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検察の起訴裁量について

buttonholeの回答

  • buttonhole
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回答No.8

>網の目が5ミリなら、5ミリ以上の石ころしかふるいに残りませんが、その石ころを落としてもいいが、3ミリのを起訴しちゃいけないということです。  検察官が不起訴にする理由として次のようなものがあります。(訴訟条件「例えば、親告罪における被害者の告訴」が具備していないというのもありますが、それは考慮しないとします。) 1.嫌疑なし(犯罪事実がないことが明らか) 2.嫌疑不十分(犯罪事実を証明するに足りる証拠がない) 3.起訴猶予(嫌疑は十分にあるが、情状等を考慮して起訴しないこと)  御相談者の言う「網の目が5ミリのふるい」は、上のどれをふるい落とす物なのでしょうか。 >学説として、公訴権濫用論を唱える場合、その強い主張者は「検察官の裁量の範囲は小さいべき」、弱い主張者は「検察官の裁量はある程度ある」となり、公訴権濫用論反対者は「検察官にはきわめて広い裁量の余地がある」となるのでしょうか?  公訴権濫用論を肯定する論者も、検察官に広い裁量権があること自体は否定していないと思います。「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは」というように考慮すべき事情をある程度、例示をしていますが、その具体的な基準は何ら定めていませんし、あくまで「公訴を提起しないことができる。」のであって「公訴を提起してはならない。」とはなっていないからです。 刑事訴訟法における公訴権濫用論が可否が先鋭化するのは、先に述べた3のケースです。(違法捜査に基づく起訴も問題になりますが、話が広がりすぎるので考慮しないのとします。)もちろん、1.2.の場合にも問題になりえますが、刑事訴訟法上の被告人の救済手段としては無罪判決があります。ところが、3.のケースは、刑事訴訟法上の被告人の救済手段として無罪判決を言い渡すことができませんから、被告人が有罪か無罪かという実体的な審理、判断をしないで、公訴棄却判決という審理打ち切り判決をすることによって被告人を救済すべきでないかというのが公訴権濫用論のねらいです。  しかし、公訴権濫用論というのは、劇薬です。検察官が、刑事訴訟法の手続きに従って起訴したにもかかわらず、公訴棄却判決をするというのは、重要な検察官の訴追権、別の言い方をすれば、検察官の裁判を受ける権利を奪うことになりますから、(あくまで比喩的な表現であって、憲法が被告人に保障している裁判を受ける権利と同列に扱えという意味ではありません。)きわめて例外的な救済手段であることは、どの論者も否定していないと思います。

thinker123
質問者

補足

裁量ある、ないの議論は極論なので、表現を変え、議論の組み立てを変えます。 要は私が考えていることは、検察官は前例にどの程度縛られるのか、ということです。前例には、第一に過去の判例、第二に過去の起訴・不起訴の例(不起訴は判例になりません)があります。これら前例に縛られるのであれば、裁量の幅は狭くなります。前例にとらわれないのであれば、裁量の幅は広くなります。前例に縛られないなら、検察官によって判断が異なってきます。縛られるなら、検察官による差は小さくなります。 裁判官は、相当程度判例に縛られます。 実態としては、検察官が起訴・不起訴の例に縛られるべき程度は低いのだと思いますが、それは運用の問題であり、「本来は、検察官は起訴・不起訴の例に縛られるべき」という議論を行うことは可能でしょうか。 例えば、今回の件は仕方ありませんが、今後検察官が「面子」にこだわり、医療事件をどんどん刑事事件化したりするようなことは許されるのでしょうか(罪を疑われた医者には多大な被害があります)。また、日興證券等よりわるいことをしていた企業がすべて見逃されているのに、堀江氏だけが立件され有罪実刑という不平等は許されるのでしょうか。 一般の事件と、特捜部の事案で、上記の裁量に関する議論に違いはありますでしょうか。

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