などは、ベンゼン環のほうへ電子を与えたがります(電子供与性) オルト攻撃と、パラ攻撃では、元の置換基の根元の炭素に、正電荷を与えます(これは中間体カチオンの共鳴構造を書けるとわかるのですが、高校の知識では説明が難しいので、省きます。すいません) ここで、考えてみてください。すでに電子供与性基によって電子を引っ張られている場合、根元の炭素はプラスの電荷を帯びています。攻撃によって、根元の炭素がさらにプラスになるということは、プラスにプラスが重なって非常にきついので、不安定です。 逆に、電子供与性基によって、電子を与えられている炭素はマイナスの電荷を帯びています。攻撃によって根元の炭素が電気的にプラスになるということは、プラスマイナスで打ち消しあって非常に安定になります。 つまり、電子供与性基は、オルト・パラ攻撃によって出来る反応の中間体を安定化させ、逆に電子供与性基はオルト・パラ攻撃によって出来る反応の中間体を不安定化させるといえます。 中間体が不安定ということは、せっかく反応しても、すぐに元に戻ってしまうということです。なので、結果的にメタ位に置換基がついた化合物が沢山できます。 つまり、「オルト・パラ配向性」は積極的選択であり「メタ配向性」は消極的選択といえます。 余談ですが、また、電子供与性、電子求引性は、ベンゼン環の反応性にも大きな影響を与えます。 ベンゼン環は非常に豊富な電子を持っています。電子密度が高いのです。なので、H+など、電子不足種による求電子攻撃を受けやすいのです。(エチレンなどの二重結合が付加反応をおこしやすいのも、同じ理由からです)だから、「オルト・パラ配向性」をもつ置換基(電子供与性基)がつくと、さらに反応性が高まります(電子密度が上がるから)実際、トルエンはベンゼンの24.5倍の反応性を持ちます。 逆に「メタ配向性」をもつ置換基(電子求引性基)は、ベンゼン環の電子密度を下げるため、反応性を下げます(不活性化基といいます)ニトロベンゼンはベンゼンの1/10,000,000の反応性しか持っていません。ニトロ基は強力な不活性化基といえます。 ただ、ハロゲンは例外です。オルト・パラ配向性でありながら、不活性化基です。これは、ハロゲン原子が、非共有電子対(ローンペア)をベンゼンに供与できる電子供与性と、電気陰性度の高さによる電子求引性(誘起効果)の両面性を持つからです。面白いでしょ?

naokirich
質問者

お礼

おもしろいちゃおもしろいけどやっぱ難しい!!!高3ですか??化学系の学部いくんですか?おれは大学いかんけど・・・笑

関連するQ&A

  • ベンゼン環のニトロ化とその性質について

    ベンゼン間の勉強をしていたところ、ピクリン酸が強酸性な事が書いてありました。 ふと疑問に思ったのですが、ピクリン酸の原料となるフェノールは炭酸より弱い酸なのに、なぜニトロ化しただけで、強酸性になるのでしょうか? また、ニトロ化したことが、強酸性になる理由だとしたら、なぜニトロベンゼンはなぜ中性なのでしょうか? そのほかにも、フェノールじゃなくトルエンをニトロ化したトリニトロトルエンは、何性なのでしょか? おしえてくださいおねがいします。

  • ニトロフェノールの配向性について

     実験でフェノールをニトロ化する場合に関しての質問です。 1)ニトロ化は、温度を5℃から10℃程度で行った場合は、ニトロ基がひとつ付いた段階で反応が止まりますか。 2)フェノールなので、o.p配向性により、o-ニトロフェノールとp-ニトロフェノールが生成されると思いますが、その割合がどうなるのかどなたか説明して(もしくは説明・割合に言及している文献を教えて)いただきたいです。

  • モノニトロ化について

    アニソール 安息香酸 フェノール トルエン のモノニトロ化の条件について 知りたいのですが 解答 もしくは 参考資料を 知りたいのですが。 よろしかったら お答えください。 お願いします

  • ニトロ化について

    フェノールなどの電子供与性基がついた物質は、o-位とp-位にニトロ基が付きやすいとのことですが、この時、o-体とp-体の生成される比は同じですか? それとも、反応の温度などによって比率が変化するのでしょうか?

