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判例法について

判例法とは、裁判所が確立した一定の考え方(判決例)だと思うのですが、ゆくゆくは法律として制定されるのでしょうか? 判決から法律が制定されるまでには非常に時間がかかりますが、その間は国民にとっては法的安定性が損なわれると思いますが、それを解消する手立てはあるのでしょうか?

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回答No.3

日本は憲法で三権分立を定め、その中に「国会単独立法の原則」を定めました。よって裁判所の判例は国会を拘束しませんので、判例法が法律として制定されなければいけないことはありません。 では、判例法は何を拘束するかと言いますと、それは裁判所自身です。これを先例拘束性といいます。この先例拘束性が法的に拘束力を持つのは当該事件においてのみです。ただ、最高裁の判例には「先例を無視した判決を下しても最高裁が判断を変えない限り最高裁で覆されるよ」という事実的な拘束力を下級審に対して持つでしょう。これによって法的安定性がある程度保たれるというわけです。 たしかに、裁判所は判例を書き直す事ができます。これでは法的安定性を欠くのではないかと思われるかもしれません。たしかにそういう側面は否定できませんが、最高裁では判例の書き換えには大法廷を開廷しなければなりませんし、法的安定性に勝る利益があってのことだからしょうがないのでしょう。

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  • utama
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回答No.2

「法」というのが,裁判所の判断を拘束するものと考えると,日本では判例が直接的に裁判所の判断を拘束することはない(事実上は影響するが)と考えられますので,「判例法」という制度はとっていないと思います。 これに対し,判例法の国といわれる米国では,先例は基本的に裁判所の判断を拘束するものととらえられますので,原則的に先例と異なった判断をすることは許されません。先例と異なる判断をする場合には厳密な先例との区別や,先例の適用前提が変化してしまった事実の認定などを綿密に行うことが必要となります。 私の見解としては,「判例法」という制度その物が,裁判所が先例と異なる判断をすることを原則として禁止することで,法的安定性を確保するための制度であると考えますが,いかがでしょうか。

  • aruke
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回答No.1

法律として制定(改正)されるものもあります。 例えば、最近では貸金業規正法の改正により、いわゆるグレーゾーン金利といわれる部分が廃止されましたが、判例ではこのグレーゾーンについては、過払い金として払い戻し請求ができることがはやくから確立していました(貸金業規正法の改正については下記URLに金融庁のHP)。 この改正は判例が法律をかえた典型でして、「法律に定めてあるのに判例で少しずつ無効化していって、最後には改正した」という流れになっています(詳しくは調べてみてください)。 法的安定性が損われる…という点については、おっしゃるとおりだとは思いますが、しょせん判例も、一つの事件に関する判断にすぎないわけで、その事件の積み重ねがないと、改正のしようがないのではないかな、とも思います。

参考URL:
http://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/index.html