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NPO
NPO法人の経営と課題を教えてください。
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NPO法人の理事をやっている者です。 今まで勉強したNPO法人の経営・課題について自分なりに整理したものを書きます。 ・設立時の課題 1.資本金がそれほど必要でないので、気軽に立ち上げてしまうことが多いが、非営利といえども当座の運転資金、設備資金は必要。それを認識していないことが多く、事業を続けるうちに資金が窮乏する。 2.営利・非営利を問わず、法人は事業継続が大事。その法人が提供する商品・サービスを利用するお客さまの立場に立ってみれば、突然それがなくなってしまうことは非常に残念なことである。継続の見通しが立たないまま見切り発車してしまうことは非常に危険。 3.ボランティア活動などの事業は、経営的視点を持たずに「志」だけで動き出すことが多い。小さな組織のうちは志だけで持っても、事業が大きくなりスタッフも増えてくると必要な資金・資源も大きくなる。この段階になると、それをマネジメントできる経営のプロがスタッフに必要となってくる。設立時にきちんとした事業計画を立て、それを遂行できる経営スタッフを当初から準備しておくとよい。 ・運営上の課題 1.高い志を持って始めた事業も、時間が経過するにつれ役員・会員の意識のずれが多少なりとも生じてくる。その時どう組織をまとめ舵を切るかという話し合いが真剣に行える風土を、普段から作っておく必要がある。初期メンバーの思いが強すぎると、かえって組織の発展を阻害する可能性がある。 2.「非営利」という言葉に惑わされ「利益」を上げてはいけない、という間違った認識を持って運営しているNPOが非常に多い。そのためいつも資金集めに苦労する。必要な経費をまかなうための利益は上げてよい。ただし、それは組織継続のためにのみ使うことが出来、上げた利益を元手に投資したり、配当などという形で分配することは出来ない。「ボランティア」の語源は「自ら動く者」という意味であり「無報酬」ということではない。自ら社会課題の解決に動く者たちに対して相応の報酬を払うことは当然のことである。(金額の多少は別問題であるが。) 3.NPO活動を発展させていくためには、質の高いスタッフを揃えることが必要であるが、ほとんどの組織は自前で人材を育てることが出来ない(その余裕がない)。したがって、人材育成や社会教育の専門家の支援を受ける必要性を普段から認識し、必要な時に支援を受けられるようこれらの専門家たちとよい関係を作っておくことが必要である。 4.NPOは志で動くが故に、唯我独尊に陥る危険性をいつも抱えている。事業の提供者・受益者双方がよいコミュニケーションをとり、風通しのよい、開かれた関係を持ち続けることが必要である。 以上、参考にしていただければ幸いです。
お礼
こんなに詳しく本当にありがとうございました。やはり、NPOをやるということは、ただボランティア精神だけでは難しいんですね。もっと自分で考えてみます。