  • ニトロフェノールについて

    いつもお世話になっています。 学校で配布されたプリントに フェノールに希硝酸と濃硫酸を加えると o-,p-ニトロフェノール ができる と書かれていたのですが m-ニトロフェノールはできないのでしょうか? もし何か理由があれば教えて下さい。 高校の範囲外でも構いません。 よろしくお願いします。

  • ピクリン酸などについて

    ピクリン酸や2,4,6トリニトロトルエン(?トルエンに3つニトロが付いている) は、高温など、厳しい条件でしかできないと習ったのですが、 これはなぜでしょうか? たとえば、フェノールのモノニトロ化は p、Oが生成して、 次は、ニトロ基から見るとメタの位置は共鳴構造を 考えるとフェノールの電子供与により安定 になりますよね。 それだったら、モノニトロ化とそれほど条件を 変えなくても反応すると思うのですが・・・ 共鳴構造が間違っていますかね? 立体的な要素だけで、条件が厳しくなるのでしょうか? 工学部3年で有機は一通り習いました。

  • ニトロ化

    トルエンとベンゼンではどちらがニトロ化されやすいんですか?  

  • トルエンとフェノール

    トルエンとフェノールに関する 次の記述1~5のうちから 正しいものを二つ選べ。 1:トルエンは水に溶けにくいが 水酸化ナトリウム水溶液によく溶ける 2:フェノールを臭素水と反応させると ブロモベンゼンが生じる 3:トルエンとフェノールのベンゼン環に 直接結合している水素原子一個を メチル基にかえると, いずれからも三つの異性体ができる 4:トルエンとフェノールにそれぞれ 塩化鉄(III)水溶液を加えると いずれも青紫色を示す 5:トルエンとフェノールを,それぞれ 濃硝酸と濃硫酸の混合物と ともに加熱すると いずれもニトロ化される 誰かお願いします

  • フェノールのニトロ化について

    フェノールのニトロ化でシリカゲルを用いて、Rf値を求める実験なんですが。 自分の実験データでは、oーニトロフェノールの値が0.873、 p-ニトロフェノールの値が0.18となりました。この順番の原因は何ですか? 自分科学に関しては相当の無知で、まるで分かりません。 それと、中性の状態と塩基性の状態にてスペクトルを測定したのですが、 各UV、VISに対応するp-ニトロフェノールの構造を教えてください。 ちなみに、p-ニトロフェノールの方が濃い黄色を示すのは何故ですか? たくさん質問してすいません(^^;)

  • p-ニトロアセトアニリドのさらなるニトロ化

    大学の学生実験においてアセトアニリドのニトロ化を行いました。 その実験はアセトアニリドの濃硫酸溶液に氷浴中で濃硝酸を滴下、p-ニトロアセトアニリドを経て、p-ニトロアセトアニリンに加水分解するというものでした。 レポート課題も出され、そこにはp-ニトロアセトアニリドのさらなるニトロ化といった題材があり、それは「用いた濃硝酸・濃硫酸の物質量から考えると、p-ニトロアセトアニリドがさらにニトロ化され2-4-ジニトロアセトアニリド、2-4-6-トリニトロアセトアニリドといった化合物が生成する可能性が考えられる。しかし、実際にはほとんど生成しない。この理由について調べよ。」というものなのですが、いまいち分かりません。 -NHCOCH3はオルト-パラ配向性活性化基、-NO2はメタ配向性不活性化基ということは調べたのですが、これでは2,6がニトロ基で置換されてもおかしくないように思えます。 ニトロ基の不活性化作用の大きさや、アセチルアミノ基の立体障害なども考えましたが、なかなか確証を得ることができません。 どなたかわかる方はいらっしゃるでしょうか? お力添えをお願いします。