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p-ニトロアセトアニリドのさらなるニトロ化
大学の学生実験においてアセトアニリドのニトロ化を行いました。 その実験はアセトアニリドの濃硫酸溶液に氷浴中で濃硝酸を滴下、p-ニトロアセトアニリドを経て、p-ニトロアセトアニリンに加水分解するというものでした。 レポート課題も出され、そこにはp-ニトロアセトアニリドのさらなるニトロ化といった題材があり、それは「用いた濃硝酸・濃硫酸の物質量から考えると、p-ニトロアセトアニリドがさらにニトロ化され2-4-ジニトロアセトアニリド、2-4-6-トリニトロアセトアニリドといった化合物が生成する可能性が考えられる。しかし、実際にはほとんど生成しない。この理由について調べよ。」というものなのですが、いまいち分かりません。 -NHCOCH3はオルト-パラ配向性活性化基、-NO2はメタ配向性不活性化基ということは調べたのですが、これでは2,6がニトロ基で置換されてもおかしくないように思えます。 ニトロ基の不活性化作用の大きさや、アセチルアミノ基の立体障害なども考えましたが、なかなか確証を得ることができません。 どなたかわかる方はいらっしゃるでしょうか? お力添えをお願いします。
- Made_sky
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質問内容から離れたところで議論するのは不毛ですが。 それと見解が異なっているというのと批判的であるというのは別の次元であると思います。私は、#2~#6までのどの意見も批判的であるとは思いません。 #4の要点の1つは位置選択性の問題です。配向性云々は位置選択性の話であり、反応性とは切り離して考えるべき問題だと思います。 「メタ配向性」が「オルト、パラ位の反応性を悪くする結果メタ位に反応が起きるだけです」ということは当然承知しています。揚げ足をとるつもりはありませんが、奇しくもご自分で書いておられますように、これはニトロ基によって反応性が低下していて、オルト位とパラ位での反応性の低下が著しいと言うことであり、メタ位でも反応性の低下が起こると言うことですよね?それでもニトロ基の効果が(ほとんど)ないというのは理解に苦しみます。 それと、アセトアニリドのニトロ化でオルトでの反応はほとんど起こらないと言うような記述はあちこちで見かけます。しかし、必ずしもそうとは言えません。私も何回か行ったことがありますが、結構な量が得られたように記憶してます。条件にもよるでしょうが、参考URLの記述では21%となっていますしね。 ↓こんな記述もありますね。これは信用できそうです。 Acetanilide when nitrated with nitric acid plus sulfuric acid is reported to give 19.4% ortho, 78.5% para and less than 3% meta (Arnall, F., et al., J. Soc. Chem. Ind., London (1929) 48, 159 T). >p-ニトロ体をニトロ化してもオルト位のニトロ化は反応条件を強くしないかぎりおきないのです。この事は何を意味しているかというと、ニトロ基の効果はほとんどないという事です。 そうではなくて、1個目のニトロ基による不活性化のためであると考えても何の矛盾もないと思います。ニトロ基はオルト、パラだけではなく、メタ位も不活性化しますから。メタ配向性というのが、メタ位を活性化すると言う意味ではないことはご自分でも書いておられますよね?逆にニトロ基の効果がないと言うことであれば、2個目のニトロ化もある程度起こるはずで、上記のJ. Soc. Chem. Ind.の記述を信ずるなら、同等の条件でジニトロ体もある程度得られるはずだと思います。 現実に立体障害が皆無とはいいませんし、どちらが重要であると言う議論は難しいかもしれませんが、私はニトロ基による効果の方がずっと重要であると『思います。』要するに、これが結論です。 ということで、勝手ながら不毛な議論から撤退させていただきます。
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質問者さんにのみ回答します(念のため)。 配向性及びその反応性については、「無置換のベンゼンに比べて」という大前提が有ります。その結果、「構造式中にo,p-配向性基とm-配向性基が混在している時は、m-配向性基の影響は考えなくても良い」これだけを理解されておられたら良いかと思います。 私もこの不毛な場面から退場します。
参考のために、 アセトアニリドのニトロ化(HNO3, H2SO4)は、オルト位(痕跡)、パラ位(90%)です。この実験事実からも立体障害が大きな理由で有ると考えます。 更に、p-ニトロ体をニトロ化してもオルト位のニトロ化は反応条件を強くしないかぎりおきないのです。この事は何を意味しているかというと、ニトロ基の効果はほとんどないという事です。
他の回答者の回答に対して批判意見を書く事は、削除対象に成りますが、あえて、No4の回答に私なりの考えを書いてみます。 >配向性に関しては、ニトロ基のメタ位とアセトアミド基のオルト位は一致しますので、#3の議論は筋違いだと思います。 実は、良く間違える事ですが、「メタ配向性」という性質はありません。「オルト、パラ位の反応性を悪くする結果メタ位に反応が起きるだけです」 これを理解していないと上記のような間違えた考えを持つ事になります。 「どんなに強いオルト、パラ位不活性基(いわゆるメタ配向性基)よりも、弱くてもオルト、パラ位活性基の方が反応を支配する」と言う事です。 今回の問題については、立体障害のみが理由です。
異論があるようですので、詳しく書きます。 まず、配向性に関しては、ニトロ基のメタ位とアセトアミド基のオルト位は一致しますので、#3の議論は筋違いだと思います。 一般論として、ニトロ基がベンゼン環に導入されると求電子置換の反応速度は6x10^-8倍になるとされています。それに対して、アセトアニリドをニトロ化した場合には数%もしくはそれ以上のオルトニトロ化が起こります。 こういったことを考えあわせれば、ニトロ基による不活性化が主たる原因であると考えるのが妥当だと思います。 -NHCOCH3基はオルト位での置換反応を受け付けないほどかさ高い置換基ではありません。
立体障害か、あるいは、不活性基の影響なのか、意見が分かれているようですね。 重要な事は、「構造式中にo,p-配向性基とm-配向性基が混在している時は、m-配向性基の影響は考えなくても良い」と言う事です。 そのことから、今回の疑問は「立体障害」のみを考慮すればよいのです。 ニトロ化の条件が強ければ、2,6位にも起きます。
立体的な要因よりも、ニトロ基による不活性化の方が重要だと思います。 ニトロ基はもっとも強い電子求引基の1つであり、強い不活性化をおこします。 そのため、複数のニトロ基を導入する際には、電子供与基の存在が重要です。 ただ、ご質問の例では二個目のニトロ基がある程度導入されてもおかしくないようには思います。『まったく生成しない。』のではなく、『ほとんど生成しない。』となっているのはそういう意味もあるでしょう。
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